現代の人気女優も“昭和のスター”にはかなわない!?「オーラは役づくりで出るものではないです」菅野美穂(川本世津子)【「ひよっこ」インタビュー】

2017年9月4日 / 08:30

 みね子(有村架純)の記憶喪失になった父・実(沢村一樹)を助け、2年半もの間生活を共にし、結果的にみね子たちを苦しめてしまっていた人気女優・川本世津子を演じている菅野美穂。脚本の岡田惠和氏から渡された、昭和のスター役という“宿題”に臨んだ菅野が、その手応えや今後の見どころ、また、家族で本作を見ている時の様子などを語ってくれた。

 

川本世津子役の菅野美穂

-前作「べっぴんさん」に次いでの出演ですが、オファーをもらった時の心境は?

 (脚本の)岡田(惠和)さんからまた声を掛けていただけたということで、すごくうれしかったです。

-岡田さんからは「戦友」と呼ばれていますが、そんな深い仲の菅野さんの目に本作はどのように映りますか。

 岡田さんが脚本家の一人として参加していたドラマ「ツインズ教師」(1993)でデビューしたので、もう25年ぐらい一緒に仕事をさせていただいています。そういう岡田さんの作品をよく知る身として、「ひよっこ」は岡田さんが今まで手掛けた脚本の中で一番すてきで、優しい気持ちになれる、涙が流れる作品だと思います。

-昭和の人気女優という役はプレッシャーを感じそうですが。

 なんで私に大女優の役をやらせようと思ったんですかね(笑)。でも、20代、30代の時とは違うボールを投げてもらっている感じがして、宿題なのかな?と思ったし、信頼して委ねてくださっていることも感じました。

-どのような役づくりをされましたか。

 恥ずかしい話ですが、昭和の名作映画をほとんど見たことがなかったので、いろいろ見て勉強しました。当時の女優は30歳ぐらいでも達観していて、40歳の私より年上に見える落ち着きや、円熟味があって魅力的でした。今の芸能界は若々しさや新鮮さを求めているのかなぁと比べながら見たりもしました。

-実際に演じられての手応えは。

 60年代の女優のオーラは役づくりで出るものではないですね。私には足りなかったな…。

-これまでの取材で、20歳前後の出演者たちは、一様に朝ドラの舞台に立つことを一つの目標として頑張ってきたと話していましたが、同じ年ごろのころ、菅野さんにとって朝ドラはどんな存在でしたか。

 母が「おしん」(83)を熱心に見ていたので、15歳で初めてドラマに出演した時は、親が(放送を)楽しみにしてくれるような仕事ができたらいいなと思い、朝ドラが目標になりました。実際に「走らんか!」(95)に参加させてもらった時は、親が喜んでくれたのがすごくうれしかったです。

-以来、4本もの朝ドラに出演していますが、朝ドラの魅力とは。

 朝ドラらしい演技があって、シリアスとコメディーを自由に行ったり来たりしたり、この人はこういうことは言わないだろうなというせりふを言うことで面白い化学反応が起きたりしますよね。それができるのが朝ドラだし、そのために丁寧に時間をかけて撮影できることが強みだと思います。

-有村架純さんのヒロインぶりはどうですか。

 有村さんの演技は岡田さんの本と相性がいいと思います。岡田さんが想像していないところのみね子の雰囲気やしぐさが、有村さん自身から自然に出ているところが魅力的です。

-愛子役の和久井映見さんを尊敬されているそうですが、ドラマ「あいのうた」(2005)以来の共演はいかがですか。

 第24週で愛子さんと世津子のプロレスシーンがあるんですが、和久井さんの足を触ったりするので前日からドキドキして変な緊張がありましたが、すごくうれしかったです!

-第18週の実を連れ戻しに来た妻・美代子(木村佳乃)と対峙(たいじ)するシーンは緊迫感がありましたが、どのような気持ちで挑みましたか。

 あそこで初めて実さんを誘拐していたことに気づきました。世津子としては、困っている犬を大事にしていて、その温もりから離れられなくなっただけという思いでしたが、それが一つの家庭を追い込んでいたので、自分のしたことはなんて罪深かったんだろうという驚きと後悔が生まれました。沢村さんは「実と世津子さんは男女の関係ではなかったと思う」と話していたので、精神的なよりどころとして実さんが自分にとってどれだけ大事だったかを考えながら演じました。

-ドラマは家族でご覧になっていますか。

 はい、見ていますが、「全然出てこないね。いつ出てくるの?」と言われています(笑)。(息子は)世津子が出てくると「あっ、お母さん」って言ってくれるようになりましたが、有村さんを見ても「お母さん」って言うから、「そうだよ」って言っています。「べっぴんさん」の時はオープニング曲がかかると体をゆすって踊り出したので、「動画、動画!」って撮っていました。

-クライマックスも近いですが、今後の見どころを教えてください。

 愛子さんと省吾さん(佐々木蔵之介)の恋の行方を楽しみにしていてください。お二人とも忘れられない人がいて、そういう二人がどうなっていくのか…。ほんわかしたみね子さんがジャンヌ・ダルクみたいに勇ましくなるシーンもすてきでした。あと、この前、女性だけのシーンを撮りましたが、10代から70代までの女優が一堂に会してすごかったですよ。

(取材・文・/錦怜那)


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