「ヒデはみね子のことが100パーセント好きです。大好きです!」磯村勇斗(前田秀俊)【「ひよっこ」インタビュー】

2017年8月19日 / 08:30

 みね子(有村架純)が働く赤坂の洋食屋「すずふり亭」の見習いコック前田秀俊役を演じている磯村勇斗。当初から“イケメンコック”と呼ばれ人気を集めていたが、終盤に入り、島谷(竹内涼真)と破局したみね子の新しい恋の相手として注目されている。この予想外の展開を受けて、磯村が胸中を告白。また、エンターティナーとしての壮大な夢も語った。

前田秀俊役の磯村勇斗

-「まれ」(2015)では1話のみの参加で、今回はメーンキャストの一人として出演していますが、オーディションを受けるきっかけは何でしたか。

 役者を目指していた時、同い年ぐらいの俳優が朝ドラに出て世間から注目されていることは、自分も頑張ろうという刺激にはなったけど、そこには嫉妬もありました。だから、朝ドラに出たいと思ったのは嫉妬から生まれた挑戦でした。

-実際に憧れの舞台に立っての感想は?

 見ている時はうらやましいという憧れだけでしたが、今は、あれだけの大ベテランの俳優さんたちがいる中で、若い自分が演じられる有り難さと同時に、未熟さを感じています。生半可な気持ちでは臨めないと、現実を突きつけられた感じがします。

-くしくも、同世代の“戦隊・ライダー俳優”が集結しましたが、竹内涼真さん(「仮面ライダードライブ」)、竜星涼さん(「獣電戦隊キョウリュウジャー」)もかなり気合が入っていましたね。(磯村は「仮面ライダーゴースト」)

 最初は「おー、ヒーローが3人そろった!」と1人で興奮しました(笑)。劇中で全員がそろうことはなかったですけど、同世代で同じ“戦隊・ライダー”出身ということもあって、互いに心の支えでもあり、刺激を与え合っていたと思います。

-今回は見習いコックの役ですが、料理の練習はどれぐらいしましたか。

 クランクインの3カ月前から料理指導をしていただき、家でも繰り返し練習しました。キャベツは3玉を千切りにするのに30分ぐらい、ニンジンはシャトーむきを習得するのに毎日1時間かけていました。今はどれも10~15分でできるようになりました。あと、包丁を研ぐ作業が大変で、これは今も2時間ぐらいかけてやっています。

-島谷がみね子と別れ、あかね荘を去った今、ヒデが新しい恋人候補に挙がっていますが、どういう展開を望みますか。

 希望としては、将来ずっとそばにいられるような近い存在になりたいです。ヒデはみね子のことが100パーセント好きです。大好きです!

-とはいえ、明確なアプローチはまだかけていないようですね。

 不器用で奥手なので、少しずつジャブを打ち続けている感じです(笑)。「イケよ、ヒデ!」と思うんですけどね…。もどかしい気持ちを持ちながらやっています。

-ヒデがみね子に思いを寄せるようになることは最初から知っていたのですか。

 全く聞いていませんでした。台本が出来上がるごとに自分の役を知っていく感じなので、ここまでみね子との距離が近づくとは思わなかったです。でも、最初から知っていたら、みね子がすずふり亭に初めて来た時から“恋の目”で見ていたかもしれないので、知らされなくて良かったと思います。

-現在は“恋の目”なのか、みね子を見つめる視線が印象的ですね。

 みね子のことはいつも気にかけていて、優しい目で見ています。みね子に何か事件があると、いつもそばで話を聞くのがヒデなので、みね子への視線を、皆さんにぜひ見てほしいです。

-ちなみに、磯村さんは女性には積極的な方ですか。

 僕も奥手で積極的にアプローチするのが苦手だから、ヒデの気持ちが分かります。学生のころは特に、好きな子には「どう話していいんだろう」と心臓がバクバクして「好き」と言えなかったし、今もどう接していいのか分からなくて、クールぶって格好つけて“告白待ち”をするタイプです。

-役同様に磯村さん自身に世間の注目が集まっていることは意識していますか。

 ヒデのシーンを増やしていただいて、それに伴って緊張感はありますし、悪いことは絶対にしない、常識を守って生活するということは気をつけています。誰が見ているか分からないですからね。

-本作に携わることで役者として大きな糧を得たのではないですか。

 (佐々木)蔵之介さんや宮本(信子)さん、有村さんに比べると自分は未熟で、台本の読み込み具合や芝居の捉え方、演技が浅いので、いろんな角度から台本を読んでいこうと思いました。それに、全部のことに全力で向かうと空回りすることも知りました。力を抜くことによって良い表情やコミュニケーションが生まれることもあるので、芝居でも今後の役者人生においても引き算を取り入れていこうと思いました。

-今後の活躍が楽しみですが、憧れの俳優や将来の目標はありますか。

 憧れの俳優は松田優作さんです。映像から魂が見える役者で、自分もそれほどの熱量を持ってお芝居をしたいと刺激されました。将来の目標はハリウッド進出で、役者としてはもちろん、脚本家や監督としてもやっていきたいです。実は、最初の海外作品は大好きなゾンビ映画にしたくて、もう脚本を書いて温めています(笑)。

(取材・文/錦怜那)


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【Kカルチャーの視点】家族の情緒が国境を越える、俳優ムン・ソリが語る「おつかれさま」ヒットの理由

ドラマ2025年12月26日

 今年のヒットドラマ、Netflixシリーズ「おつかれさま」。子どもから親へと成長していく女性の人生とその家族を描き、幅広い世代から支持され大きな話題を呼んだ。IU(アイユー)との二人一役で主人公エスンを演じたムン・ソリに、ドラマの振り返り … 続きを読む

田中麗奈「こじらせ男の滑稽で切ない愛の行方を皆さんに見届けていただきたいと思います」『星と月は天の穴』【インタビュー】

映画2025年12月24日

 脚本家としても著名な荒井晴彦監督が、『花腐し』(23)に続いて綾野剛を主演に迎え、作家・吉行淳之介の同名小説を映画化した『星と月は天の穴』が12月19日から全国公開された。過去の恋愛経験から女性を愛することを恐れながらも愛されたい願望をこ … 続きを読む

天海祐希、田中哲司、小日向文世、でんでん、塚地武雅「12年の集大成を見届けてください!」大ヒットシリーズ、ついに完結! 劇場版「緊急取調室 THE FINAL」【インタビュー】

映画2025年12月23日

 2014年1月にスタートしたテレビ朝日系列の大ヒットドラマ「緊急取調室」。たたき上げの取調官・真壁有希子が、可視化設備の整った特別取調室で取り調べを行う専門チーム「緊急事案対応取調班(通称:キントリ)」のメンバーとともに、数々の凶悪犯と一 … 続きを読む

【映画コラム】時空を超えた愛の行方は『楓』『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』『星と月は天の穴』

映画2025年12月20日

『楓』(12月19日公開)  須永恵と恋人の木下亜子は、共通の趣味である天文の本や望遠鏡に囲まれながら幸せな日々を送っていた。しかし実は本当の恵は1カ月前にニュージーランドで事故死しており、現在亜子と一緒にいるのは、恵のふりをした双子の兄・ … 続きを読む

北香那「ラーメンを7杯くらい食べたことも」天野はな「香那ちゃんのバレエシーンは見どころ」 「ラーメン」と「クラシック・バレエ」が題材のコメディーで共演 NHK夜ドラ「替え玉ブラヴォー!」完成会見

ドラマ2025年12月19日

 12月19日、東京都内のNHKで、1月5日からスタートする夜ドラ「替え玉ブラヴォー!」の完成会見が行われ、主人公・千本佳里奈(ちもと かりな)役の北香那、佳里奈の親友・二木優美(ふたぎ ゆみ)役の天野はながドラマの見どころを語ってくれた。 … 続きを読む

Willfriends

page top