【インタビュー】「幕末グルメ ブシメシ!」草刈正雄「(共演の娘には)アドバイスをすると怒られるので、何も言わないです」

2017年1月9日 / 12:00

 昨年のNHK大河ドラマ「真田丸」で、主人公・真田信繁の父・昌幸を豪快に演じて好評を博した草刈正雄が、幕末の江戸を舞台にしたプレミアムよるドラマ「幕末グルメ ブシメシ!」に出演する。勤番で江戸にやってきた酒田伴四郎(瀬戸康史)が、藩主の松平茂照(草刈)に料理を振る舞うことになるが…。殿さまでありながら、時折“謎の中間”として町に繰り出す茂照を演じる草刈が、役に対する思いや、娘の麻有との共演について率直に語った。

 

松平茂照を演じる草刈正雄

松平茂照を演じる草刈正雄

-今回の役どころをご自身ではどう捉えていますか。

 1、2話ではまだ出てきませんが、実は藩の中に殿と敵対するような家臣がいるんです。そんな藩のまとまりのなさを嘆いている殿には、「何かきっかけがほしい」と町に出てしまうようなやんちゃな部分があるのですが、そこで瀬戸くん演じる青年と知り合って、話が転がっていく。でも基本的にはしっかりとした殿だと思います。

-今回は“殿さま然”とした殿さまかと思えば、“謎の中間”も演じていて、「その二面性が楽しい」とおっしゃっていますね。

 あれは時代劇の醍醐味。殿さまと下町のお兄ちゃんの“一人二役”というのは昔からの定番なんです(笑)。昔は正月にオールスター勢ぞろいでそういう映画を作っていて、僕は子どもながらにそういう物語にすごく憧れていました。今回は「これを自分がやれるんだ!」と思いまして、すごく楽しみにしていました。

-実際に演じてみていかがですか。

 僕は役作りというのはあまりしません。衣装の力が大きいです。役者というのは、気持ち悪いもので、中間の格好をするとなんとなく中間になっちゃうし、殿さまの格好をすると、フワ~ッと殿さまの気分になる。あれって不思議ですよ。僕の場合はそこから(役を)拾うことが多いです。昌幸の時もそうだった。扮装をした時に、「これだ!昌幸は」という直感を頂きました。

-今回の殿さまも、「真田丸」で演じた昌幸同様に、ちゃめっ気のある役どころですね。

 そういった場面は、これからも多々出てきます。その辺も楽しんでやっています(笑)。

-瀬戸さんとのコンビネーションはいかがですか。

 とてもいいですよ。あの人のひょうひょうとしたところが好きです。後半の撮影も楽しみです。

-昨年は「真田丸」での当たり役もあり、「役者人生の中で最高の1年でした」とおっしゃっていましたが、改めて心境をお聞かせください。

 本当に(最高だったと)実感しています。僕は40年以上役者をしていますが、本当に最高の1年でした。素晴らしい役を頂いた。三谷(幸喜)さんの脚本には役者さんへの愛が感じられます。そういうカンパニーで仕事できたことは本当に幸せです。

-今回はどんな心境で挑まれますか。

 おかげさまでその後もいろいろお話を頂いたのですが、その中でも特にこれが面白いと、ビビッと来たので、直感で「これをやる」と決めました。

-ロケ現場となっている日光は、とても寒いとお聞きしましたが。

 寒さが一番の敵です。でも、温泉がある宿舎なんですよ。どんなに寒くても、終わったら“あの風呂に飛び込むぞ”っていう楽しみがある(笑)。寒ければ寒いほど、後の楽しみになります。瀬戸くんとは一緒に風呂にも入りました。

-次女の麻有さんも鶏鍋「きじや」の店主の娘・お羽として出演しています。4度目になりますが、共演には慣れましたか。

 最初のうちは、家族と一緒に芝居をやるのはちょっと抵抗がありましたけど、今は麻有もそこそこやりますしね…。「お~っ!?」と思いながら見ています。本人も町娘なんて初めての役で楽しんでやっています。

-現場で直接アドバイスをされたりすることは?

 それを言うと怒られるので、何も言わないです(笑)。

-4話ではお羽と田中圭さん演じる伴四郎の同僚・五郎右衛門が、“いい関係”になりますが、お父さん目線としてはいかがですか。

 そのシーンを撮るのは明日なんですが、どういう芝居をするんだろうと今から楽しみです。ドキドキするんだろうけど、何も言わないでおこうと思って。言うと、ムッとするから(笑)。

-「ブシメシ」にちなみ、草刈さん自身が、ここぞという時に食べると元気になれる定番の食事を教えてください。

 僕はすぐ成り切っちゃうから、風邪を引いたりしたら必ずおかゆを食べます。塩でちょっと味付けされていて、後は昆布とか、明太子をちょっと入れて食べるのが大好き。カミさんに作ってもらったおかゆを食べていると、「あ~、病気になったんだな~」って思います(笑)。

殿さまでありながら、時折“謎の中間”として町に繰り出す茂照

殿さまでありながら、時折“謎の中間”として町に繰り出す茂照


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【インタビュー】「十三人の刺客」中村芝翫「ぜひまた克典さんと共演を」高橋克典「家族に近い感覚でできたことが楽しかった」幼なじみの2人が、名作時代劇のリメークドラマで初共演

ドラマ2020年11月27日

 昭和の名作時代劇が、令和の時代によみがえる。昭和38(1963)年の公開以来、映画やテレビドラマ、舞台劇として何度もリメークされてきた「十三人の刺客」が、NHK BSプレミアムで11月28日(土)午後9時から新作テレビドラマとして放送され … 続きを読む

【インタビュー】『記憶の技法』石井杏奈「自分も華蓮と一緒に旅をした気分になって、自然と成長していけたと思います」

映画2020年11月26日

 東京に住む女子高校生の鹿角華蓮(かづの・かれん=石井杏奈)は、奇妙な記憶喪失癖に悩んでいた。幼少期の記憶の断片が不意に脳裏をよぎり、しばしば意識が飛んでしまうのだ。ある日、華蓮は自分が養子であることを知る。真実を知りたいと考えた華蓮は、同 … 続きを読む

【インタビュー】「23階の笑い」小手伸也 三谷幸喜演出の舞台で「全力で恩返しをするときがきた」

舞台・ミュージカル2020年11月25日

 三谷幸喜が演出する、ニール・サイモン作の「23階の笑い」が、12月5日から上演される。本作は、熾烈(しれつ)な視聴率戦争で各局がしのぎを削っていた1950年代のアメリカのテレビ業界が舞台。ある高層ビルの23階の一室に集まった人気コメディア … 続きを読む

【大河ドラマコラム】「麒麟がくる」 第三十三回「比叡山に棲(す)む魔物」光秀を比叡山焼き討ちに導いた運命の歯車

ドラマ2020年11月23日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「麒麟がくる」。11月22日放送の第三十三回「比叡山に棲(す)む魔物」では、朝倉義景(ユースケ・サンタマリア)と比叡山の天台座主・覚恕(春風亭小朝)の同盟に苦杯を喫した織田信長(染谷将太)が、家臣たちに比叡山 … 続きを読む

「派手な衣装からも、どこか憎めないキャラクターとして目に止まれば」ユースケ・サンタマリア(朝倉義景)【「麒麟がくる」インタビュー】

ドラマ2020年11月22日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「麒麟がくる」。個性的な戦国武将が数多く登場する中、本心の読めないキャラクターとして異彩を放っているのが、越前の戦国大名・朝倉義景だ。一時は美濃を逃れた明智光秀(長谷川博己)をかくまい、後には織田信長(染谷将 … 続きを読む

page top