エンターテインメント・ウェブマガジン
舞台で培われた確かな演技力と美貌に、年齢非公表というミステリアスな一面も加わって一躍人気を博し、名バイプレーヤーとして映画やドラマに引っ張りだこの女優・吉田羊。そんな彼女が映像デビューから9年目の今年、“主演ブレーク”している。木村佳乃とのW主演映画『嫌な女』に続き、連ドラ初主演となるのが、未解決凶悪犯罪、通称“コールドケース”を扱う神奈川県警・捜査チームの活躍を描く「連続ドラマW コールドケース~真実の扉~」。喜びもひとしおかと思いきや、その胸中は意外なものだった…。
主役なんて柄ではないし、性(しょう)に合わないと思っていました。刑事役も、主演として経験のある方々が演じればハマると思うし、私よりはるかにすてきに演じられると思います。でも、プロデューサーや監督から「『この人はこういう芝居をするよね』という“色”のない女優にお願いしたかった」と言われ、それならまっさらな気持ちで臨めるかも…と思い、引き受けました。
ある一定の距離を保って人付き合いをするところや、気持ち悪いと思ったものをそのままにしないで、答えが出るまで突き詰めていく頑固さや融通の利かなさは、限りなく私に近いと思います。だから、百合と自分との境が分からなくなるぐらい、心地良く演じさせてもらいました。他の作品で続編をやりたいと思ったことはありませんが、この作品や役に関しては一生やっていきたいと思うほどで、撮影後は“百合ロス”になりました(笑)。
そこに注目していただいてありがとうございます。百合の日常が見えるように、左手首にヘアゴムをつけて、食事や臨場のシーンでは髪を結ぶことを私が提案しました。監督が求める「生きたドラマ」では、仕事の合間にデスクで牛丼を食べる時にわざわざ髪を整えないし、女優としての美しさや格好良さは必要ないと思いました。だから、髪形は各話によって少し違います。毎回判を押したような同じ髪形は生きている匂いがしないですから。
それぞれが自立した方なので、私は私で好きなようにやることを許してくれる現場でした。滝藤さんは「よっ、座長!」なんて言って面白がっていましたけど(笑)。普通、撮影現場ではイラついて声を荒げる方が一人二人いますが、今回はそういう方がいませんでした。みんな穏やかで、とにかく作品を良くしたいという思いに集中した職人たちと座組みができたことが私の誇りです。
仲代達矢さんには圧倒されて、まるで神と対峙(たいじ)しているような感覚になりました。せりふのない行間にこそ、役の思いがにじみ出ると思うのですが、仲代さんのその時の表情やしぐさはとても勉強になりました。お芝居から役が匂い立つようで、それを経験できただけで死んでもいいと思うほど幸せでした。
私は相手にきちんと謝ったつもりですが、本当の意味でわだかまりが溶けていないと思っていることがあります。でも、どれぐらいの強さで、どういうふうに痛みを感じているかはその人にしか分からないので、傷つけた側も傷つけられた側も最終的には分かり合えないのかも…。気持ちを伝えたことで自分を納得させて前に進むしかない。そうやって人は生きているのかもしれないですね。
居心地が良いかというと良くないですね(笑)。人を束ねていく性格ではなく、束ねてくれる人についていくことが好きだったり、頼りにされたり必要とされたりすることを良しとする人間なので。そういう意味では主役は向いていないといまだに思います。
ドラマは10月22日午後10時からWOWOWプライムで第1話無料放送
(取材/文:錦玲那)
ドラマ2026年6月3日
韓国発のダーク・サスペンス小説を実写化したドラマ「連続ドラマW コンサルタント―死を執筆する男―」が、6月7日からWOWOWプライム・WOWOWオンデマンドで放送・配信される。本作は、ミステリー小説家志望の冴えない男・伊崎耀が謎の組織“カ … 続きを読む
ドラマ2026年5月28日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=羽柴秀吉/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。5月24日に放送された第20回「本物の … 続きを読む
舞台・ミュージカル2026年5月28日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼太宰府天満宮の「梅ヶ枝餅」 前 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2026年5月27日
芳根京子と渡辺翔太がダブル主演を務める、Bunkamura Production 2026/DISCOVER WORLD THEATRE vol.16「ウェンディ&ピーターパン」が、6月12日から上演される。本作は、世界的名作「ピーターパ … 続きを読む
映画2026年5月22日
その男が右手で触れた瞬間、相手は消え、死が訪れる。世にも奇妙な凶器なき犯行と謎に包まれた動機とは…。俳優だけでなく、脚本家、映画監督としても活躍する佐藤二朗が、初めて漫画原作を手がけたサイコバイオレンスを、自らの主演・脚本、城定秀夫監督で … 続きを読む