「堺さんは、あれだけの数のせりふをこなしながら、俺たちの冗談にもついてくる。立派だと思います」哀川翔(後藤又兵衛)【真田丸インタビュー】

2016年10月23日 / 20:45

 NHKの大河ドラマ「真田丸」で、真田幸村(堺雅人)らと共に大坂城五人衆として大坂の陣に参戦した豪傑、後藤又兵衛を演じる哀川翔。黒田家の猛将として知られた又兵衛が豊臣秀頼(中川大志)方についた思いを語る。

 

後藤又兵衛役の哀川翔

後藤又兵衛役の哀川翔

-又兵衛役にはどんなアプローチを?

 実は撮影に入る前に、又兵衛の足跡を追う番組の収録のため、関ヶ原で黒田長政と石田三成の陣地を見て、それから大阪城と真田丸の跡地、(又兵衛の)出生地である姫路、又兵衛がいた九州の城の城跡も見てきました。そのことで又兵衛像を自分の中に入れて撮影に臨むことができました。

-何を感じましたか。

 歴史を変えた人物ではないけど、今の時代にも存在感を残した人物だと分かりました。収録で伺った先々での又兵衛の愛され方が半端じゃないんです。皆さん、昨日までそこで生きていた人みたいに又兵衛の話をするんです。「あのね、昨日、隣のおじさんがね」っていう感じでね(笑)。戦(いくさ)好きというだけではない魅力があると思いました。黒田家を出て渡り歩いていた時も、こそこそとはせず、堂々と歩いていった痕跡がありました。黒田家との関係もそれほど悪くはなく、恩義も感じながら大坂城に入ったと思います。

-大坂五人衆はばらばらな個性を持っていますね。

 たぶん最後までばらばらです(笑)。でも戦に勝つということを最後まで信じ切った五人だったと思います。仲の悪さが互いを刺激し合って、結果としてハッパを掛け合うことにつながっていったように思います。

-又兵衛も幸村と同じ場所に自分の本陣を作ろうとしていましたね。

 でも幸村の戦略を聞いた時に自分よりも優れていた。そこで人物を認め、譲ったのだと思います。そこから幸村とは思いがつながったんじゃないかな。幸村から腹を明かされた段階でこいつは信用できると感じたんでしょう。最初は、お父さんの昌幸の物まねだろうと思ってなめてかかっていたはずですけど、だんだんそれが幸村自身の身についた行動であると分かってくる。幸村にその場所を任せたからこそ、他で自分が(活躍)できる場所を見いだすことができた。やはり信頼関係ですからね、戦は。

-黒田家に仕えて歴史の流れも長く見てきている又兵衛があえて大坂城に入ったのは?

 天下をひっくり返すという気持ちより、自分自身の存在価値を認めてくれたところに仕えたということ。お呼びが掛かって、生きがいを感じたと思います。

-又兵衛はなぜ大坂城に来たのかと問われて「ここに死に場所を見つけに来た」と話しますが、その真意は?

 本心じゃないです。死ぬ思いで戦わないとこの戦は勝てないということ。「死にに来たんだ」と言った方が説得力があると思ったんでしょう。自分を盛り上げる意味もあるし、戦とはそういうものだということです。実際の又兵衛の動きを見ると、死に場所を探しに来た男の動きじゃないですから。

-哀川さんには又兵衛と近いところはありますか。

 (又兵衛のように生きるなんて)無理です(笑)。でも男としてはイカしている。

-3回目の大河ですが、これまでと違いはありますか。

 (気持ちが)乗っているからか、面白いね(笑)。今回は物語の軸を作っていますから。これまでも実在の人物を演じてきましたが、描かれ方がとても空想的だったので、遠い存在でした。今回はそうじゃないので。

-堺さんはいかがですか?

 彼は明るいし、あれだけの数のせりふをこなしながら、(本番以外の時の)俺たちの冗談についてくる(笑)。立派だと思います。

-哀川さんはカブトムシを育てる愛好家としても知られていますが、ロケ現場でも見つけたとか。

 たまたま水飲み場にノコギリクワガタがいただけです(笑)。家で飼育していますけど、まだ生きていますよ。みんな「取るな」って言うけど、俺んちにいた方が幸せなんですよ。俺んちは虫のオアシスなんですから。


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