NHKの大河ドラマ「真田丸」で、加藤清正(新井浩文)と共に、豊臣秀吉(小日向文世)の親戚として早くから取り立てられてきた福島正則を演じている深水元基。正則が秀吉の正室、北政所(鈴木京香)への尊敬の念から、徐々に石田三成(山本耕史)との対立を深めていく様子を語る。
-出演が決まった時はいかがでしたか。
うれしくて、すぐ親に報告しました。今までは悪役ばっかりやっていたので、報告できるような役がなかったものですから(笑)。
-大河ドラマの撮影現場はどんな様子でしたか。
緊張しました。リハーサルをすることも珍しいですし、みんなちゃんと浴衣や着物を着てリハーサルに挑むんですよ。収録の初日をドキドキしながら迎えたことを覚えています。
-正則という人物の印象は?
(秀吉から拝領した)やりの「日本号」を酒席のやり取りでとられたとか、飲み過ぎて家臣を切腹させたとか。めちゃくちゃな人だったんだなという印象がまずありました。
-逆に正則の好きなところは?
気持ちのいい性格。意志の強さはかっこいいですよね。
-正則は大酒飲みですから、酒のシーンもありましたね。
水でしたが、(撮影で)2リットルぐらいは飲みました。
-清正と一緒のシーンが多いです。
それだけに、清正との差をどう出すかということはかなり考えました。清正はまず一度じっくりと考えるんですが、正則は一度考えを決めたら、真っすぐ進むという感じです。ですから、そんなに複雑な芝居はしないように心掛けました。
-正則は反三成派です。豊臣家を支えてきた者同士の対立についてどう思いますか。
今回の「真田丸」では寧さまに言われた言葉が大きかったと思います。一番は豊臣家を守るということ。三成とは昔からの知り合いですが、ウマが合わなかったんだと思います。
-甲冑(かっちゅう)を着てみていかがでしたか。
とても重くて、暑くて、動きづらくて、これで本当に戦ができたんだろうかと思いました。でも本当に強くなったような気がして、演技的にもすごく助けられました。
-戦国時代は身近になりましたか。
知れば知るほど面白くなって、いろんなことに興味を持ちました。関ヶ原にも行ったんですが、横4キロ、縦2キロの中で15万人が戦ったのかと感慨深かったです。ここで陣を張って指揮していた正則はやっぱりすごいと思いました。
-三谷幸喜さんならではの脚本だと思うところは?
情報がたくさんあるので、歴史を知らない人でも登場人物の一人一人の気持ちが分かります。それに笑いやシュールさもあるし、当て書きをされているのを撮影で見ていると、役者と三谷さんとの信頼関係がとてもいいなと感じました。
-小日向さんが演じる秀吉はいかがでしたか。
小日向さんは、本当にこんな人なんじゃないかと思ったぐらい怖かったです。撮影の時以外も怖くなってしまったぐらいです。でも普段は優しい方で、フランクで、最初に出てきたようなおちゃめな秀吉のような感じです(笑)。
-堺雅人さんはいかがでしたか。
大坂篇の撮影が始まったころ「“福島さん”は、もう少しこうしたら豪快に見えるんじゃないですか」ってアドバイスを頂きました。自分以外のキャラクターまで理解されているので、助けられました。
-演技面だけではなく、豪快に見えるために体は鍛えましたか。
少し体を大きくしました。肌も少し日焼けさせました。ひげやもみあげもなるべく自前のものでできるように伸ばしていました。撮影に入る3カ月ぐらい前から準備しました。
-今回の演技で今後変化が訪れそうな予感は?
今回、先輩の本番での演技や、リハーサルでのやり取りを見て、いろんなことを勉強させてもらいました。そこで得たものを次回以降に生かせたらなと思っています。