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NHKの大河ドラマ「真田丸」で、豊臣秀吉(小日向文世)の正室、寧を演じている鈴木京香。誰よりも秀吉の冷徹な一面を知りながら、深い愛情を注ぎ続ける寧の思いを語る。
北政所役と聞いて、とうとう私もそんなすてきな女性がやれるようになったのかと思って軽く興奮しました。賢女、そして心の優しい女性という感じ。「ベスト・オブ・歴史上の女性」です。
「(イメージは)肝っ玉母さんだ」と言われました。「体重を10キロ増やしてほしい」とおっしゃるので、「うち掛けを着ていると分からないのでは」と言ったら、三谷さんは「顔だけ10キロ太ったようにしてくれればいいです」って(笑)。互いにふざけながら、そんなやり取りをしました。
政治的なことで意見は言わず、家の中のことは采配を振るった女性。それに長年ずっと一緒にいたら、男女の嫉妬心よりも情の部分が強くなるでしょうから、側室とも女性同士の対立のようにはしたくないと思っていました。三谷さんの脚本でもそうなっていました。
あのシーンには、寧がまだ大人になり切れていない茶々を見た時に、いたわりの気持ちから思わず抱きしめるという自然な流れが描かれていて、自分でも大好きなシーンになりました。
頭脳明晰(めいせき)で、人の懐にすっと入っていく、そして明るい。そんな秀吉の個性が薄れていくのを見るのは悲しかったと思います。でも看病のためとはいえ、一緒に長くいられてうれしさもあったでしょうね。
一番幸せだったのは、大坂城の中庭で、家族みんなでサトイモを「熱い熱い」って言いながら食べているシーン。秀吉のかわいらしさに、思わず「皮むいて食べてちょー」っていうアドリブが飛び出したぐらいです。
自分が手塩にかけて育て上げた子どもたちのことが気になっていたと思うので、遠くからただ祈り続けていたのではと考えています。ただかつての家臣たちの争いに関しては、平和な世の中を作って維持してくれる人が勝つだろうと思っていたはず。寧にとってはそれが家康殿(内野聖陽)だったのでしょうね。
何度も夫婦役をしたこともありますし、恋人役もあります。小日向さんの秀吉を支える妻というのはすんなりと入ってきました。何の苦労もなく、とにかく楽しかったです。だから今、秀吉ロスで(笑)。現場でも少し寂しいですね。
そうですね。でも、小日向さんとは過去の積み重ねがあるので、これまでのいろいろな作品や歴史の本を通して知っている寧と秀吉の関係性を、まるで私たちで演じる寧と秀吉の間に起きた出来事のように置き換えることができました。二人の間にどんな歴史があったのかということが、全く苦労せずに心の中で描けたと思います。秀吉の死をみとる時に、二人の思い出として、ありありとよみがえってきて、死の間際なのに、無意識にほほ笑んでいる時もありました。「あんなこともこんなこともあったわね」と思いながら小日向さんの顔を見ていたら自然とそんな表情になっていました。
方言をしゃべる役はとても好きですし、実は寧を演じる際は尾張弁に随分助けられています。優しさや気取りのなさが表現しやすいからです。かわいい方言で大好きです。
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