「それぞれの役に見せ場があるのが醍醐味です」 寺島進(出浦昌相)【真田丸 インタビュー】

2016年7月9日 / 08:00

 NHKの大河ドラマ「真田丸」で、主人公真田信繁(堺雅人)の父昌幸(草刈正雄)の武将としての器量の大きさにほれ込み家臣となった出浦昌相を演じている寺島進。隠密集団の総帥としての気概と出浦の野望を語る。

 

出浦昌相役の寺島進

出浦昌相役の寺島進

-出浦の魅力はどこにあると思いますか。

 まずは、「真田丸」の登場人物の中で一番、戦(いくさ)で人を殺しているところ。(脚本の)三谷幸喜さんいわく「沈黙の中にみなぎる殺気があり、色気もあり、男の孤独感も兼ね備えている」という人間です。筋道が通っていて、時折、粋なせりふを吐くんです。

-役作りで意識したことや大切にしたことは?

 能でしょうか。能面は感情が読み取れませんが、見ている人はシチュエーションによって泣いているのか怒っているのかを客観視することができる。出浦を演じる上でも、なるべく表情を崩さないようには心掛けています。

-出浦には戦国時代はどのように見えていたと思いますか。

 出浦のせりふにもあるように「戦では死なない。素っ破(すっぱ=忍者)が死ぬ時は、信用を失った時」という強い気持ちで見ていたのではないでしょうか。失うものはないから、突き進めるだけ突き進もうというような野望はあったと思います。剣友会で斬られ役をやりながら、大部屋をやって、ちっちゃい役からだんだんと大きな役を頂いて、やっと名前と顔が一致するようになってきつつある、発展途上の自分の役者人生に重なる部分があるんです。(出浦の弟子である)佐助(藤井隆)は昔から全国区ですけど、出浦は知られていないので、寺島進と出浦で一緒に知名度を上げていこうという一心でやっています。

-衣装の感想は?

 着物を着た後にあの羽織を締めると、出浦になったぞという気持ちにさせてくれる。赤って燃えるんです。

-周囲の反響は?

 日曜日の午後8時、家族で見るんですけど、かみさんと娘が「出浦はかっこいい」と言ってくれるのが自信になります。子どもは正直なので、情けないコスチュームを着た時などは「げー、何やってんのお父さん」って言われますから(笑)。いい役を頂いて、本当にこれからが役者人生の後半戦のスタートだと思っています。

-草刈さんと出掛けた沼田市でのイベントはいかがでしたか。

 盛り上がりがすご過ぎて。沼田での宴会は披露宴でビールを持っている人で列ができる、そういう状態でした。もうお酒のわんこそば状態で(笑)。でも、おかげさまで草刈さんとはまた固い絆ができました。

-もちろん殺陣はお得意だと思いますが、いかがでしたか。

 百戦錬磨なので、殺陣があるシーンは初心に返って浮き浮きドキドキします。

-忍びの者としての研究、準備などは何かしましたか。

 いえ何も。木刀を買っただけです。それで素振りをしてイメージトレーニングをして、朝散歩をすれば十分です。なるべく資料で頭が固くならないようにしているんです。頭をクリアにした状態でいつも現場に臨んでいます。現場では癖のある空気を発する人もいるし、エネルギッシュな人もいる。それを全部吸収するには自分がクリアじゃないとできませんから。

-「真田丸」は視聴率も良く、みんなに愛されていますね。

 本当はみんな時代劇が好きなんじゃないかな。面白いものを作ればみんな時代劇を見るのでは。三谷さんの脚本の下にみんなが結集して、主役が何人もいる感じがするドラマです。信繁が主役ですが、昌幸や他の武将が主役でもあるし、(豊臣秀吉役の)小日向(文世)さんがずるい芝居をする(笑)。それぞれの役に見せ場があるというのが醍醐味(だいごみ)です。三谷さんは時代劇を現代劇に置き換えて、どこかで向田邦子のような世界があったり、どこかで久世光彦的なホームドラマの家族愛の世界があったり、いろんなものがミックスされています。

-三谷さんにお願いしたいことは?

 出浦は寡黙でいたいので、長ぜりふはやめてほしいですね(笑)。


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