エンターテインメント・ウェブマガジン
NHKの大河ドラマ「真田丸」で、北条氏直を演じている細田善彦。名門北条家の5代目当主となったが、隠居した父、氏政(高嶋政伸)が実権を握り無力感にさいなまれる。父との確執や主人公、真田信繁(堺雅人)らとの激しい戦いを語る。
育ちがいい。世間知らずで苦労知らず。それが映像に映ればいいなと思いました。
怒ってばっかりだなって(笑)。だからその怒り方は、父上の色を残しつつ、その都度、どういう感情を乗せるかを考えました。例えば真田昌幸(草刈正雄)らと対峙(たいじ)する時は、彼らを虫けらのように見ようと思ってやりました。
エリート教育をされてきた氏直は情報が北条家の中からしか得られないし、父の戦法や怒り方しか見ていないから、最初のころは氏直の怒り方の中に父の影が出ればいいと思って演じていました。ただ、小田原城が攻められるあたりでは、氏直もさすがに父のしていることを正しくないと思っているけれど、それをどう言っていいのか分からない。だから、「何か違う」という表情が出せればいいなと思います。氏直は今後、トップである父の頑固さと下からの突き上げで、現代で言えば中間管理職的な立場になって、追い込まれていきます。そこを楽しんでいただけたらと思います。
2人はパパとママみたいな関係でしたね(笑)。江雪斎は父に対している氏直をずっと見守ってくれているお母さん。だからちょっとした本音も言えるんだと思います。
長い作品ですし、みんなが結末を知っている歴史の物語の中でいかにその人物を成長させていくかということを初めて経験しました。現代劇と違って、時代劇、特に人の上に立つ人物を演じるような時は、姿勢やおじぎなどアクション一つ一つが大きな意味を持ってくるということを痛感しました。
非常に寂しいという気持ちが一番大きいです。本当に泣きそうになりました。それに高嶋さんには本当に仲良くしていただきました。最初のリハーサルの時は「恐ろしい父親だなあ」と思っていましたが、高嶋さんは本番直前までずっとせりふを練習されていて、撮影本番が終わってもずっと何かご自分の演技についておっしゃっている。半年間ずっと北条の形を模索されていました。汁かけ飯にしてもリハーサルをとても入念にやられる方なので、僕も背筋が伸びて、しっかりやらなきゃという気になりました。
氏直が信繁にすがりつくシーンで、頭は下げたいと思っていたんですけど、堺さんは「氏直が頭を下げた瞬間に、信繁の方から近寄る」という動きを提案して、ただ座って対峙していたのを、動きのあるシーンに変えてくださいました。助けていただきました。
出演されている方一人一人に思い出がありますし、こんな中に参加させてもらえているのはうれしかったです。それと先月、別の作品で埼玉でロケをしていた時に、年配の方に「氏直、氏直」って声を掛けていただきました。連続テレビ小説か大河ドラマに出ない限りはそんなことないですからね。氏直のイメージがあるのか、「そんなにかっかしないの」って言われて笑ったら、「あんた笑顔の方がいいわよ」って(笑)。それだけのめり込んで見てくださっているんだと思って、うれしかったです。
映画2025年12月5日
戦争がもたらす狂気を圧倒的なリアリティーで描き、第46回日本漫画家協会優秀賞を受賞した武田一義の戦争漫画をアニメーション映画化した『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』が12月5日から全国公開された。太平洋戦争末期、激戦が繰り広げられたペリリ … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年12月4日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む
ドラマ2025年12月1日
WOWOWで毎週(日)午後10時より放送・配信中の「連続ドラマW シャドウワーク」は、佐野広実の同名小説を原作にしたヒューマンミステリー。 主婦の紀子は、長年にわたる夫の暴力によって自己喪失し、すべて自分が悪いと考えるようになっていた。 … 続きを読む
ドラマ2025年12月1日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。これまで、いくどとなく視聴者を驚かせてきたが、第4 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年11月30日
今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む