「充希ちゃんに『本当に分かりやすい顔のパーツだね』って声を掛けています」 及川光博(五反田一郎)【とと姉ちゃん インタビュー】

2016年7月8日 / 17:00

 二人の妹と母を守って奮闘する小橋常子(高畑充希)を描く連続テレビ小説「とと姉ちゃん」。長く苦しかった戦争も終わり、常子はついに念願の雑誌を作るべく新たな一歩を歩み始める。そんな常子の戦後の運命を大きく変えるきっかけともなるのが、及川光博演じる五反田一郎。常子が勤める甲東出版のメーン編集者で、いい女と見れば手当たり次第に口説き始める一風変わった人物だ。初の朝ドラ出演となった及川が、撮影現場でのエピソードを交えて役へのアプローチ方法を語った。

 

五反田一郎役の及川光博

五反田一郎役の及川光博

-五反田を演じてみた感想はいかがですか。

 軽薄なだけでなくやるときはやるという、さじ加減が難しい役どころです。また戦中の、男尊女卑の時代には珍しいフェミニストで、女性に優しいキャラクターです。とは言え、一言で言うと女好き。全く僕の引き出しにはないキャラクターなんですけど(笑)。五反田くんがペラペラしゃべる男なので、長いせりふを覚えるのには多少苦労はしますが、撮影が深夜に及ぶ時も甲東出版の皆さんとわいわい楽しくやっています。

-女好きという設定ですが、演じる上でのポイントはありますか。

 監督の指示でもあるのですが、五反田は女性に対して物理的に距離が近い男なんです。耳元でささやいたり、常子ちゃんが「近い」「近い!」とのけぞるぐらい距離を縮めていく。「朝ドラではこれってどうなのかな?」とも思ったりもしますが、そこはかとなく“夜の匂い”を漂わせながら演じています(笑)。

-五反田さんは面白い方ですね。

 とは言っても、五反田くんは小説をしたためているようなタイプでございまして、戦後は自ら小説家として連載を始めるという変化もございます。特に、徴兵されて出征していく時の心模様…、常子との別れのシーンは、実際に演じてみて胸にこみ上げる何かがありました。

-今回の役は及川さんにぴったりの役という印象を受けます。

 そうかな。実際の僕は女性に対してそこまで距離を縮めたりはできません。もうドキドキしちゃって…。実際の僕とかけ離れているキャラ? そうですね…。「及川光博」とは違いますけれど、「ミッチー」とは似ているところがあると思います。何だそれ…(笑)。

-五反田は、常子に「あなたの暮し」の編集長となる花山伊佐次(唐沢寿明)を紹介する重要な役どころでもありますね。

 はい。そういった意味では、物語のキーパーソンです。もちろん全部後からやって来る花山伊佐次に持っていかれるんですけど(笑)。要は、中継ぎです。五反田の立ち位置ですか? そうですね、常子くんのファンクラブ代表といった感じですかね。

-花山役の唐沢寿明さんとの共演はいかがですか。

 出会って15年近くになりますけど、共演もなぜだか多くすごく縁のある方です。簡単に言うと兄貴分ですね。プライベートでも仲がいいということもあって、テスト中も本番中も、ああだこうだ、とからかわれたり、駄目出しされることもあります。収録後はよく飲みに行きます。

-唐沢さんが演じる花山はどうですか。

 気迫十分ですよ。彼はもともとストイックですし、全く現場に台本を持ち込まない。要は準備万端で挑む方で、その仕事っぷりは出会った時から変わらない。学ぶところが多いです。今回の花山のような強烈なキャラクターを演じることに対してワクワクしているのが伝わってきます。

-主演の高畑さんの印象はいかがですか。

 愛らしいですね。充希ちゃんには、いつも会うたびに「本当に分かりやすい顔のパーツだね」って声を掛けています。褒め言葉ですよ? 僕と違って目がクリっとしていて、心の動揺が目の表情で見て取れる。これは演技者としてとても恵まれた才能だと思います。そしてとても賢い子です。

-朝ドラ初出演に関しての感想はいかがですか。

 僕はついこの間、デビュー20周年を迎えたのですが、当然、駆け出しのころは朝ドラに出るなんて想像もしていなかったんです。欲張って「もしかして朝ドラに出られるんじゃないか?」って虎視眈々(たんたん)と狙っていると、出られなかった時にすごく悔しいじゃないですか。だから、想像もしていなかったこの現実を非常にうれしく思っています。

-今後の見どころを教えてください。

 常子がいよいよ、自分で会社を立ち上げますが、その奮起に至るまでのエピソード、そこからの冒険ですね。それがこの「とと姉ちゃん」という作品のメーンですから。女性が戦後に会社を立ち上げて雑誌を作る。多くの人との関わりの中で常子が目覚めていく。まあ、例えて言うならば『ガンダム』におけるアムロ・レイなわけです。激動の時代の中で目覚めていく才能…。ニュータイプ。分かりますか? そういった複合的に楽しめる「とと姉ちゃん」、「後半戦、行ってみよう!」という感じですね(笑)。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「光る君へ」第二十三回「雪の舞うころ」藤原為時や藤原道長ら、真面目な人々が紡ぐ物語の心地よさ【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年6月15日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。6月9日に放送された第二十三回「雪の舞うころ」では、前回波乱を巻き起こした殺人事件の顛末(てんまつ)が明らかになると共に、主人公まひろ(吉高由里子)と宋の見習い医師・周明(松下洸平)の交流などが … 続きを読む

「アンチヒーロー」最終話を前にプロデューサーが語る 「伏線はほぼ回収できたと思っています」

ドラマ2024年6月15日

 TBS系の日曜劇場で放送中のドラマ「アンチヒーロー」の最終話試写会が11日に行われ、16日の放送を前に飯田和孝プロデューサーが記者の質問に答えた。  まず、登場人物の名字に色が入っている点については、「明墨(長谷川博己)という主人公の名前 … 続きを読む

三山凌輝「直明の熱量の高さや素直さは、僕自身に近い」朝ドラ初出演でヒロイン、寅子の弟を好演 連続テレビ小説「虎に翼」【インタビュー】

テレビ2024年6月14日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「虎に翼」。戦後の昭和の時代を迎えた物語は、主人公の佐田寅子(伊藤沙莉)が裁判官を目指す「裁判官編」に突入した。その中で、戦争孤児たちの世話をするボランティア活動などに尽力する寅子の弟・猪爪直明を好演して … 続きを読む

【映画コラム】大泉洋が適役の『ディア・ファミリー』/伝統的なアメリカンファンタジー『ブルー きみは大丈夫』

映画2024年6月14日

『ディア・ファミリー』(6月14日公開)  1970年代。小さな町工場を経営する坪井宣政(大泉洋)と妻・陽子(菅野美穂)の三女の佳美(福本莉子)は生まれつき心臓疾患を抱え、余命10年を宣告される。  どこの医療機関でも治すことができないとい … 続きを読む

「この映画を作りながら、プリンスが僕の人生を変えてくれたと言っても過言ではありません」『プリンス ビューティフル・ストレンジ』ダニエル・ドール監督【インタビュー】

映画2024年6月14日

 1958年に米ミネソタ州ミネアポリスで生まれ、住民のほとんどが白人という環境下で多感な青春時代を過ごしたプリンス(本名:プリンス・ロジャーズ・ネルソン)。自伝的映画『パープル・レイン』(84)とそのサントラのメガヒットで世界的スターとなっ … 続きを読む

Willfriends

page top