「ちゃんと“顔面”が映るようにカメラの前で頑張りました」浜野謙太(長谷川哲典) 【とと姉ちゃん インタビュー】

2016年6月10日 / 16:42

 連続テレビ小説「とと姉ちゃん」で、ヒロインの常子(高畑充希)らが暮らす弁当の仕出し屋「森田屋」の板前の長谷川哲典を演じる浜野謙太はミュージシャンとしても活動している。長谷川は性格が軽いため常にいじられる愛すべき存在。朝ドラ初出演となる浜野が今回の役に懸ける思いと現場の様子を語った。

 

長谷川哲典役の浜野謙太

長谷川哲典役の浜野謙太

-朝ドラに出演してみて印象はいかがですか。

 共演者の皆さん、すごくできる方ばかりなので、「リハーサルなんか面倒くさいよ!」みたいなことを言っているのですが、僕はリハーサルにかなり助けられています(笑)。

-共演しているピエール瀧さんや秋野暢子さんとのエピソードを。

 ピエール瀧さんと秋野さんが組むとパーティー族になるといいますか、撮影後に「飲もうぜ!」「食おうぜ!」みたいなパワフルな感じで(笑)。森田屋のみんなで何度か焼き肉を食べに行ったりして、すごく楽しかったです。

-ピエールさんも浜野さんも、ミュージシャンとしての本業がありつつ、俳優もされていますが、現場ではそうした話題も出ますか。

 現場のスタッフさんとかは、多分僕がミュージシャンだというのはあまり知らないと思います(笑)。「音楽もやっているんだよね?」ぐらい。一方で、瀧さんは演技もバラエティーもやっている有名なミュージシャン。現場で瀧さんは僕の“直属の先輩”になるので、「かないません」といった感じです。また、瀧さんのおかげでみんなが、僕を知名度抜きに「ハマケン!」って呼んでくれるようになって。まさに大将の、虎の威を借るキツネですね(笑)。

-役作りで特に意識していたことはありますか。

 長谷川という男は、常に大将にへつらっていて、空気が読めなくて、そして女好き。そういう意味では、全部、僕そのままなので役作りは大丈夫でした(笑)。ただ、その上で、板前で料理ができるという要素があったので、家ではめちゃくちゃ料理を作っていました。

-料理はお得意なのですか。

 もともと、僕は2児の父なので朝ご飯を作ったりはしています。でも、「森田屋」は昔の「銅板の卵焼き器」で玉子焼きを作るという設定だったので、実際に僕もそれを買って、毎朝卵を7、8個使って練習しました。子どもたちは「おいしい」って言ってバクバク食べてくれました。ただ実際は1回も卵を焼くシーンがなくて…。全部瀧さんがやってしまいました(笑)。

-他に、料理に関して印象深かったシーンはありますか。

 魚をさばくシーンがあったのですが、直前まで聞いていなかったので、もっと早くから練習したかったな、というのはありました。魚をさばくとなると、腕前が結構バレちゃうじゃないですか。その時は結局、休みの日に、料理指導の先生のお店まで行って教えてもらいました。店に行ったら本当にアジが10匹ぐらい用意されていて、ひたすらさばきましたね。

-練習のかいはありましたか。

 そのシーンはやったのですが、明らかにカメラが(手元を)撮っていなかったですね(笑)。そういうのが多い。朝ドラは凝縮されているので、本当にカットされまくっているんですよ。皆さん「長谷川は良いキャラ」とか言ってくれますが、本当の長谷川はもっとすごいんですよ!

-そういう面では悔しい思いもされているのですね。

 まあ、朝ドラはヒロインの物語ですから。ただ、現場の時から思っていたのですが、カメラさんが「俺の顔を撮ってくれてないな」と(笑)。顔の寄りがね。この顔は、朝にはキツイのかなと思います(笑)。

-そんな浜野さんですが、今後、長谷川の大きな見どころも用意されているそうですね。

 はい。これまでの長谷川は軽かったり、雰囲気をぶち壊したりするキャラもあって、言っちゃえば「嫌なやつになってやる」ぐらいの気持ちで演じていましたが、終盤のその場面では「みんなに応援してもらえる長谷川になれたらな」という思いでやりました。

-長谷川の真面目な一面が見られるということですね。

 僕も大好きなシーンです。いつも気が小さいというか、人の背中の後ろに隠れてしまうような長谷川ですが、その弱さを押しのけて「物申す」みたいな場面が何カ所かあります。そこはどうしても決めたいなと思いました(笑)。そこではちゃんと“顔面”が映るようにカメラの前で頑張りました。

-クランクアップを迎えて、改めて撮影を振り返って思うことはありますか。

 思う存分、調子に乗らせてもらいました。「森田屋」がドラマ内で唯一のコントの部分でもあるので、ひたすら楽しくやりました。現場全体が最初から家族のような感じで温かったです。また、とにかく明るい長谷川ですが、戦争に突入する時に、覚悟みたいなことを語る場面があります。明るい人たちが戦争に入っていって苦しい思いをするからこそ、何か皆さんに伝わるものがあるのかなと思います。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【週末映画コラム】異色ホラーを2本 デミ・ムーアがそこまでやるか…『サブスタンス』/現代性を持った古典の映画化『ノスフェラトゥ』

映画2025年5月16日

『サブスタンス』(5月16日公開)  50歳の誕生日を迎えた元人気女優のエリザベス・スパークル(デミ・ムーア)は、容姿の衰えによってレギュラー番組を降ろされたことから、若さと美しさと完璧な自分が得られるという、禁断の再生医療「サブスタンス= … 続きを読む

新原泰佑、世界初ミュージカル化「梨泰院クラス」に挑む「これは1つの総合芸術」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年5月16日

 世界中で大ヒットを記録した「梨泰院クラス」が、初めてミュージカル化される。主人公のパク・セロイを演じるのは小瀧望。日本・韓国・アメリカのクリエーターが集結し、さまざまな人種が混じり合う自由な街・梨泰院で権力格差や理不尽な出来事に立ち向かう … 続きを読む

グレッグ・ターザン・デイビス「とにかく、ただ純粋に面白い映画を撮ることだけが、自分たちに与えられたミッションでした」『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』【インタビュー】

映画2025年5月15日

 トム・クルーズ主演の大ヒットスパイアクション「ミッション:インポッシブル」シリーズの第8作『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』が、5月23日の公開に先駆けて17日から先行上映される。前作『ミッション:インポッシブル/デッ … 続きを読む

研ナオコ、認知症のおばあちゃん役で9年ぶりの映画主演「主演女優賞を狙ってます(笑)」岡﨑育之介監督「研さんの人生の奥行きがにじみ出た」『うぉっしゅ』【インタビュー】

映画2025年5月12日

 人生に迷いながらソープ嬢として働く若い女性・加那と、彼女に介護されることになった認知症の祖母・紀江の交流を明るくポップなタッチで描いたユニークな映画『うぉっしゅ』が絶賛公開中だ。  本作で、加那を演じる若手注目株の中尾有伽と共に、紀江役で … 続きを読む

【週末映画コラム】パディントンの愛らしさが全てを救う『パディントン 消えた黄金郷の秘密』/負け犬ヒーローたちの敗者復活戦『サンダーボルツ*』

映画2025年5月9日

『パディントン 消えた黄金郷の秘密』(5月9日公開)  ロンドンに住むくまのパディントンは、「老グマホーム」で暮らすルーシーおばさんに会いに、ブラウン一家と共に故郷のペルーへとやって来た。しかしルーシーおばさんは、眼鏡と腕輪を残して行方不明 … 続きを読む

Willfriends

page top