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NHKの大河ドラマ「真田丸」の主人公、真田信繁(堺雅人)の叔父で、知略に長けた兄昌幸(草刈正雄)の命を受けて、北条家、上杉家との間でさまざまな策略に暗躍する信尹(のぶただ)を演じる栗原英雄。信繁にも大きな影響を与える信尹の覚悟を語る。
熱い戦国武将の中にあって信尹はクール。これまでさまざまな役をやってきましたし、ちょうど三谷(幸喜)さんが見てくださった舞台で演じていたのが、ちょっとさめた目でクールに世の中を見ている役柄だったので、信尹役に合っていると思っていただいたようです。
相手役と話す時に自分の本質を出さないような芝居はしています。でも見透かされないような芝居をし過ぎてもうそになるので、普通にやりながら、ほんのちょっとのスパイスを加えます。智将ぶりを出すために視線や目の置きどころ、筋肉の動きなども考えています。
ずっと演劇だけをやってきて、ソフトボイスでも2千人の観客の最後尾まで聞こえるような発声の訓練はしてきました。テレビの撮影では目の前の相手役と話して、それを音声さんが拾うという違いがありますが、例えば小さな声でも舞台での「芯のある声を出す」という発声は役に立っています。映像の演技は瞬発力が必要ですね。その瞬発力を発揮できる感性やキャッチする能力が大切だと思います。テレビでも舞台でも演技は「ツー・マッチ(やり過ぎ)にならないこと」を心掛けています。台本が面白いと役者はいろいろやろうとしてしまいがちですから。そこをいかにそぎ落とすか。水が流れるように芝居ができたらいいですね。
感覚的で何か飛び出すか分からない、びっくり箱みたいなところがいいですよね。兄との演技で意識しているのは、一歩先を読む気遣いです。せりふの言葉尻に反応するのではなく、兄が発する言葉や目の奥に何があるのか。そういう微妙な要素を拾った方が自分の役が生きると思うんです。相手役の演技をちゃんとキャッチできればできるほど、自分の演技も花開きます。それは徳川家康(内野聖陽)に対しても、上杉景勝(遠藤憲一)や北条氏政(高嶋政伸)に対してもそうです。そこから生まれる演技にこそ一番リアリティーがあると思います。
内野さんは妥協を許さない方ですね。遠藤さんは目の奥にさまざまな感情が流れていて、それが素直にうそがない言葉として出てくる方。上杉の苦悩をすごく理解して体現されている。高嶋さんは氏政の横柄な感じを出すためにダイナミックなお芝居をしていますが、こっちはそれにこびない信伊を作っています。
信尹公のお墓に参ってきました。お寺の方のお話では、龍岸寺を開基されたのは栗原という方で、その後、中興開基されたのが信尹公だそうです。栗原姓の私が信尹役を演じる深いご縁を感じます。暖かくなったら、また墓前にごあいさつに伺いたいと思っています。
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