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NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」の主人公、美和を演じている井上真央。約1年2カ月に及んだ撮影は10月14日にクランクアップとなった。井上が、撮影を終えた現在の心境と、群馬を舞台にした美和と楫取(かとり)素彦(大沢たかお)との新たな挑戦の物語や二人の関係の変化について語る。
まずは無事にゴールできたので、応援してくださった方々にありがとうございますという気持ちです。「この一言のせりふをどうするのか」など悩みつつ、最後までみんなで高め合いながら一緒にゴールできたので“悔いなくやり切ったな”という感じがしていて…燃え尽きております(笑)。
今はクランクアップ直後なので、まだ実感がありません。ただ、撮影中は毎日会社員のように朝早く起きて、NHKに行って…という生活だったので、それが無くなると、今後寂しくなるかもしれませんね。けど、ゴールしたとはいえ、まだ放送は続いていますし、いよいよ明治篇に入って「テンポが良くなった」という声も聞くので、ドラマとしてもう一盛り上がりできたらと思っています。
まさに、この作品のテーマである「受け継いでいく」「つないでいく」という部分ですね。かつての兄(吉田松陰)がそうであったように、美和自身も人を育てることを志にしています。自身は歴史に残るような大きなことはしていないけれど、歴史に残るような人たちに影響を与えた人物…。そういう意味で、私はこれまで「美和はヒーローではない」と言ってきましたが、実は立派なヒーローなんじゃないかと思っています(笑)。
3人の関係については、正直ものすごく悩んだし、とっても難しかったです。美和と楫取の関係を、愛や恋といったものだけではなく、本当に自然な流れでそうなっていった…とするためにはどうしたらいいのか、すごく考えました。それこそ、このせりふ一つで「愛だの恋だのになってしまうのではないか」「とても幼く映ってしまうのでないか」と悩んだりしました。
あの場面はすごく難しかったです。二人のやり取りが女同士のバチバチッとしたものにはしたくなかったので、私と優香さんもすごく慎重になりました。台本を読み過ぎてせりふが夢に出てくるぐらい(笑)。撮影を終えた今、これで良かったのかなという思いは残っていますが、姉妹としてお互いがお互いを思いやる気持ちを、うやむやにせず、きちんと描けたと思っています。とは言え、皆さんの反応を見るのはドキドキします。
最初はすごく抵抗がありました。そこで二人が抱き合わなくてもいいように「先に馬車の中で一人で泣いてしまうのはどうですか」と監督に提案したり(笑)。ギリギリまで、楫取さんの前で泣くというのは、涙、つまり女の武器を使った感じになるような気がしていて…。でも、杉家最大の不幸でどん底に落ち込んで帰ってきた美和が、やはり「この人の前では素直になれる」というのを表せる場面でもありました。これまで幾多の悲しみを共有しているからこそ分かり合える、そういう感情が伝わればと思います。
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