【花燃ゆインタビュー】井上真央「3人の関係にはすごく悩みました」 楫取と迎える“幸せのクライマックス”に葛藤も

2015年11月10日 / 14:58

 NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」の主人公、美和を演じている井上真央。約1年2カ月に及んだ撮影は10月14日にクランクアップとなった。井上が、撮影を終えた現在の心境と、群馬を舞台にした美和と楫取(かとり)素彦(大沢たかお)との新たな挑戦の物語や二人の関係の変化について語る。

 

 

「花燃ゆ」の主人公、美和を演じた井上真央

「花燃ゆ」の主人公、美和を演じた井上真央

 

―撮影を終えた現在の心境を教えてください。

  まずは無事にゴールできたので、応援してくださった方々にありがとうございますという気持ちです。「この一言のせりふをどうするのか」など悩みつつ、最後までみんなで高め合いながら一緒にゴールできたので“悔いなくやり切ったな”という感じがしていて…燃え尽きております(笑)。

―寂しい気持ちはありますか。

  今はクランクアップ直後なので、まだ実感がありません。ただ、撮影中は毎日会社員のように朝早く起きて、NHKに行って…という生活だったので、それが無くなると、今後寂しくなるかもしれませんね。けど、ゴールしたとはいえ、まだ放送は続いていますし、いよいよ明治篇に入って「テンポが良くなった」という声も聞くので、ドラマとしてもう一盛り上がりできたらと思っています。

―群馬にやって来た美和は、製糸工場や養蚕農家の女性たちに、学びの世界を広げようと奮闘します。そうした美和を演じた感想は?

 まさに、この作品のテーマである「受け継いでいく」「つないでいく」という部分ですね。かつての兄(吉田松陰)がそうであったように、美和自身も人を育てることを志にしています。自身は歴史に残るような大きなことはしていないけれど、歴史に残るような人たちに影響を与えた人物…。そういう意味で、私はこれまで「美和はヒーローではない」と言ってきましたが、実は立派なヒーローなんじゃないかと思っています(笑)。

―夫の久坂玄瑞(東出昌大)を亡くすなどつらい思いをしてきた美和ですが、ようやく楫取との幸せな展開が訪れそうです。楫取の妻である姉の寿を演じた優香さん、楫取役の大沢たかおさんと何か話し合ったことはありますか。

  3人の関係については、正直ものすごく悩んだし、とっても難しかったです。美和と楫取の関係を、愛や恋といったものだけではなく、本当に自然な流れでそうなっていった…とするためにはどうしたらいいのか、すごく考えました。それこそ、このせりふ一つで「愛だの恋だのになってしまうのではないか」「とても幼く映ってしまうのでないか」と悩んだりしました。

―病床に伏す寿との会話のシーンが印象的ですね。

  あの場面はすごく難しかったです。二人のやり取りが女同士のバチバチッとしたものにはしたくなかったので、私と優香さんもすごく慎重になりました。台本を読み過ぎてせりふが夢に出てくるぐらい(笑)。撮影を終えた今、これで良かったのかなという思いは残っていますが、姉妹としてお互いがお互いを思いやる気持ちを、うやむやにせず、きちんと描けたと思っています。とは言え、皆さんの反応を見るのはドキドキします。

―萩の乱で身内を亡くした美和が、馬車で群馬に戻ったところで、楫取に悲しみをさらけ出すシーンがありました。あの場面はどうでしたか。

  最初はすごく抵抗がありました。そこで二人が抱き合わなくてもいいように「先に馬車の中で一人で泣いてしまうのはどうですか」と監督に提案したり(笑)。ギリギリまで、楫取さんの前で泣くというのは、涙、つまり女の武器を使った感じになるような気がしていて…。でも、杉家最大の不幸でどん底に落ち込んで帰ってきた美和が、やはり「この人の前では素直になれる」というのを表せる場面でもありました。これまで幾多の悲しみを共有しているからこそ分かり合える、そういう感情が伝わればと思います。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

北香那「ラーメンを7杯くらい食べたことも」天野はな「香那ちゃんのバレエシーンは見どころ」 「ラーメン」と「クラシック・バレエ」が題材のコメディーで共演 NHK夜ドラ「替え玉ブラヴォー!」完成会見

ドラマ2025年12月19日

 12月19日、東京都内のNHKで、1月5日からスタートする夜ドラ「替え玉ブラヴォー!」の完成会見が行われ、主人公・千本佳里奈(ちもと かりな) 役の北香那、佳里奈の親友・二木優美(ふたぎ ゆみ) 役の天野はながドラマの見どころを語ってくれ … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(9)浅間神社で語る「厄よけの桃」

舞台・ミュージカル2025年12月18日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。  前回は、玉田家再興にあたり「三つ … 続きを読む

石井杏奈「人肌恋しい冬の季節にすごく見たくなる映画になっています」『楓』【インタビュー】

映画2025年12月17日

 須永恵(福士蒼汰)と恋人の木下亜子(福原遥)は、共通の趣味である天文の本や望遠鏡に囲まれながら幸せな日々を送っていた。しかし実は本当の恵は1カ月前にニュージーランドで事故死しており、現在、亜子と一緒にいるのは、恵のふりをした双子の兄・涼だ … 続きを読む

染谷将太 天才絵師・歌麿役は「今までにない感情が湧きあがってきた」 1年間を振り返る【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月15日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語も、残すは12月14日放送の最終回「蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)」の … 続きを読む

「べらぼう」ついに完結! 蔦重、治済の最期はいかに生まれたか?「横浜流星さんは、肉体的にも作り込んで」演出家が明かす最終回の舞台裏【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月14日

 NHKの大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、12月14日放送の最終回「蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)」を持ってついに完結し … 続きを読む

Willfriends

page top