【軍師官兵衛インタビュー】塚本高史「岡田官兵衛は殿と呼んでしまうほどの威圧感があります」 黒田二十四騎・後藤又兵衛役

2014年9月18日 / 17:41

 NHKの大河ドラマ「軍師官兵衛」で、黒田家に仕え「黒田二十四騎」の一人に数えられる家臣、後藤又兵衛を演じている塚本高史。幼くして親を亡くし、官兵衛(岡田准一)に引き取られた後は、嫡男の長政(松坂桃李)と兄弟のように育てられた。官兵衛を実の父のように慕うものの、家臣として仕えた長政とは、主従関係だけでは説明できない複雑な関係性も見え隠れする。

 意欲的な作品が続く塚本が、長政との確執と岡田を中心とした現場の盛り上がりを語る。

後藤又兵衛役の塚本高史

 

-又兵衛役の話を受けて、いかがでしたか?

 誰?って感じで(笑)。でも僕が選ばれたのは、僕が演じる又兵衛に何か感じるものがあるからだと思いますから、台本の中の役を自分の中のインスピレーションでデフォルメして演じようと思っています。

-又兵衛をどんな人物だと捉えていますか?

 官兵衛を父同然に慕っている人物です。ドラマでは長政との確執というところに焦点が当たっていますけど、結局一番は官兵衛が好きだということに尽きるんじゃないでしょうか。その官兵衛から長政を頼むと言われたわけですから。豊前城井谷の宇都宮家との戦いでは、長政に「(敵陣に)行ってはいけない」と言いながら、それでも長政が行こうとすると同行する。そんなところが又兵衛らしい。ただ、(長政とはたもとを分かつ)大坂の陣に向けて、長政と戦えるような存在になっていたいですね。

-演じていて、又兵衛に共感するところはありますか?

 男らしくて、多くを語らずに言われたことに対して結果を出すところ。言葉ではなく行動で示すところが好きです。

-長政を演じている松坂さんはどうですか?

 素直な人ですね。勇ましく強いなあと感じるところもあります。

-岡田官兵衛は?

 実年齢は2歳しか違わないのですが、撮影の合間にも「殿」と呼んでしまうほどの威圧感があります。岡田さんの演じる官兵衛を、父のように見ているという感じでしょうか。

-又兵衛と長政との関係はとても複雑ですね。又兵衛が長政を叱責(しっせき)するシーンもあります。

 又兵衛の方にはそんなにライバル心はないと思いますけど、長政の方が嫉妬心が強くて、(対抗心に)気合が入っている感じですね。又兵衛は、長政に対してはお支えするという気持ちの方が強いと思います。(一緒に育てられた)お兄ちゃん的な存在として「頑張れよ」と言っている感じだと思うんです。でも戦場で、若い兵がたくさん死に、敵が多いというときにあえて敵に向かって行こうとする長政に「逃げることも(大将の)役目のひとつ。ここであなたが死ねば若い兵の死が無駄になる」と言うんです。ああいう叱責するようなシーンが盛り込まれていると、今後関ヶ原に向けての役作りに関していろいろ(工夫が)できるなと思います。

-今後、又兵衛をどんなふうに作り上げていくおつもりですか?

 大柄で背丈が180センチ以上あったとか、ひげもじゃだったとか、実際の又兵衛の像と自分は懸け離れているので、僕なりの又兵衛をやろうと思っています。外面よりも、むしろ又兵衛の内面を描いていければいいと思っています。戦(いくさ)を華々しく描くだけが大河ドラマではないと思います。

-現場の雰囲気は?

 とてもいいですよ。和気あいあいとしています。でも現場のそういう空気づくりを岡田さんたちがしてきたんだなと思いますね。

-もしあの時代に生きていたら、戦国武将にはなれそうだと思いますか?

 指図されるよりする方が好きなので、やってみたいですね。(少なくとも)村人では終わらなかったと思います(笑)。

 


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

稲垣吾郎「想像がつかないことだらけだった」ハリー・ポッターの次は大人気ない俳優役で傑作ラブコメディーに挑む【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年12月13日

 稲垣吾郎が、2026年2月7日から開幕するPARCO PRODUCE 2026「プレゼント・ラフター」で傑作ラブコメディーに挑む。本作は、劇作、俳優、作詞、作曲、映画監督と多彩な才能を発揮したマルチアーティスト、ノエル・カワードによるラブ … 続きを読む

DAIGO「クリスマス気分を盛り上げてくれる作品なので、『パーシーのクリスマス急行』にぜひ乗車してください」『映画 きかんしゃトーマス サンタをさがせ!パーシーのクリスマス急行』【インタビュー】

映画2025年12月12日

 イギリスで最初の原作絵本が誕生してから80周年を迎えた人気児童向けアニメ「きかんしゃトーマス」の劇場版『映画 きかんしゃトーマス サンタをさがせ!パーシーのクリスマス急行』が12月12日から全国公開された。シリーズ初のクリスマスムービーと … 続きを読む

高橋克典「これは吉良の物語でもあるのだと感じていただけるような芝居をしたい」 堤幸彦「『忠臣蔵』は、演劇的に言えば1丁目1番地的な作品」 舞台「忠臣蔵」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年12月10日

 元禄時代に実際に起こった仇(あだ)討ちを題材に歌舞伎などで取り上げられて以来、何度もドラマ化、映画化、舞台化されてきた屈指の名作「忠臣蔵」が、上川隆也主演、堤幸彦演出によって舞台化される。今回、吉良上野介を演じるのは、高橋克典。高橋はデビ … 続きを読む

生田斗真が驚きの一人二役!「最初から決まっていたわけではありません」制作統括・藤並英樹氏が明かす舞台裏【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月8日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。謎の絵師“写楽”が、蔦重の下で歌麿(染谷将太)ら当 … 続きを読む

板垣李光人「最初から、戦争を考えて見るのではなく、実際に見て感じたことを広めていっていただければ、それが一番うれしいです」『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』【インタビュー】

映画2025年12月5日

 戦争がもたらす狂気を圧倒的なリアリティーで描き、第46回日本漫画家協会優秀賞を受賞した武田一義の戦争漫画をアニメーション映画化した『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』が12月5日から全国公開された。太平洋戦争末期、激戦が繰り広げられたペリリ … 続きを読む

Willfriends

page top