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NHKで放送中の大河ドラマ「軍師官兵衛」で、毛利元就の三男、小早川隆景を演じている鶴見辰吾。隆景は羽柴秀吉(竹中直人)軍と激しく敵対するが、和睦の過程で黒田官兵衛(岡田准一)の実力と人間性に触れ、生涯にわたって互いを認め合う仲になる。戦国を見抜く隆景の確かな眼力と、官兵衛との熱い絆について鶴見が語った。
(趣味の)自転車のSNSで、いつもは普通に僕の名前を呼んでいる人が「小早川殿…」って書いてメッセージを書き込んでくれました(笑)。ちゃんと見ていてくれたんです。
思慮深い武将という印象でした。兄の吉川元春は猛将と言われる武闘派でしたが、隆景は思慮深く毛利を支えた。そのバランスの良さが毛利家を平和裏に発展させたんでしょう。彼は約束していたことを必ず守る人で、領地を治めるときも家臣たちとの約束を守った。だから報奨や禄を渡すときもかなり苦労したとか(笑)。そういう律義さが魅力的で、地味だが味わい深い人間だと思いました。
兄の元春(吉見一豊)との対比とか、おいの毛利輝元(三浦孝太)に対する態度や言葉などを意識しながら演じています。隆景は父である元就の言いつけをちゃんと守る人。以前、大河ドラマの「毛利元就」(97)で毛利家の家臣、桂元澄を演じたので、元就をすぐにイメージできて助かっています。
すごみを増してきて頼もしい。隆景は目と目を合わせたときに官兵衛の瞳の奥に何かを感じたんでしょう。「もっと官兵衛は悪人顔をしていると思っていたが、意外と優しい目をしている」という隆景のせりふがありますが、実はそこで官兵衛のことを認めたのでしょう。この男はこの時代を生き抜く鍵を持っているのではないかと思った。友人になる準備はできていたんじゃないかと思います。
していません。テニスの試合みたいなもので、役者としては、「こう来たな」とか「こう来るのか」みたいな受け止め方です。それを楽しんでいます。
心からちゃんと表現をしていること。それと彼の「いかに説得力を持って作品に臨むか」という姿勢が、家臣団の俳優たちにまとまる力を持たせています。彼は後ろ姿で引っ張っていく俳優ですね。
みんなが「大河ドラマの重々しいせりふをどういうふうに自分なりのものにして演じようか」と考えて、俳優としての技量を撮影現場に持ち寄る。それをみんなで見比べながら調和させていく、これが大河ドラマの醍醐味です。緊張感の中でいかにみんなの思いが最大限に反映されたシーンを作るか。スタッフも含めて一個の目標にみんなが向かっている。緊張と緩和の繰り返し、それが面白いところです。
大河では悲惨な死に方が多かったんですけど、初めて畳の上で死にます。盟友に見守られながら人生を全うする。それは真面目に生きてきた人間へのご褒美なのかなと思っています。
官兵衛はあちこち動き回って調略をしたり、主君のために飛び回っている。隆景はよほどのことがないかぎりは兵も動かさない。そんな二人があるときから運命を共にしたというのが歴史の面白いところ。私が演じた隆景とアグレッシブな岡田くんが演じた官兵衛、そのコントラストが視聴者の方に伝われば一番だと思います。岡田くんはマーシャルアーツのような格闘技、僕は自転車競技のようなじっくりとした耐久レースのようなものをやっている。そういう、選ぶスポーツの違いみたいなものも画面に出て来たら面白いですね。
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