高橋克典「これは吉良の物語でもあるのだと感じていただけるような芝居をしたい」 堤幸彦「『忠臣蔵』は、演劇的に言えば1丁目1番地的な作品」 舞台「忠臣蔵」【インタビュー】

2025年12月10日 / 08:00

 元禄時代に実際に起こった仇(あだ)討ちを題材に歌舞伎などで取り上げられて以来、何度もドラマ化、映画化、舞台化されてきた屈指の名作「忠臣蔵」が、上川隆也主演、堤幸彦演出によって舞台化される。今回、吉良上野介を演じるのは、高橋克典。高橋はデビュー作以来の堤とのタッグになる。高橋と堤に本作への思いを聞いた。

堤幸彦(左)と高橋克典 (C)エンタメOVO

-まずは本作への意気込みを教えてください。

 私ももう何十年もこうした仕事をしていますが、まさか「忠臣蔵」に携わることができるとは思ってもいませんでした。「忠臣蔵」は、演劇的に言えば1丁目1番地的な作品です。1番の基礎固めになるのか、あるいは新たな出発になるのかは分かりませんが、とにかく全身全霊をかけて、一語一語、大切に作っていきたいなと思っています。

-やはり「忠臣蔵」というのは特別な戯曲ですか。

 そうですね。歌舞伎においても新春特別公演と銘打って上演されるような作品ですから。日本の舞台表現の基本なのではないかと思います。

-高橋さんは吉良上野介役を演じます。ご出演が決まっていかがでしたか。

高橋 「忠臣蔵」と聞いて、てっきり大石内蔵助役だと思っていました(笑)。吉良上野介だというので「え?」って。

 あはは(笑)。本当は嫌なんですか?

高橋 本当は嫌です(笑)。だって、僕の人生で「忠臣蔵」をやるなら内蔵助だと思っていたんですから。かつて僕はある大物俳優さんの付き人をしていた時代があったんですよ。付き人は3日くらいでクビになったんですが、当時は「俺は付き人になる人間じゃない。付ける側の人間だ」と何の保証もないのに思っていたわけです。そして、それを目標にここまでやってきましたが、ここにきて、一番大きく裏切られたのがこの吉良上野介というキャスティングです。まさかの吉良だったんですよ。

 でも、殿様には間違いないですよ? ずっと殿様やりたいって言ってたじゃないですか。

高橋 言ってないですよ(笑)。

 僕には言ってましたよ。どの殿様かは知らないですが(笑)。

高橋 そんなこともあって、初めは僕も吉良に対しての知識があまりなかったんです。これまで何度も演じられてきた「忠臣蔵」ですが、表面から見ると吉良上野介は悪者で、最後は情けなく斬られるじいさんというイメージしかなかった。ですが、吉良のバックグラウンドなどを調べていったら、これが全然違うんです。

 何十年も本当に真面目に働いていらっしゃった人ですから。(本作の中で)一番、面白い役ですよね。

高橋 そうなんですよ。吉良側にも理由があるんです。それを面白おかしく作り上げてしまったというのも一つの文化であり、浄瑠璃や歌舞伎なんですよね。なので、そうした中に現代なりの解釈をどこかに盛り込めたらと思っています。それから、やっぱり堤さんが演出されるのでストレートにやるとおっしゃっていても、きっと何かやってしまうんではないかと。

 やらないです(笑)。想像通りだと思ってください。

-そうすると、高橋さんがこの作品に大石内蔵助役でなくても出演しようと思われたのは、吉良上野介にも背景があるというところに引かれたからなのでしょうか。

高橋 まずは「忠臣蔵」という作品に関わりたかったからです。それから、吉良という役は確かに一番面白い役なんじゃないかと思ったからでもあります。この作品はどうしても登場人物が多いし、エピソードも多いので、忙しい作品作りになるんですよ。その中でも吉良は面白い役になると思います。単に意地悪なじいさんではなく、きちんと事件の背景があるというのを示したいです。実は先日、愛知県にある吉良町という場所に行ってきたのですが、そうした彼の背景を調べてきちんと入れ込みながら、「これは吉良の物語でもあるのだ」と感じていただけるような芝居をしたいです。

舞台「忠臣蔵」

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「リブート」「鈴木亮平の後ろに松山ケンイチが見える」「日曜劇場定番の情報量と謎の多さでいろいろと考察ができて楽しい」

ドラマ2026年1月26日

 日曜劇場「リブート」(TBS系)の第2話が、25日に放送された。  本作は、最愛の妻の死をめぐってうそと真実が入り乱れ、日曜劇場史上類を見ない怒濤のスピードで展開していく“エクストリームファミリーサスペンス”。鈴木亮平が善良なパティシエと … 続きを読む

「パンダより恋が苦手な私たち」「恋も人生も、年齢だけじゃないって、見終わって心が軽くなった」「動物の求愛行動を通して生きることの“資源”を考えさせる回だった」

ドラマ2026年1月25日

 「パンダより恋が苦手な私たち」(日テレ系)の第3話が、24日に放送された。  本作は、仕事に恋に人間関係…解決したいなら“野生”に学べ! 前代未聞、動物の求愛行動から幸せに生きるためのヒントを学ぶ新感覚のアカデミック・ラブコメディー。(* … 続きを読む

「DREAM STAGE」“水星”池田エライザの捨て身の挑戦に「号泣」 「TOKYO MER」のキャスト陣出演に「うれし過ぎる」「MER祭り」

ドラマ2026年1月25日

 中村倫也が主演するドラマ「DREAM STAGE」(TBS系)の第2話が、23日に放送された。(※以下、ネタバレを含みます)  本作は、K-POPの世界を舞台に、“元”天才音楽プロデューサーの吾妻潤(中村)が、落ちこぼれボーイズグループ「 … 続きを読む

【映画コラム】“異色裁判”映画『恋愛裁判』『MERCY マーシー AI裁判』

映画2026年1月24日

『恋愛裁判』(1月23日公開)  人気上昇中のアイドルグループ「ハッピー☆ファンファーレ」でセンターを務める山岡真衣(齊藤京子)は、中学時代の同級生・間山敬(倉悠貴)と偶然再会し、恋に落ちる。アイドルとしての立場と恋愛との間で葛藤する真衣だ … 続きを読む

「身代金は誘拐です」ラスト1分で衝撃結末 「思考が停止した」「“熊守”浅香航大が怪しい」

ドラマ2026年1月23日

 勝地涼と瀧本美織がW主演が主演するドラマ「身代金は誘拐です」(読売テレビ・日本テレビ系)の第3話が、22日に放送された。(※以下、ネタバレを含みます)  本作は、娘を誘拐された夫婦が「娘の命を救うために、他人の子どもを誘拐できるか?」とい … 続きを読む

Willfriends

page top