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NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」は明日12月15日(日)、ついに最終回を迎える。千年にわたって読み継がれてきた大ベストセラー「源氏物語」の作者・紫式部の生涯を描いた物語は、華やかな平安文化の再現や時の権力者・藤原道長(柄本佑)とのかかわりも含めてドラマチックに展開。今までの大河ドラマとは一味違った新風を吹き込み、多くの視聴者を魅了してきた。最終回の放送を前に、主人公まひろ/紫式部を演じた吉高由里子が、1年半に及ぶ撮影を振り返ってくれた。
まひろが「源氏物語」を書き上げた場面(第四十五回「はばたき」)を撮影したときは、ようやく“書”が終わったという安堵(あんど)感で、涙が溢れてきました。もしかしたら、クランクアップのとき以上だったかもしれません。書の練習は、とても孤独だったんです。感情のやりとりがあるお芝居ではないので、誰かと話し合えるものではなく、うまくできたときの喜びも、自分にしかわかりませんし…。ただ、書があってこそのまひろ役だと思っていたので、今の自分が持てる力を最大限に発揮しようと、とにかく文字を美しく書くことに集中し、撮影に臨んでいました。その分、自分の上達を実感できた時は、いいお芝居をしたとき以上の喜びがありました。
まひろにとっては、物語を書いているときだけが、自分と向き合い、自分を大切にできた時間だったのかなと。同時に、参考にするような先達の作品もない時代に、膨大な物語を1人で書き上げたことを考えると、想像力が豊かなだけでなく、人間をよく観察していたんでしょうね。その上、集中力も相当なものだったはずです。ふと思いついたアイデアなどは、すぐに書き留めないと忘れてしまいますが、当時はそれをすべて筆でやっていたわけですから。また、道長の依頼で物語を書き始めたことを考えると、他人のために尽くせる人だったような気がします。
クランクアップは道長と2人のシーンで迎えましたが、その直後、大勢の人が集まってくれて、第1回から最終回までをモンタージュした映像が流れました。三郎とまひろの頃から、道長と藤式部の時代まで一気に振り返ってみたら、1年半の撮影があっという間だったな…と。そのときは、寂しさやうれしさ、安堵感はありながらも涙は出なかったんですけど、花束を持ったチーフ演出の中島由貴監督が号泣しているのを見たら、もらい泣きしてしまって。凛としたまま終わりたかったのに、できませんでした(笑)。
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