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英国ロイヤル・シェークスピア・カンパニーが2010年に制作し、瞬く間にウエストエンドで最も人気のある作品となったミュージカル「マチルダ」が、日本オリジナルキャストで初上演される。本作は、高い知能と豊かな想像力を持った少女・マチルダが、持ち前の頭脳と不思議な力で理不尽な仕打ちをする両親や校長先生たちに立ち向かっていく姿を描く。怪力の持ち主で、暴力で学校を支配しているミス・トランチブルをトリプルキャストで演じる大貫勇輔、小野田龍之介、木村達成に本作の見どころを聞いた。
大貫 トランチブルは、情緒がおかしいところがあり、理解に苦しむところも多いのですが、稽古を重ねる中で、いい意味で奇妙なせりふに面白さを感じています。本当によくできた、ミュージカルらしいミュージカルなので、稽古段階から、これは面白い作品になると確信しています。
小野田 とにかく稽古の進むスピードが早いので、われわれ日本チームは海外のクリエーティブチームに付いていくのに必死です。全ての音や動きが厳密に決まっているので、それを的確にやらなければいけないのは大変ですが、バチッとハマったときは言葉に表せないぐらいの高揚感とワクワク感が作品に生まれることを感じました。こうした高揚感の連続がこの作品の感動や衝撃を生み出していることをひしひしと感じながら、日々、稽古に臨んでいます。
木村 僕は、久しぶりのミュージカルということもあり、「こんなに覚えることがあったっけ?」と頭をフル回転しながら取り組んでいます。なので、いっぱいいっぱいです(笑)。マチルダ役の子どもたちはものすごい熱量で臨んでいるので、僕たち大人が負けられないと思いながら稽古に励んでいます。
大貫 クリエーティブスタッフから、トランチブル校長は言葉にすごくこだわりがあって、かみ締めながら話していると演出を受けたので、言葉の持つパワーを大切にしたいと思っています。この作品は、ロイヤル・シェークスピア・カンパニーが制作した作品だけに、やはり言葉というのはとても重要なのだと思います。シェークスピアのお芝居のせりふって、すごく心地いいじゃないですか。あのニュアンスが出せたらいいなと思っています。
小野田 この作品に限ったことではありませんが、それぞれの役をリアルに生きるということは第一に考えているところです。それから、この作品の原作は児童文学なのですが、本には挿絵があって、それらの挿絵はマチルダから見た大人の姿が描かれています。とても劇画的に描かれているのですが、その挿絵を大事に、そして言葉回しも動きもとにかく大胆に動きたいと思います。マチルダから見たトランチブルはすごくヒステリックで非常に威圧感のある人物だと思いますが、そうしたトランチブルを三者三様に作っていけたら面白いと思っています。
木村 僕はまだ現時点では形にとらわれているので、まずはその形が決まらないとかなとは思います。ただ、トランチブルの姿勢の保ち方や子どもたちに対するフォーカスの当て方はつねに頭の中に置いて演じるようにしています。何にせよ、お客さまからも子どもたちからもどう見られるかが大切だと思うので、どう見られているのかを意識しながら演じたいと思います。
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