花總まりがアガサ・クリスティに 失踪の謎を追うミュージカル「AGATHA(アガサ)」で「ミステリーの世界を体感していただけたら」【インタビュー】

2026年7月9日 / 08:00

 イギリスを代表する推理小説家で“ミステリーの女王”と呼ばれたアガサ・クリスティが失踪した実話を元にしたミュージカル「AGATHA(アガサ)」が7月18日から上演される。本作は、アガサ・クリスティが失踪した11日間の謎を追う物語。現在(1953年)と過去(1926年)、現実とファンタジーを行き来しながら事件の真相に近づいていく、謎が交錯する心理劇。主人公のアガサ・クリスティを演じる花總まりに、本作への意気込みを聞いた。

花總まり (C)エンタメOVO

-今回のご出演が決まったときにどんなことを思われましたか。

 まず、アガサ・クリスティを演じることができるんだと、とてもうれしかったです。

-本作は、2013年に韓国で初演されて以降、繰り返し上演されている人気作です。花總さんは、韓国でこの作品をご覧になったそうですね。韓国の公演の感想は?

 面白かったです。ただ言葉が分からないので、細かいところは分からなかったですが、楽曲と演じている皆さまの素晴らしさを感じました。そして、とても丁寧に繊細に作られたミュージカルなんだろうなと思いました。

-日本では今回が初上演となります。台本を読まれて、改めてこの作品の面白さをどういったところに感じましたか。

 まず、楽曲が素晴らしい。台本をいただいて、「こういうことを言ってたんだ」とか、「こういうことがあったんだ」と改めて気づいたこともたくさんありました。アガサが失踪した1926年は、アガサにとっていろいろなことがあった年だったんです。アガサを取り巻く環境が失踪にもつながっていたのだと、台本を読んで分かりました。
 それから、アガサの周りを取り囲む人たちの様子も丁寧に描かれていることが分かり、本当によくできた台本だなと思いました。アガサご本人も失踪した11日間について、生涯語ることはなかったので、実際のことは分からないですが、彼女のイメージの通りの形でまとまっていて、アガサ・クリスティらしい雰囲気をそのままこのミュージカルに投影させていると感じました。ミステリーの女王だからこそ、ミステリアスに作られているのだなと。そのミステリアスな雰囲気は、楽曲にもよく現れています。ところどころに「ミステリーっぽい」楽曲が入るんですよ。そうするとワクワクします(笑)。

-花總さんは、元々、アガサ・クリスティの作品はご存じでしたか。

 かなり前のことですが、薦められて『そして誰もいなくなった』や『アクロイド殺し』などを読んでいました。

-アガサ・クリスティという人物にはどんなイメージがありますか。

 とても複雑な方のような気がします。作品がそうだからか、やっぱりどこかミステリアスに思います。ただ、台本を読んでいると、失踪した頃のアガサは、ミステリアスな印象よりも知的で、とても魅力的な女性に感じます。きっといろいろなものを抱えていたのではないかなと。なので、演じる上でも、そうした知的さはキープしていたいと思っています。

-花總さんは、ミュージカル「破果(パグァ)」でも韓国発のミュージカルを経験されました。本作も含めて、韓国ミュージカルらしさ、韓国ミュージカルの魅力はどんなところにあると思いますか。

 やはり歌い上げるナンバーが多いように思います。実際にそうだったというわけではないのですが、どの曲も歌い上げているようなイメージです。本作の音楽監督をされる甲斐(正人)先生とは、これまでも数々の作品でご一緒させていただいてきましたが、(本作の)歌稽古の最初の日に「これまでの中で一番関わっている曲数が多いのではないか」とおっしゃっていたので、今回も歌のイメージのある作品になるのではないかなと思います。ソロで歌うのは製作発表でも披露した「夢の中」くらいなのですが、ちょこちょこと歌っていて。全体的に歌が多い作品だなと感じています。

-共演者の皆さんの印象を教えてください。

 本当に空気感がいいんです。なので、初共演の方もいらしたのですがすごく安心しました。みんなおっとりしているような気がします(笑)。

-製作発表時は、歌唱披露前にも大いに盛り上がっていましたね。

 あんなふうに盛り上がることは珍しいんですよ。私も初めての経験でした。きっとそういう空気感にできるメンバーが集まっているんだと思います。

-そうした空気を作るムードーメーカーはどなたですか。

 誰ともなく…だったように思います。優ちゃん(原田優一)はいつも面白くて、場を盛り上げてくださいますが、製作発表では自然とあの空気になっていました。なので、稽古場でも皆さんすごく穏やかなんですよ。心にゆとりがある人が多いのかもしれない(笑)。

-出演者9人で全てをこなすということも含めて、作品としてはハードですよね。

 そうなんです。私が一番ゆとりがない人だろうと思いますが(苦笑)、こうした皆さんの中にいると、「もうちょっと肩の力を抜いていいのかな」と思わせてくれます。

-楽曲の印象や魅力についても聞かせてください。

 リズムや音程が難しい楽曲が多いという印象です。もしかしたら、韓国語で歌えば歌いやすいけれど、日本語で歌うとなると難しいところがあるのかもしれません。曲数は多いですが、心に残るメロディーが多いので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。

-ところで、主演作が続き、お忙しい日々を送っていると思いますが、花總さんにとってこうしてお仕事を続ける原動力はどんなところにありますか。

 やはり応援してくださる方がいらっしゃるからです。ありがたいことに、ファンクラブというものを作らせてもらっていて、そこに入ってくださっている方たちはもちろんですが、そうではなくても長年、応援してくださる方のことを思うと、いつまでも出演依頼をいただけて、それにきちんと応えられるように、レッスンを重ねて頑張らなければいけないと思います。ファンの方から「いつまでも楽しませてください」とか「次はどんな舞台なのか楽しみにしています」というお手紙をいただくと、頑張ろうと力になりますね。

-最後に改めて、公演を楽しみにされている方にメッセージを。

 ミステリーの女王、アガサ・クリスティの実際にあった失踪事件を題材にしている作品です。この物語自体がミステリアスなものになっているので、私たちと一緒にその世界観に入って、このミステリーの世界を体感していただけたらと思います。
(取材・文・写真/嶋田真己)

 ミュージカル「AGATHA(アガサ)」は、7月18日(土)~8月2日(日)に都内・よみうり大手町ホールほか、愛知、大阪、福岡で上演。

ミュージカル「AGATHA(アガサ)」


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