中川大志「成長や発見は新しいチャレンジの中にこそある」 舞台初挑戦への思い【インタビュー】

2022年10月30日 / 08:00

 2011年にドラマ「家政婦のミタ」で長男役を演じて注目を集めて以降、NHK大河ドラマ「真田丸」、NHK連続テレビ小説「なつぞら」など、数多くの話題作に出演する中川大志。NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では畠山重忠を演じ、その迫真の演技が高い評価を得た。そんな中川が、11月6日から上演される音楽劇「歌妖曲~中川大志之丞変化~」に主演し、初めて本格的な舞台に挑戦する。舞台出演への思いや公演への意気込みを聞いた。

中川大志(スタイリスト:高橋毅/ヘア&メーク:佐鳥麻子(Vitamins)) (C)エンタメOVO

-本作が本格的な舞台初挑戦になりますが、どのような思いから舞台に出演することを決めたのですか。

 三銃士企画(明治座・東宝・ヴィレッヂの3社が共同で企画プロデュースするプロジェクト)の第一弾公演の「両国花錦闘士」を、2020年に明治座で観劇させていただいて、そのときにプロデューサーの皆さんから「一緒にやりませんか」というお手紙を頂いたことがきっかけでした。僕は10代の頃からミュージカルや演劇を見るのが大好きで、舞台に立ちたいという思いがあったので、三銃士企画の皆さんのエネルギーを感じて、すぐに「やらせてください」とお返事をさせていただきました。舞台に挑戦することでどうなっていくのか、自分でも全く想像できませんが、そんな新しいチャレンジをこのタイミングでできるというのはすごくありがたいことだと思っています。

-(取材当時)稽古がスタートして3週間たったそうですが、初めての舞台稽古の感想は?

 お客さまの前に立つまでに稽古期間があるというのは、自分にとっては経験のないことなので、すごく楽しみでした。稽古場にも慣れていないので、どう取り組んで、どうやって積み上げていけばいいのか、最初は分かりませんでしたが、少しずつ慣れてきたところです。何よりも優しい先輩方がたくさんいらっしゃるので心強いですし、救われています。今は皆さんとのコミュニケーションも増えてきて、カンパニーの雰囲気も少しずつ出来上がってきているのを感じています。

-(本作で中川が演じる)歌手・桜木輝彦として、LPレコードと配信によるデビューも決定しました。舞台の主題歌でもある「彼方の景色」はどんな楽曲ですか。

 桜木輝彦の原動力は、怒りや憎しみ、トラウマといった負の感情なので、楽曲にもそこが反映されていてすごくエネルギッシュです。歌詞は、演出の倉持(裕)さんが手掛けてくださいました。桜木が見ている景色や感情をつづっているので、言葉もすごく強い。桜木の復讐(ふくしゅう)劇の始まりの合図のようなパワフルさを感じる楽曲と歌詞になっています。

-LPレコードの発売というのも珍しいですが、今はアナログレコードもはやっていますね。

 僕も音楽が好きで、レコードプレーヤーを買ったぐらいなんです。以前、『坂道のアポロン』という映画に出演させていただいたのですが、そのときに、作中でレコードに触れる機会が多くあったので、それがきっかけで家でも聞きたいと思うようになりました。ただ、僕は凝り性なので、一度手を出したら、とことん集めてしまうので(笑)、タイミングを探していたのですが。この作品に出演することが決まったご縁もあって、今年に入ってからレコードプレーヤーを買いました。まだレコードはそれほど多くはないですが、休みの日にはレコード屋さんを巡ったり、知り合いから頂いたレコードを聞いています。

-歌うことも好きなのですか。

 歌うことも好きです。自分でギターを弾いて、小中学生の頃から歌っていました。

-本作に向けて、1年半前からボイストレーニングにも通っていたそうですね。

 技術的なことを学ぶためというよりは、体の耐久性を上げることを重視してトレーニングをしてきました。今回、全部で48公演あるので、歌って、芝居を続けるためには、それに耐えられる発声や呼吸、体の使い方などを体得する必要があります。稽古に入って、トレーニングの成果を感じながらも、まだまだだと思うところは進化していかなければいけないなと思っているところです。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

山里亮太「長年の“したたかさ”が生きました(笑)」 三宅健太「山里さんには悔しさすら覚えます(笑)」STUDIO4℃の最新アニメ『ChaO』に声の出演【インタビュー】

映画2025年8月15日

 『鉄コン筋クリート』(06)、『海獣の子供』(19)を始め、個性的なアニメーションを次々と送り出してきたSTUDIO4℃。その最新作が、アンデルセンのおとぎ話『人魚姫』をベースに、人間の青年・ステファン(声:鈴鹿央士)と人魚王国のお姫さま … 続きを読む

ウィリアム・ユーバンク監督「基本的には娯楽作品として楽しかったり、スリリングだったり、怖かったりというところを目指しました」『ランド・オブ・バッド』【インタビュー】

映画2025年8月14日

 ラッセル・クロウとリアム・ヘムズワースが共演し、戦場で孤立した若手軍曹と、彼を後方から支援する無人戦闘機のベテラン操縦官の闘いを活写したサバイバルアクション『ランド・オブ・バッド』が8月15日から全国公開された。米海軍全面協力のもと、入念 … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(1)“たまたま”が導いた講談の道

舞台・ミュージカル2025年8月14日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼みなさん、こんにちは  日本の伝 … 続きを読む

原嘉孝×いとうあさこ、timelesz加入後初の舞台主演に「timeleszを背負っています」 舞台「ドラマプランニング」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年8月11日

 脚本家・演出家の山田能龍、いとうあさこによる劇団山田ジャパンの2025年9月公演「ドラマプランニング」にtimeleszの原嘉孝が出演する。  本作は、テレビ業界におけるドラマ制作現場を舞台とし、ほれ込んだ漫画の映像化で初のチーフ作品を担 … 続きを読む

【映画コラム】新旧のSFアクション映画の魅力が詰まった『ジュラシック・ワールド/復活の大地』

映画2025年8月10日

『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(8月8日公開)  熟練の特殊工作員ゾーラ・ベネット(スカーレット・ヨハンソン)は、信頼する傭兵のダンカン・キンケイド(マハーシャラ・アリ)、古生物学者のヘンリー・ルーミス博士(ジョナサン・ベイリー)ら … 続きを読む

Willfriends

page top