【インタビュー】舞台「物語なき、この世界。」岡田将生、憧れの人・峯田和伸との共演に「これまでとは違うセッションになる」

2021年6月28日 / 08:00

 岡田将生が主演するCOCOON PRODUCTION 2021「物語なき、この世界。」が、7月11日から上演される。本作は、映像でも脚光を浴びる三浦大輔が、3年ぶりに書き下ろした、新宿・歌舞伎町を舞台にした人間ドラマ。売れない俳優・菅原裕一を岡田が、売れないミュージシャン・今井伸二を銀杏BOYZの峯田和伸が演じ、10年ぶりに再会した2人の男の身に起きた大きな事件を描く。岡田に舞台出演への思いや本作への意気込みを聞いた。

菅原裕一役の岡田将生 (ヘアメイク:小林麗子(do:t)/スタイリスト:TAKURO)

-作・演出の三浦さんは、スキャンダラスな題材やリアルを追求した演出で知られる演出家です。そんな三浦作品への出演オファーがあったとき、どんな気持ちでしたか。

 三浦さんとは映画『何者』で、短い期間、ご一緒させていただいたのですが、そのとき三浦さんの演出を受けて信頼できる方という印象を抱いたので、長い期間をかけてしっかりと三浦さんの演出を受けたいとずっと思っていました。なので、今回、舞台のお話を頂いて、すごくうれしかったです。普段、僕は舞台に出演する際には、台本を頂いて、それを読んでからお話を進めさせていただくのですが、今回はタイトルとプロットのみで出演することを決めたので、どんなお話になるのか、いまだに(取材当時)分かっていません(笑)。これから三浦さんと濃密な稽古ができることは楽しみではありますが、(物語の)結末が分からないことに恐怖も感じています(笑)。

-舞台出演は、2019年の「ブラッケン・ムーア~荒地の亡霊~」以来となりますが、約2年ぶりに舞台出演についてはどんな気持ちですか。

 2019年のときは、このコロナ禍の前だったので、単純に舞台が好きで、舞台に立ってお芝居することに生きている実感がありました。ですが、昨年からのコロナ禍で、舞台に立てることに感謝する気持ちはより強くなりました。1日1日、1公演1公演を大切にしなければいけないと、より身に染みて感じています。本作でも、最善の対策をして、皆さまに安心して見ていただけるものにしなければいけないと思っています。

-岡田さんにとって、舞台に立つことの魅力をどこに感じていますか。

 僕は、舞台の魅力を語れるほど出演しているわけではありませんが…。舞台だと果敢に、いろいろな役に挑戦できると感じています。それから、「せりふで遊ぶ」ことができるのが舞台を見ていていいなと思っていた部分でした。実際には、1カ月半の稽古で僕がそれをできているかと言われると、なかなかそこまで到達できていないとは思うのですが(笑)、到達できていなくても、なぜ僕は稽古をしているのかを自問自答したりして、自分自身と見つめ合う時間が増えるのも、僕にとってはすごく充実した時間です。そうすることで、今までやってきたものがリセットされ、新たにお芝居ときちんと向き合える時間ができるので、それがすごく好きです。

-最近は、主演以外の作品に出られることも多く、多彩な才能を発揮していますが、今回は主演という立ち位置です。主演だからこその楽しみはありますか。

 (主演に)こだわりがないと言ったらうそになりますけど、僕は、一緒にやっているチームとして支えたいし、支えられたいので、どの位置でも気持ちは変わりません。

-岡田さんが演じる菅原は主人公に憧れを持っていますが、その気持ちには共感できますか。

 それはありますよ。いまだに僕も売れたいと思っています(笑)。ですが、それは俳優なら誰でも思っていることじゃないかな? どの人にも根本的には、たくさんの人に知ってもらいたいという気持ちがあるんじゃないかなと思います。役柄に関していえば、今回は無防備さや脱力感を出して、これまでとはまた違った一面を舞台上で見せられたらというお話を三浦さんとしているので、僕なりの菅原を見せられたらと思っています。

-今井役の峯田さんとは本作が初共演になります。岡田さんは、中学生の頃から峯田さんに憧れていたそうですね。

 峯田さんの音楽がすごく好きなんです。なので、お会いできることだけでも本当にうれしかったです。その上、一緒にお芝居ができるので、これまでとは違うセッションになるだろうなと楽しみにしています。

-岡田さんが感じている峯田さんの魅力は?

 中学生のときに、初めて銀杏BOYZの音楽を聞いて衝撃を受けました。峯田さんは、音楽が鳴ると顔つきが変わるんですよ。伝えたいというエネルギーにあふれていて、あの表現は峯田さんにしかできないことだと思います。今、こうして一緒のカンパニーで、一緒に作品を届けることができることが本当にうれしいなと思っています。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

玉置玲央「柄本佑くんのおかげで、幸せな気持ちで道兼の最期を迎えられました」強烈な印象を残した藤原道兼役【「光る君へ」インタビュー】

ドラマ2024年5月5日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。5月5日放送の第十八回で、主人公まひろ/紫式部(吉高由里子)にとっては母の仇に当たる藤原道長(柄本佑)の兄・藤原道兼が壮絶な最期を迎えた。衝撃の第一回から物語の原動力のひとつとなり、視聴者に強烈 … 続きを読む

「光る君へ」第十七回「うつろい」朝廷内の権力闘争の傍らで描かれるまひろの成長【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年5月4日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。4月28日に放送された第十七回「うつろい」では、藤原道長(柄本佑)の兄である関白・藤原道隆(井浦新)の最期が描かれた。病で死期を悟った道隆が、嫡男・伊周(三浦翔平)の将来を案じて一条天皇(塩野瑛 … 続きを読む

妻夫木聡「家族のために生きているんだなと思う」 渡辺謙「日々の瞬間の積み重ねが人生になっていく」 北川悦吏子脚本ドラマ「生きとし生けるもの」【インタビュー】

ドラマ2024年5月3日

 妻夫木聡と渡辺謙が主演するテレビ東京開局60周年特別企画ドラマスペシャル「生きとし生けるもの」が5月6日に放送される。北川悦吏子氏が脚本を担当した本作は、人生に悩む医者と余命宣告された患者の2人が「人は何のために生き、何を残すのか」という … 続きを読む

城田優、日本から世界へ「日本っていいなと誇らしく思えるショーを作り上げたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年5月3日

 城田優がプロデュースするエンターテインメントショー「TOKYO~the city of music and love~」が5月14日から開幕する。本公演は、東京の魅力をショーという形で世界に発信するために立ち上がったプロジェクト。城田が実 … 続きを読む

【週末映画コラム】台湾関連のラブストーリーを2本『青春18×2 君へと続く道』/『赤い糸 輪廻のひみつ』

映画2024年5月3日

『青春18×2 君へと続く道』(5月3日公開)  18年前の台湾。高校3年生のジミー(シュー・グァンハン)は、アルバイト先のカラオケ店で4歳年上の日本人バックパッカーのアミ(清原果耶)と出会い、天真らんまんでだがどこかミステリアスな彼女に恋 … 続きを読む

Willfriends

page top