最後の将軍役に「『終わらせるというのは、一体どんな感じだろう?』と興味を持ちました」草なぎ剛(徳川慶喜)【「青天を衝け」インタビュー】

2021年5月16日 / 20:50

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「青天を衝け」。5月16日放送の第十四回「栄一と運命の主君」で、主人公・渋沢栄一(吉沢亮)はついに、生涯固い絆で結ばれる主君・徳川慶喜との出会いを果たした。やがて将軍に就任し、260年続いた江戸幕府に幕を引くことになる「最後の将軍」慶喜を演じるのは、草なぎ剛。本作の“もう一人の主人公”とも言える慶喜役に込めた思いを聞いた。

徳川慶喜役の草なぎ剛

-ついに慶喜と栄一が運命的な出会いを果たしました。これから生涯に渡る2人の信頼関係が築かれて行くことになりますが、慶喜は栄一のどんなところを気に入ったのでしょうか。

 慶喜は(側近の平岡)円四郎(堤真一)に対して心を開いているので、その円四郎が連れてきた人間ということがまず大きいです。しかも、慶喜に対して周囲は必要以上に気を使うのに、円四郎と栄一だけは、「みんなが喜ぶ世にしたい」という熱意をストレートに伝えてくる。そういうところが気に入ったのではないでしょうか。

-栄一役の吉沢さんの印象は?

 吉沢くんと共演するのは初めてですが、とてもピュアなオーラが漂っていて、体幹もすごくしっかりしています。会う前は、もっと細くてスマートなイメージを持っていたので意外でした。でも、そこからあふれ出るエネルギーが栄一役にぴったりだな…と。

-共演場面の多い円四郎役の堤真一さんの印象はいかがでしょうか。

 堤さんとは何度かご一緒したことがありますが、今回は久しぶりだったので、身が引き締まる思いでした。でも、今まで堤さんと培ってきた時間が、とてもいい感じに円四郎と慶喜の関係性に反映されているな…と。僕は堤さんのお芝居がすごく好きで、「堤さんのように演じられたら…」という意識があるので、いつもすごく緊張します。もしかしたら、堤さんはそんな僕のことを分かってくれているのかもしれません。現場で余計な話はあまりしませんが、そばにいて背中で語ってくれているような気がします。

-改めて、「最後の将軍」慶喜役のオファーを受けたときの感想は?

 有名な将軍はたくさんいますが、最後の将軍ですからね。物事を始めるときは、希望に満ちてドキドキワクワクしますが、終わらせるというのは、一体どんな感じなんだろう?…と。そこにすごく興味を持ちました。

-演じるに当たって、慶喜をどんな人物だと解釈していますか。

 (チーフ演出の)黒崎(博)監督との最初の打ち合わせで、「つかみどころのない役にした方がいいんじゃないか」という話をしました。どう進んでいっても慶喜が将軍になることは分かっています。その中で、「本当に自分が将軍になっていいのか…?」という葛藤が見え隠れしつつ、「もしかしたら、将軍にならないのでは…?」というぐらい、つかみどころのない力の抜けた感じを狙っていこうかなと。その方が、今回の役どころとしては面白いんじゃないかと思います。

-大河ドラマのやりがいや魅力をどんなふうに感じていますか。

 ものすごく豪華だな…と。出演者もスタッフの人数も多く、とにかく手間暇かけて作られています。セットもものすごく奥行きがあるので、「スタート」がかかる瞬間、我に返って、「あれ?ここスタジオだよな?」なんて思うぐらいで(笑)。馬もCGではなく、本物をスタジオに入れて撮影していますから。とにかくスケールが大きいので、その中で自分が負けないように、ただ馬に乗せられ、ただ衣装を着せられるのではなく、しっかりとした心持ちでいなければ、と。いろんな意味で薄っぺらいものにならないように頑張っています。

-「しっかりとした心持ち」というのは?

 いずれ将軍になる人なので、着物も豪華で、すごく重いんです。その上にさらに豪華な装飾を施したよろいかぶとを着けることもあるので、油断すると、歩いているだけでフラフラしてしまって(笑)。政治の面でいろんな決断を迫られるシーンも多いので、地に足を着けて、いつもよりドンと構えていかなければ、と。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「豊臣兄弟!」第20回「本物の平蜘蛛」不思議な印象を残した松永久秀の最期【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年5月28日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=羽柴秀吉/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。5月24日に放送された第20回「本物の … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(14)梅は飛び

舞台・ミュージカル2026年5月28日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼太宰府天満宮の「梅ヶ枝餅」  前 … 続きを読む

芳根京子&渡辺翔太、ウェンディの視点から描く「ウェンディ&ピーターパン」で初の舞台共演 お互いに「心強い」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年5月27日

 芳根京子と渡辺翔太がダブル主演を務める、Bunkamura Production 2026/DISCOVER WORLD THEATRE vol.16「ウェンディ&ピーターパン」が、6月12日から上演される。本作は、世界的名作「ピーターパ … 続きを読む

佐々木蔵之介「この映画を見た後で自分の気持ちがさまようようなところがあるので、誰かと一緒に見てほしいと思います」『名無し』【インタビュー】

映画2026年5月22日

 その男が右手で触れた瞬間、相手は消え、死が訪れる。世にも奇妙な凶器なき犯行と謎に包まれた動機とは…。俳優だけでなく、脚本家、映画監督としても活躍する佐藤二朗が、初めて漫画原作を手がけたサイコバイオレンスを、自らの主演・脚本、城定秀夫監督で … 続きを読む

宮野真守&神山智洋、初共演の二人が作り上げる、劇団☆新感線のドタバタ音楽活劇ミステリー 「多幸感にあふれた作品をお届けしたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年5月22日

 宮野真守と神山智洋(WEST.)が出演する、2026年劇団☆新感線46周年興行・夏公演 SHINKANSEN☆RSP 怪奇骨董音楽劇「アケチコ!~蒸気の黒ダイヤ、あるいは狂気の島~」が、6月12日から上演される。本作は、脚本に劇作家の福原 … 続きを読む

page top