「渋沢栄一と土方歳三、一見絡みそうにない2人がどう絡んでいくのかが見どころです」町田啓太(土方歳三)【「青天を衝け」インタビュー】

2021年5月9日 / 20:50

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「青天を衝け」。舞台が京の街に移り、5月9日放送の第十三回からはついに新選組副長・土方歳三が登場。以後、主人公・渋沢栄一(吉沢亮)や、栄一のいとこ・渋沢喜作(高良健吾)と交流を深めていくことになる。演じるのは、「西郷どん」(18)に続き、これが二度目の大河ドラマ出演となる町田啓太。土方役に懸ける思いを語ってくれた。

土方歳三役の町田啓太

-出演が決まったときのお気持ちは?

 お話を頂いたときから、すごく楽しみにしていました。というのも、僕はもともと、時代劇が好きで剣道を始めた過去があり、土方役であれば、殺陣もあるのでは…と期待していたんです。実際に新選組のダンダラ羽織に袖を通してみたら、当時の実物でないとはいえ、やっぱり身が引き締まりました。幼少期に、田舎町で木の枝を振り回していたことを思うと感慨深いです。

-これが二度目の大河ドラマ出演となりますが、「西郷どん」のときと気持ちはどんなふうに違いますか。

 「西郷どん」のときは初めてだったので、いろんなところに力が入っているのが、見ただけで分かるんですよ(笑)。だから、今回はもう少し心に余裕を持って入れるようにしたいと思い、浮足立つ心を押さえつつ、自分を落ち着かせるようにしました。

-土方歳三の魅力をどのように捉えていますか。

 ものすごく自分に自信を持っている人だな…と。“鬼の副長”と呼ばれるほどなので、最初は「狂気的な部分もあったりするのかな?」と思っていたんです。でも、調べれば調べるほど、他人だけでなく、自分に対しても厳しく、筋を通そうとした人物だということが分かってきた。それは、本当に心が強くなければできないこと。自信を持って物事を進めるのも、いろんな考えを自分の中に落とし込んでいなければできませんし。そういった意味で、やっぱりすごい人だと思います。

-そういう人物を演じることで、ご自身に強さが身についた部分もありますか。

 強くあらねば、とは思っています(笑)。土方さんは「どう生きるか」、「どう死ぬか」ということに重きを置いていた人物。だから、そういう部分は自分自身の学びにもなっています。おかげで、「どうありたいか」ということを、今まで以上に自分に問いかけるようになりました。

-演じる上で心掛けていることは?

 土方さんは、子どもの頃は“バラガキ”、つまり“やんちゃなガキ大将”みたいな人だったと言われています。だから、その頃から人一倍、熱量が高かったと思うので、そういうものを大事にしていきたいです。さらに、武家ではない家の出身で、武士を目指して成り上がってきた人でもあるので、「武士とはこういうものだ」と演じている部分もあったんじゃないかな…と。そういう意味では、「武士のイメージを守りたい」、「自分の理想に近づきたい」というところもあったはずです。演じる上では、そういうところも意識するようにしています。

-土方に共感できる部分はありますか。

 僕も芸能界や華やかなスポーツの世界に憧れていたので、武士を目指した土方さんの気持ちはよく分かります。また、土方さんと同じく、僕も地方の出身なので、東京のような、栄えている街に行くときは、田舎者に見られたくなくて、服装やいろんな流行を頑張って勉強していたんです。もしかしたら、土方さんにもそういう部分があったんじゃないかな、と。ただ僕には、他人にも自分にも厳しく、という土方さんのようなストイックな生き方はできそうにありませんが(笑)。

-それらを踏まえた上で、「青天を衝け」の土方はどんなキャラクターになるのでしょうか。

 史実にある土方さんの人物像は大事にしつつ、渋沢栄一とどんなふうに絡んでいくのかが今回の見どころです。一見、絡みそうにない2人ですから。どう絡んでいくのか、僕自身も楽しみにしていたら、2人が共に田舎の出身ということでシンパシーを覚えるシーンがあって。その上で、土方は「自分がどんな思いで武士になったのか」と心情を吐露する。そのシーンでは、僕自身も役を通してシンパシーを感じることができました。大好きなシーンなので、カットされないことを願っています(笑)。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

林裕太「北村匠海さんや綾野剛さんとのつながりを感じました」期待の若手俳優が先輩2人と作り上げた迫真のサスペンス『愚か者の身分』【インタビュー】

映画2025年10月22日

 10月24日から全国公開となる『愚か者の身分』は、第二回大藪春彦新人賞を受賞した西尾潤の同名小説を映画化した迫真のサスペンスだ。新宿の歌舞伎町で、犯罪組織の手先として戸籍売買を行う松本タクヤ(北村匠海)とその弟分・柿崎マモル、タクヤの兄貴 … 続きを読む

南琴奈「今までに見たことがないような映画を楽しんでいただけたらと思います」『ミーツ・ザ・ワールド』【インタビュー】

映画2025年10月22日

 芥川賞作家・金原ひとみが新宿・歌舞伎町を舞台に描き、第35回柴田錬三郎賞を受賞した同名小説を、松居大悟監督、杉咲花主演で映画化した『ミーツ・ザ・ワールド』が10月24日から全国公開される。二次元の世界を愛し、自己肯定感の低い主人公の由嘉里 … 続きを読む

timelesz・橋本将生「『大切な人を守りたい』という気持ちは共感できる」 菊池風磨のアドバイスも明かす【インタビュー】

ドラマ2025年10月21日

 timeleszの橋本将生が主演するドラマ「ひと夏の共犯者」(テレ東系)が毎週金曜深夜24時12分~放送中だ。本作は、大学生の主人公・岩井巧巳(橋本)が、推しのアイドル・片桐澪(恒松祐里)との夢のような同居生活を送るうちに、彼女の中にもう … 続きを読む

高橋一生、平山秀幸監督「アクションはもちろん、人間ドラマとしてもちゃんと娯楽性を持っている作品に仕上がっていると思います」「連続ドラマW 1972 渚の螢火」【インタビュー】

ドラマ2025年10月20日

 1972年、本土復帰を間近に控えた沖縄で、100万ドルの米ドル札を積んだ現金輸送車が襲われ行方を絶った。琉球警察は本土復帰特別対策室を編成。班長には、警視庁派遣から沖縄に戻って来た真栄田太一が任命される。班員は、同級生でありながら真栄田を … 続きを読む

オダギリジョー「麻生さんの魅力を最大限引き出そうと」麻生久美子「監督のオダギリさんは『キャラ変?』と思うほど(笑)」『THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』【インタビュー】

映画2025年10月17日

 伝説の警察犬を父に持つオリバーとそのハンドラーを務める鑑識課警察犬係の青葉一平(池松壮亮)のコンビ。だが、なぜか一平だけにはオリバーがだらしない着ぐるみのおじさん(オダギリジョー)に見えており…。  この奇想天外な設定と豪華キャストが繰り … 続きを読む

Willfriends

page top