【インタビュー】劇団☆新感線 いのうえ歌舞伎《亞》alternative『けむりの軍団』清野菜名「『これぞ新感線』というものがたくさん入った作品に」

2019年6月7日 / 12:00

 劇団旗揚げ39周年を迎えた劇団☆新感線が、感謝の気持ちを込めて“39サンキュー興行”と銘打った興行を開催中だ。生田斗真が主演した“春公演”『偽義経冥界歌』に続き、“夏秋公演”では倉持裕が書き下ろす、いのうえ歌舞伎《亞》alternative『けむりの軍団』の上演が決定。劇団員生活35年目という節目を迎える古田新太が主演し、黒澤明作品などの名作映画へのオマージュをちりばめた娯楽時代劇で観客を魅了する。正室として嫁いだ家を飛び出し、古田演じる十兵衛らと共に珍道中を繰り広げる姫君・紗々姫を演じる清野菜名に、公演への思いを聞いた。

紗々姫役の清野菜名

-『髑髏城の七人』Season 花(以下、髑髏花)以来、2度目の新感線の舞台になりますね。

 一度出演させていただいて、またこうやって呼んでいただけるのはすごく光栄なことだと思います。今回、記念すべき古田(新太)さんの35周年ということで、これからも歴史として残っていくであろう回に自分も参加できるのはとてもうれしいです。

-髑髏花以前から新感線の作品はご存知でしたか。

 はい! なかなかチケットが取れないので劇場では見ることができなかったのですが(笑)、実は高校生のときに(劇団員の)オーディションを受けたこともあるんです。なので、髑髏花の出演が決まったときは夢みたいで、憧れていた人たちに囲まれて同じ舞台に立てることが感慨深くて、一生懸命頑張ろうと思いました。

-清野さんは、本格的な時代劇は本作が初挑戦だそうですね。制作発表では「苦戦しそうだ」という言葉もありましたが。

 台本を読んでも分からない言葉ばかりで、一つ一つ調べながら読みました。なので、最初に読んだときはなかなか話が入ってこなかったんです。(共演者の)皆さんは本当にすんなり意味が入ってきているのかな。1回で読めているのかなって、今、気になっています(笑)。

-時代劇は言葉が独特ですから。では、本作で魅力を感じたのはどんなところですか。

 新感線は、“装置”がたくさんちりばめられていて、からくりがいっぱいあるじゃないですか? 今回もそういった新感線らしい“装置”が仕掛けられているので、私自身もどういうふうに繰り広げられるのか楽しみです。

-早乙女太一さん、須賀健太さん、そして清野さんが出演するということで、アクションにも期待が高まります。アクションシーンは多いのでしょうか。

 実際にどこまであるのかはまだ分かりませんが、せっかくの新感線の舞台なのでたくさんやりたいなとは思っています。

-主演の古田さんとは髑髏花に続いての共演になりますね。古田さんの印象は?

 安心感がある方だと思います。髑髏花では古田さん(の登場シーン)は途中からだったんですが、その場の空気を一瞬で変えてしまう力を持ってらして、本当にすごい方なんだなって思いました。どこの場にいっても主(ぬし)な感じがして(笑)。ドシッと構えていて、すごく大きな人だなと思います。

-早乙女さんと須賀さんの印象は?

 早乙女さんは、踊るような、舞いのような剣さばきが素晴らしくて、うっとりと見ほれてしまうほどなので、そんな方のアクションを生で、稽古場から見られるっていうのはぜいたくだなと思っています。健太くんは、やっぱりお芝居がうまいですよね。健太くんの舞台は、「髑髏城」のSeason 月〈上弦の月〉で初めて見させていただいたんですが、さすがだなって。今まで、映像の現場でしかご一緒してなかったので、舞台でも共演できるのがうれしいです。

-髑髏花での、いのうえひでのりさんの演出はいかがでしたか。

 いのうえさんが身振り手振りをつけて全部やってくださるので、とても明確で分かりやすいんですが、それって結局いのうえさんがやるのが一番面白いんじゃないかって思っちゃって(笑)。いのうえさんに勝てないぞっていう不安を持ちながら稽古していましたが、今回も一生懸命やりたいと思います。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【週末映画コラム】『六人の嘘つきな大学生』/『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』(11月22日公開)

映画2024年11月22日

『六人の嘘つきな大学生』(11月22日公開)  大手エンターテインメント企業「スピラリンクス」の新卒採用の最終選考に残った6人の就活生への課題は「6人でチームを作り、1カ月後のグループディスカッションに臨むこと」だった。  全員での内定獲得 … 続きを読む

生駒里奈が語る俳優業への思い 「自分ではない瞬間が多ければ多いほど自分の人生が楽しい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年11月20日

 ドラマ・映画・舞台と数多くの作品で活躍する生駒里奈が、ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで作り上げるダンスエンターテインメント集団「梅棒」の最新作、梅棒 19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」に出演する。生駒に … 続きを読む

史上最年少!司法試験に合格 架空の設定ではないリアルな高校2年生がドラマ「モンスター」のプロデューサーと対談 ドラマ現場見学も

ドラマ2024年11月17日

 毎週月曜夜10時からカンテレ・フジテレビ系で放送している、ドラマ「モンスター」。趣里演じる主人公・神波亮子は、“高校3年生で司法試験に合格した”人物で、膨大な知識と弁護士として類いまれなる資質を持つ“モンスター弁護士”という設定。しかし今 … 続きを読む

八村倫太郎「俊さんに助けられました」、栁俊太郎「初主演とは思えない気遣いに感謝」 大ヒットWEBコミック原作のサスペンスホラーで初共演『他人は地獄だ』【インタビュー】

映画2024年11月15日

 韓国発の大ヒットWEBコミックを日本で映画化したサスペンスホラー『他人は地獄だ』が、11月15日から公開された。  地方から上京した青年ユウが暮らし始めたシェアハウス「方舟」。そこで出会ったのは、言葉遣いは丁寧だが、得体のしれない青年キリ … 続きを読む

「光る君へ」第四十三回「輝きののちに」若い世代と向き合うまひろと道長【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年11月15日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。11月10日に放送された第四十三回「輝きののちに」では、三条天皇(木村達成)の譲位問題を軸に、さまざまな人間模様が繰り広げられた。  病を患い、視力と聴力が衰えた三条天皇に、「お目も見えず、お耳 … 続きを読む

Willfriends

page top