「堺さんは、真面目で、その上役者オタク過ぎます」長澤まさみ(きり)2 【真田丸インタビュー】

2016年12月12日 / 06:00

 NHKの大河ドラマ「真田丸」で、幼なじみの真田幸村(堺雅人)に思いを寄せ続け、終生のパートナーとなったきりを演じている長澤まさみ。いちずなきりの譲れない思いを語る。

 

きり役の長澤まさみ

きり役の長澤まさみ

-きりは変化してきましたね。

 そうですね。でも、周りの人がそう見えるようになってきたということもあるかもしれません。(幸村にとって)きりは正論を言う、うざい幼なじみから始まりますが、やがて大人になるとそんなことを言ってくれる人も周りにいなくなる。そんな時に「いいこと言うじゃん」と思ってもらえる相手に変わっただけで、きり自身は根本的なところは何も変わってないんです。

-幸村が大坂城に行く覚悟を決めるのにきりの言葉はすごく大きかったのでは?

 ずっと連れ添った幼なじみだし、きりが愛した人なので、信繁(幸村)が何を考えているかが分かる。その考えを代弁してあげる役割だったわけです。

-いちずに思い続ける女性をどう思いますか。

 すごいことだなあと思います(笑)。ただ、きりも長く一人の人と向き合い過ぎているので、それ以外に進めないのがたぶんきりの弱さなんじゃないかなと思います。とにかく恋心しかなくて、信繁に対しては常に恋をしている人だと思います。

-演じて大変だったことは?

 演技のことではないんですけど、うざいキャラだと言われて、最初のころはみんなにすごく慰められたことですね(笑)。私が落ち込んでいると思って「いい役だと思うよ」と励ましてくれました。どう反応していいか困りました。(笑)それだけ注目されている作品であり、たくさんの人が物語の行く末に目を見張らせ、楽しんでくださっていること、ありがたいなと思いました。

-幸村の正室である春(松岡茉優)との三角関係は見ていて面白いですね。

 春は割とふわっと描かれていたので、どうなるんだろうと思っていたのですが、それを松岡さんが見事に、毒のある、そして独占欲の強い、力強い女の人にしてくれました。きり以上に憎たらしさがありますが、男性はああいう女性の方が安心していられるのかもしれません。

-大坂に戻ってからは茶々(竹内結子)の存在も気になります。

 プライドの高さは生きていく上で道しるべになる時があるから、持つべき大切なもの。でも茶々がそれだけに縛られているということに怖さを覚えているのかもしれません。きりはいい意味でプライドのない人間なので、そういう対比がつけられていると思います。

-幸村の魅力って結局なんなのでしょう?

 誠実そうに見えるところ(笑)。みんな人が好さそうなところにだまされている。きりはきっとそれを知っているから、一人だけ幸村にずけずけとものを言えるんじゃないかな。

-演じる堺さんはいかがでしたか。

 堺さんはお芝居の技術や経験値や知識を使って信繁像をきっちりと作ってきて演じる方。でも役者はいろんなタイプがいるので、その方たちとの化学反応をいつも楽しんでいます。常に勝負に挑んでいるような感じですね。現場では常にお芝居が変わっていくし、なんかお芝居のセッションみたいでした。堺さんは、真面目で、その上役者オタクで(笑)。先日、私が事前に思っていたお芝居ができなくて、「あー、失敗した」って思いながらぱっと顔を上げたら、堺さんがそれを見て笑っていたんです。他人がお芝居に葛藤しているところを盗み見て「頑張っている」って笑う、そういう人です(笑)。

-先輩俳優から学ぶことはありますか。

 あります。現場での瞬発型の人もいれば、緻密に計算して芝居を作ってくる人もいる。相手の演技に対して自分の役がどういう言い回しになるかは現場に行ってみないと分からないことが多いんですが、それが年々楽しくなっています。

-長澤さんは何型?

 私は客観視型。柔軟な方なので、いろいろやってみます。

-大河の見え方はこれまでと違いますか。

 全然違います。1年いないと大河の良さって分からない気がしました。大河ではみんな役を丁寧に扱っている感じがして、1年を通して違う人生を自分も味わっている感覚がありました。

-「真田丸」のきり役は女優人生の中でどんな存在になりそうですか。

 なんかすごい役もらっちゃったなって、うれしかったですね。少ししか出ていないのに、皆さんの心に印象付く役を演じられて楽しかったです。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

舘ひろし、西野七瀬「とにかく、西野くんに見下してもらいたいと思いました」『免許返納!?』【インタビュー】

映画2026年6月18日

 70歳の映画スターが免許返納をめぐる大騒動に巻き込まれていく姿を描いたコメディー『免許返納!?』が、6月19日から全国公開される。本作で、『免許がない!』(94)で演じた役と同名の俳優・南条弘をコミカルに演じた舘ひろしと、南条に振り回され … 続きを読む

山下美月が“かつてなく最高の主人公”に 「自分も成瀬あかりのような人間に近づきたい」舞台「成瀬は天下を取りにいく」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年6月16日

 舞台「成瀬は天下を取りにいく」が7月4日(土)から上演される。本屋大賞をはじめ数多くの文学賞を受賞し、主人公・成瀬あかりが全力で我が道を突き進む姿が読者を魅了した、シリーズ累計発行部数210万部を突破する大人気小説『成瀬あかりシリーズ』。 … 続きを読む

片山友希、MEGUMI「間違えても失敗しても、とにかく前に進み続けるということはお伝えできたかなと思います」『FUJIKO』【インタビュー】

映画2026年6月15日

 1970~80年代の静岡を舞台に、激動の時代を生きるシングルマザーが自らの生き方を模索しながら力強く歩んでいく姿を描いた、木村太一監督の『FUJIKO』が全国公開中だ。本作で主人公の富士子を演じた片山友希と、企画・プロデュースを担当し、出 … 続きを読む

舞台「キングダムII ―継承―」三浦宏規・高野洸・山本千尋・山口祐一郎、「死力を尽くさなければいけない」作品に再び挑む【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年6月12日

 累計発行部数1億2000万部を突破した、原泰久による大ヒット漫画を原作とした舞台の第2弾となる「キングダムII ―継承―」が、8月9日から上演される。本作は、苛烈な戦乱の中にある中国・春秋戦国時代を舞台に、戦災孤児の少年・信と、のちの始皇 … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第22回「播磨大誤算」戦国の世の難しさを印象付けた播磨攻略戦【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年6月11日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。小一郎と秀吉が播磨攻略に難渋する様子を描いた6月7 … 続きを読む

page top