「三谷さんから『今回は偉大な人の息子の苦悩が裏テーマ』と言われました」星野源(徳川秀忠)【真田丸インタビュー】

2016年12月5日 / 00:00

 NHKの大河ドラマ「真田丸」で、主人公真田幸村(堺雅人)との最後の戦いに臨む徳川家康(内野聖陽)の嫡男、徳川秀忠を演じている星野源。偉大過ぎる父を持った2代目の悲哀と現代にも通じる新世代の気概を語る。

 

徳川秀忠役の星野源

徳川秀忠役の星野源

-大河ドラマに出演して何か反響はありましたか。

 街中で声を掛けてもらうことがより多くなりました。「秀忠」って役名で呼ばれることもあって(笑)。

-秀忠をどう演じようと考えていましたか。

 真田信之(大泉洋)を除けば、物語の中で一番長く生き残って、次の世代を作っていく中心人物なので、そこを見せられたらいいなと思いました。父や真田家の人とは違って、戦国のマナーになじめない感じが出したいなと。重要な役割ですし、撮影もすごくわくわくしました。

-そんな秀忠を表現するために工夫した点は?

 三谷(幸喜)さんからは「時代劇みたいなしゃべり方をしないで」と言われていましたし、次世代の人間というふうにするために、普通にしゃべるように意識したら、画面での見え方が独特になった気がします。

-最初は情けない秀忠を見せる演技が続きましたね。そんな役を演じる楽しさややりがいはありますか。

 僕は、そういう役がすごく多い(笑)。でも、できることならそれをちゃかさないように演じないといけないなと思います。ヒーローじゃなくても、その中にある格好良さとか人間らしさが共感していただけるポイントになったりするので、ダメダメで演じてばかにするのではなく、マジでやっているんだけど、周りの状況が違うからおかしく見えるというふうにしたいと思っています。

-秀忠も徐々に成長していきます。

 急に覚醒して人格が変わるほど成長するのではなく、折り合いをつけながら一歩一歩進んでいくタイプの成長だと思っています。あれだけの父上がいる中でよく耐えたし、励まされますよね。

-変わったきっかけは?

 戦場に行った父を急いで追いかけるシーンで、「将軍はもっと遅くていい」と父から怒られるんですけど、同時に将軍としても認められるんです。それまで父上の一部だったのが、お芝居をしながら急に突き放される感じがして、秀忠もうれしかったんじゃないかなと感じたんです。認められたことで、逆に父を見て学ぼう、父から盗もうという気になって、プライドを捨ててたくさん質問し始める。自分が認められると相手を受け入れられる。その時が変わる瞬間だったのかなと個人的には思っています。

-その後三谷さんからリクエストは?

 電話で三谷さんに「今回は偉大な人の息子の苦悩が裏テーマとしてあります。いろんな2代目が出てくるけど、秀忠は僕にとっては理想の2代目なんです」というお話をしていただきました。その後、成長が目に見えてくるあたりの回を見られた三谷さんから「ものすごく良かった。いい2代目になってきましたね」というメールをいただきました。

-本多正信を演じる近藤正臣さんや内野さんからはどんなアドバイスを受けましたか。

 内野さんは例えば「このシーンは台本ではさらっとしているけど、非常に緊張感があるところだから、もっと緊張感を高めていこう」とか、その都度言ってくださいました。近藤さんはとにかくチャーミングで、「君はマイケル・ジャクソンが好きなんやな。僕のリアルタイムはプレスリーや」なんて会話もしました(笑)。近藤さんはビートルズがはやった時に、テレビ局に掛け合ってイギリスまでドキュメンタリーを撮りにいったという貴重な話もしてくださいました。お二人共、上から言うのではなくて、僕たちと同じ目線に立っていただける方です。

-秀忠役も好評ですし、TBS系のドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(以下「逃げ恥」)も視聴率が良いですね。

 「真田丸」の撮影現場に行ったら「逃げ恥」の話をされ、「逃げ恥」の現場に行ったら「真田丸」の話をされるというすごく幸せな状況にいます。面白いと思って作っている物を面白いと言ってもらえて、そこに数字がついてくるというのは本当に幸せなことだと実感しています。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「明智光秀を中心に、英傑たちが台頭してくる戦国時代の始まりを描く」落合将(制作統括)【「麒麟がくる」インタビュー】

ドラマ2020年1月18日

 1月19日、待望の大河ドラマ「麒麟がくる」がついに放送開始となる。「本能寺の変」を引き起こした明智光秀(長谷川博己)を主人公に、斎藤道三(本木雅弘)や織田信長(染谷将太)など、群雄割拠の戦国時代を駆け抜けた英傑たちの物語が、1年にわたって … 続きを読む

【インタビュー】映画『記憶屋 あなたを忘れない』山田涼介「現場でみんなと話し合いながら作った映画。自分としても満足いく出来になりました」

映画2020年1月18日

 刊行以降の累計が50万部を超える織守きょうやの小説を原作に、豪華キャストが集結した映画『記憶屋 あなたを忘れない』が、1月17日(金)から全国ロードショーとなる。大学生の遼一は突然、恋人の杏子(蓮佛美沙子)が自分との記憶を全て失うという事 … 続きを読む

【インタビュー】映画『記憶屋 あなたを忘れない』佐々木蔵之介「山田くんとの共演では、絶妙なバディ感を目指しました」

映画2020年1月17日

 刊行以降の累計が50万部を超える織守きょうやの小説を原作に、豪華キャストが集結した映画『記憶屋 あなたを忘れない』が、1月17日(金)から全国ロードショーとなる。本作では、「人の記憶を消すことができる」とうわさされる都市伝説“記憶屋”の存 … 続きを読む

「今までの明智光秀のイメージを白紙に戻して」池端俊策(脚本)【「麒麟がくる」インタビュー】

ドラマ2020年1月17日

 いよいよ1月19日から放送開始となる大河ドラマ「麒麟がくる」。大河ドラマとしては3年ぶりに戦国時代が舞台となる本作では、「本能寺の変」を引き起こした明智光秀(長谷川博己)を中心に、織田信長(染谷将太)や斎藤道三(本木雅弘)といった武将たち … 続きを読む

【映画コラム】事実を基にした物語『リチャード・ジュエル』と『イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり』

映画2020年1月16日

 今回は、1月17日から公開される、事実を基にした映画を2本紹介しよう。どちらも、ドキュメンタリーとは違う、劇映画ならではの工夫や面白さが感じられる。まずはクリント・イーストウッド通算40作目の監督作品『リチャード・ジュエル』から。  19 … 続きを読む

page top