【インタビュー『HiGH&LOW THE RED RAIN』】斎藤工 「二人はキン肉マン消しゴムみたいな体でした」 TAKAHIRO&登坂広臣の肉体美を語る

2016年10月8日 / 12:15

 ドラマや映画、ライブなどさまざまなメディアを連動させて展開しているエンターテインメント・プロジェクト「HiGH&LOW」の、劇場版第2弾となる『HiGH&LOW THE RED RAIN』が10月8日から公開される。本作は、シリーズを通してTAKAHIROと登坂広臣が演じた人気キャラクター雨宮兄弟を主人公に、これまで謎のベールに包まれてきた長兄・尊龍との過去と真実の物語が展開する。二人が尊敬する尊龍を演じた斎藤工が、演じた心境や撮影エピソードを語った。

 

雨宮兄弟の長男・尊龍を演じた斎藤工

雨宮兄弟の長男・尊龍を演じた斎藤工

─『HiGH&LOW』の世界に入っていかがでしたか。

 (ドラマと映画1作目の監督をした)久保(茂昭)さんではなく、山口雄大さんが撮るのが、旧友として意外でした。雄大さんの最近の作品は『珍遊記』で、そこから『HiGH&LOW~』ですし。でも、北村龍平監督の下で助監督をずっとされていた方なのでレンジが広いですし、雄大さんにとってもネクストステージの第一歩になるんじゃないかなと。アクション監督をやっている坂口拓さん(本作では匠馬敏郎名義)と三人で映像をたくさん作ってきたので、このトライアングルがこの規模の映画に関われることが感慨深かったです。

─本作に出演される前から一視聴者として雨宮尊龍のキャスティングを予想していたそうですが、ご自身が演じることは考えていましたか。

 キャスティングの予想はしていましたが、自分は入っていないです(笑)。自分を客観的に見ると役者としては信頼していないので。でも、長男になれる人は限られていると思っていました。お二人が尊敬できる人はLDHでいったらHIROさんじゃないかなと想像したり、僕が参加するかしないかの段階から拓さんが二人のゼロレンジコンバットのトレーニングをしていると聞いて、僕の中では拓さんのイメージもありました。

─そんな尊龍をご自身が演じてどう思いましたか。

 僕のイメージする長男像とはかけ離れていたけど、形から入りました。フォルムやシルエットを明確にすることで、そこに少しでも近づく作業に切り替えました。

─役が決まった時「他の役者に渡したくない」という強い気持ちで臨まれたそうですが。

 テレビシリーズを見ていたのが大きかったです。雨宮兄弟の、核心にバッと入って活躍して去っていく姿がかっこよくて。二人でも成立しているのに、さらにもう一人いる展開にも驚きました。それを自分が演じるというのは、いまだにどこか客観的に着地していないところもありますけど、昨日今日の付き合いではない人が関係していたので、それに対する恩返しをしたいと思いましたし、「あいつで良かった」と思わせる何かを返さないといけないなと。

─本作は、海外ロケでスケールの大きなアクションの撮影もしていますが、いかがでしたか。

 連日昼から準備して朝の5時まで撮影を行っていたので、朝日との戦いでした。日が昇ったらナイトシーンは撮れないので、暗幕を張って夜に見せる時もあり、終わるのが6時という時があったぐらい、時間的に昼夜逆転でやっていました。オフは1秒もなくて、コンビニに行ったぐらいしか記憶がないです。その期間は記憶があまりないぐらい撮影をしていましたが、万全で臨むよりは、どこか自分の見えない何かが立ち上がってこないとぶつかれないシーンがあったので、それが結果的には良かったと思います。

─海外ロケで日本との違いを感じた部分はありますか。

 高速道路を封鎖したり、日本ではできないことができる場所だったと思います。スタッフも半々で、ある程度向こうでの撮影期間を経て自分が参加しているので、僕が合流した時には融合はできていました。爆破シーンで見せ場なのに装置が作動しないトラブルもあり、日本人と向こうのエンジニア同士のやりとりみたいな、熱い側面も見ました。

─撮影の合間にもジムに通ったりトレーニングをしていたという話も聞きましたが。

 お二人(TAKAHIRO・登坂広臣)はそうですね。僕の体がすごく仕上がっている説があったみたいですけど、まったくのデマです(笑)。逆にお二人は懸命にジムに通われて、僕が行った時はキン消し(キン肉マン消しゴム)みたいな体でした。衣装合わせの時も二人が筋トレをやり過ぎてサイズが合わなくなって作り直しているとも聞いたので、逆に「やばい」と思いました。

─物語の後半で三兄弟にとって印象的なシーンがありますが、あそこはどういう心境で臨まれましたか。 

 気持ちを作ってはいましたが、実際は雨をすごく降らせていたのでお互い何を言っているのか聞こえず、気持ちを届けるしかなかったです。けれども、そういう中で登坂さんの体温とか雨じゃない涙の温度を感じたんです。台本では予想できないことで、それがある種の安堵(あんど)になったというか…。別の(演技の)プランも考えていましたが、僕はそれが全てだったなと思います。

(取材/文/撮影:中村好伸)

(C)2016「HiGH&LOW」製作委員会

(C)2016「HiGH&LOW」製作委員会


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

生駒里奈が語る俳優業への思い 「自分ではない瞬間が多ければ多いほど自分の人生が楽しい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年11月20日

 ドラマ・映画・舞台と数多くの作品で活躍する生駒里奈が、ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで作り上げるダンスエンターテインメント集団「梅棒」の最新作、梅棒 19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」に出演する。生駒に … 続きを読む

史上最年少!司法試験に合格 架空の設定ではないリアルな高校2年生がドラマ「モンスター」のプロデューサーと対談 ドラマ現場見学も

ドラマ2024年11月17日

 毎週月曜夜10時からカンテレ・フジテレビ系で放送している、ドラマ「モンスター」。趣里演じる主人公・神波亮子は、“高校3年生で司法試験に合格した”人物で、膨大な知識と弁護士として類いまれなる資質を持つ“モンスター弁護士”という設定。しかし今 … 続きを読む

八村倫太郎「俊さんに助けられました」、栁俊太郎「初主演とは思えない気遣いに感謝」 大ヒットWEBコミック原作のサスペンスホラーで初共演『他人は地獄だ』【インタビュー】

映画2024年11月15日

 韓国発の大ヒットWEBコミックを日本で映画化したサスペンスホラー『他人は地獄だ』が、11月15日から公開された。  地方から上京した青年ユウが暮らし始めたシェアハウス「方舟」。そこで出会ったのは、言葉遣いは丁寧だが、得体のしれない青年キリ … 続きを読む

「光る君へ」第四十三回「輝きののちに」若い世代と向き合うまひろと道長【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年11月15日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。11月10日に放送された第四十三回「輝きののちに」では、三条天皇(木村達成)の譲位問題を軸に、さまざまな人間模様が繰り広げられた。  病を患い、視力と聴力が衰えた三条天皇に、「お目も見えず、お耳 … 続きを読む

「ローマの共和制の問題点は、今の世界が直面している数々の問題と重なる部分が多い」『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』コニー・ニールセン【インタビュー】

映画2024年11月15日

 古代ローマを舞台に、皇帝の後継者争いの陰謀に巻き込まれ、剣闘士(グラディエーター)として壮絶な戦いに身を投じる男の姿を描いたスペクタクルアクション『グラディエーター』。巨匠リドリー・スコットが監督し、アカデミー賞で作品賞や主演男優賞など5 … 続きを読む

Willfriends

page top