エンターテインメント・ウェブマガジン
NHKの大河ドラマ「真田丸」で、徳川家康(内野聖陽)の重臣、本多忠勝を演じている藤岡弘、。天下の猛将として名をとどろかせる一方、真田信繁(堺雅人)の兄・信幸(大泉洋)に嫁がせた娘の小松姫(吉田羊)を思う一人の父親でもある忠勝の人間くささを語る。
個人的には武士道精神の基を作った、原点の人だと考えているので、親近感がありました。文献ばかり読んでいましたし、ゆかりの地や城まで行って疑問を探求するのが楽しくて仕方がありませんでした。そこに急に出演のお話が来たから、忠勝が呼んだのかとびっくりしました。演じたかった武将ですから体が喜んでいます(笑)。こういう経験はなかなかあるものではないです。
でも、忠勝は戦が大好きだった訳ではない。敵であろうと味方であろうと敬うという気持ちがあり、生きるために仕方なく、宿命の中で戦わざるを得なかった人間の悲しみや痛みを分かっていた武将だと思います。いつも努力して弱者、敗者の気持ちを考える。それが忠勝の下げていた数珠に表れていると想像します。「最も剛毅なる者は、最も柔和なる者なり、最も愛ある者は最も勇気ある者なり、おごれし者を打ち砕き、敗れし者を慈しみ、失われる他者への憐みの心。平和の道に立つること、これすなわちもののふの道、武士道なり」という言葉があるんですが、まさしくそれにはまるのが忠勝なんです。
やっぱり生きざまですね。なぜいつも先陣を務めて、家康に忠義を尽くしたのか。それを本音で聴きたいです。
恐れ多いです。私は未熟で、修業の身です。
僕は槍術、つまり槍もたしなみますし、手裏剣、小太刀、なぎなた、全部やります。忠勝は長い蜻蛉(とんぼ)槍の達人なので、長い槍でも練習してみました。
自分のまな娘を嫁がせてしまった婿がこの戦乱の世を生き延びていけるか、血筋を守っていけるかを試していたのではないでしょうか。決意、決断、覚悟、信念がないと当時の武将は生き抜いていけません。しかしそうして信幸を見ているうちに、だんだんほれ込んでいったと解釈して、そう表現しました。
周りがどう思おうと、次なる未来のために自己を捧げる犠牲精神が忠勝にはあります。家康は分かってくれるだろうと信じた上で、親子や一族の絆の深さを伝えたかった。真の男の侍魂をぶつけていますから。楽しみに見てください。
ええ。俳優生活51年、先輩諸氏の中で鍛えられてきたので、たえず一発勝負。あの緊迫感、緊張感を表現している中では一発でやってほしいですしね。日ごろから、心の乱れがあると道場で真剣を振ります。真剣って少しでも心の乱れがあると、手をさーっと切ってしまう。だからいつも身と心を引き締め集中します。それを何十年もやって、夜にろうそく一本の中にいると、「ああ昔の侍はすべてこの一瞬一瞬に命を懸けた」と分かります。それに俳優同士って相手の機が熟していると分かるもの。内野さんも一発でやりたがっていましたから。
撮影現場にいて楽しみなのは、若い俳優さんがどんどん成長して、雰囲気や目つきが変わってくること。中でも堺さんは将来が楽しみです。あらゆる戦乱を超えて今の私たちや社会は存在しています。そんな戦乱の時代を支えてきた侍の姿を描くドラマがなくなると、日本の映像界はおしまいです。その思いを若手がしっかりと真剣に支えていってほしいですね。
舞台・ミュージカル2024年11月20日
ドラマ・映画・舞台と数多くの作品で活躍する生駒里奈が、ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで作り上げるダンスエンターテインメント集団「梅棒」の最新作、梅棒 19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」に出演する。生駒に … 続きを読む
ドラマ2024年11月17日
毎週月曜夜10時からカンテレ・フジテレビ系で放送している、ドラマ「モンスター」。趣里演じる主人公・神波亮子は、“高校3年生で司法試験に合格した”人物で、膨大な知識と弁護士として類いまれなる資質を持つ“モンスター弁護士”という設定。しかし今 … 続きを読む
映画2024年11月15日
韓国発の大ヒットWEBコミックを日本で映画化したサスペンスホラー『他人は地獄だ』が、11月15日から公開された。 地方から上京した青年ユウが暮らし始めたシェアハウス「方舟」。そこで出会ったのは、言葉遣いは丁寧だが、得体のしれない青年キリ … 続きを読む
ドラマ2024年11月15日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。11月10日に放送された第四十三回「輝きののちに」では、三条天皇(木村達成)の譲位問題を軸に、さまざまな人間模様が繰り広げられた。 病を患い、視力と聴力が衰えた三条天皇に、「お目も見えず、お耳 … 続きを読む
映画2024年11月15日
古代ローマを舞台に、皇帝の後継者争いの陰謀に巻き込まれ、剣闘士(グラディエーター)として壮絶な戦いに身を投じる男の姿を描いたスペクタクルアクション『グラディエーター』。巨匠リドリー・スコットが監督し、アカデミー賞で作品賞や主演男優賞など5 … 続きを読む