「爆笑王になりたいと思っています」大野拓朗(青柳清) 【とと姉ちゃん インタビュー】

2016年4月23日 / 05:07

 連続テレビ小説「とと姉ちゃん」の舞台は、浜松から常子(高畑充希)の祖母・滝子(大地真央)が住む東京、深川へ。滝子が切り盛りする製材問屋・青柳商店に、跡取りとして迎え入れられた養子の清を大野拓朗が演じる。清は滝子の実の孫である常子たち三姉妹の登場に心を揺らす。きざな性格だが仕事はできる、そんな清の思いを大野が語った。

 

青柳清役の大野拓朗

青柳清役の大野拓朗

-清を演じてみていかがですか。

 とても楽しいです。朝ドラというのはまさに朝から皆さんに元気を与えられる作品だと思うので…。ただ、今回の清はどうでしょう。元気を与えられますかね。周りのみんなから相手にされなくても“めげない”という勇気は与えられると思いますが(笑)。

-演じる上で心掛けていることはありますか。

 清は、自慢話ばかりでちょっと“うざい”部分もありますが、うざいというよりも「何だこいつは」と心のなかでニヤッとしてもらえるような“うざかわいい”キャラクターを目指したいです。

-清役に決まった時の心境を教えてください。

 台本を読ませていただいた時に「どうして僕のことが分かったんだろう?」と思いました。

-大野さんご自身が清に似ていたということですか。

 そうですね。モチーフが『暮しの手帖』(の創業者)と聞いていたので「よし、編集者の役だな」と思って、オーディションの時に編集マンぽい格好をして行ったんです。シャツにジャケットを着て、革靴を履いて、髪もきれいにセットして…みたいな。でも、思い返してみると「国会図書館に行って『暮しの手帖』をいっぱい読んできました!」って自慢していたんです(笑)。

-その自慢が決め手になったということですね。

 はい。だから「よく、あそこで自慢した!」って自分を褒めてあげたいです。うれしかったですね。

-清があそこまで“自慢しい”なのには何か理由があるのでしょうか。

 200年の歴史を誇る青柳商店の跡取りとして引き取られた養子の清は、お母さん(滝子)に褒めてもらいたいという一心で“自分頑張っていますよ”とアピールをしてしまう、そんな要素もあると思うんです。だから単なる嫌なやつではない。今日も(常子の母親役の)木村多江さんに「実は清ってけなげで切ないよね」って言ってもらえて…。話が進むにつれて、見ている方にも清のそういう部分を感じてもらえたらと思います。

-役柄と大野さんの共通点はありますか。

 前向きなところは完全に一致しますね。清って「みんなに認めてもらいたい」という気持ちプラス「笑わせたい」「人の関心を引きたい」という思いを持っている。僕も常々、人を笑顔にしたい、爆笑王になりたいと思っています(笑)。

-小橋家の三姉妹とは現場でどう過ごしていますか。

 ちょっと愚痴っていいですか(笑)。僕、結構役を引きずるタイプで前室でもずっと清でいるのですが、最初の方はみんなすごく面白がってくれたんです。収録以外でも「参ったな~」とか僕の口癖をまねしてくれてて…。それが今や無視ですよ。無視というか、スルーすることで、逆にいじられてるというか(笑)。でも僕がいなくなったらきっとみんな寂しく感じると思うんですよね。

-義母役の大地真央さんや筆頭番頭役の片岡鶴太郎さんはアドリブがすごいと伺いました。

 めっちゃすごいんですよ。芝居が終わったちょっとした余韻の部分に鶴太郎さんが(アドリブを)ぶっ込むんですが、真央さんも素早いリアクションで返すんです。僕は全く入る余地がなくて、いつかここに入れるようになりたいなって思いました。スタッフさんもみんな笑顔になるし、いつかこういう役者になりたいなと思いながらお二人を見ています。

-初の朝ドラ出演について先輩からのアドバイスはありましたか。

 (「あさが来た」のヒロイン)波瑠ちゃんと、バラエティー番組で一緒になった時に「充希ちゃんのこと支えてあげてね」と言われました。やっぱり主役を盛り立ててこその作品だと思うので、僕も微力ながら支えていけたらと思います。

-ご自身のチャンスとしてはどう捉えていますか。

 ずっと憧れの朝ドラでしたし、しかもこんなに強烈なキャラクターをつけていただいたのでうれしいですね。“清ロス”、ほしいな~(笑)。

-目指せ“清ロス”ですか。

 はい。実際に僕の出番がオンエアされる時は、僕の撮影は終わっているので、それはちょっと寂しいですが。だからこそ、現場にいられる間に少しでもいいものを残せたらと思ってやっています。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

岡本圭人、岡本健一と2度目の親子共演への思い 「成長した姿を見せられたら」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年3月27日

 若村麻由美と岡本圭人、岡本健一が出演する舞台「La Mère 母」と「Le Fils 息子」が2つの劇場で同時上演される。同作は、劇作家フロリアン・ゼレールによる家族三部作のうちの2作で、若村が主演する「La Mère 母」は日本初上演、 … 続きを読む

「光る君へ」第十一回「まどう心」互いの思いとは裏腹に、さらに開くまひろと道長の距離【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年3月23日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。3月17日に放送された第十一回「まどう心」では、藤原兼家(段田安則)によるクーデター“寛和の変”の事後処理、およびそれに伴う主人公まひろ(吉高由里子)と藤原道長(柄本佑)の行動が描かれた。  兼 … 続きを読む

【週末映画コラム】4K復元版で「ドル3部作」を一挙上映『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』

映画2024年3月22日

 監督セルジオ・レオーネ、音楽エンニオ・モリコーネ、主演クリント・イーストウッドという伝説のトリオが放った「ドル3部作」(「ドル箱3部作」と表記されることも多い)が、マカロニ・ウエスタン誕生60周年を記念し、4K復元版として3月22日から一 … 続きを読む

「生への回帰というのがこの映画の目指したところです」荒木伸二監督、若葉竜也『ペナルティループ』【インタビュー】

映画2024年3月21日

 朝6時、いつものように目覚めた岩森淳は、恋人の砂原唯(山下リオ)を殺した溝口登(伊勢谷友介)を殺害する。翌朝目覚めると周囲の様子は昨日のままで、なぜか溝口も生きている。そして今日もまた、岩森は復讐(ふくしゅう)を繰り返していく。荒木伸二監 … 続きを読む

伊野尾慧、「新しいことに挑戦したい」 ミュージカル初出演で見せる新たな一面【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年3月20日

 バラエティーや映画やドラマといった映像作品だけでなく、朝の情報番組やトーク番組にもレギュラー出演し、多岐にわたって活躍しているHey! Say! JUMPの伊野尾慧が、4月9日から上演されるブロードウェイミュージカル「ハネムーン・イン・ベ … 続きを読む

Willfriends

page top