【インタビュー】YouTuberくまみき、強い決意で転身 “将来の夢=YouTuber”は「大歓迎」

2016年4月22日 / 19:33

kumamiki_1873 動画共有サイト「YouTube」上に独自で制作した動画を継続して公開している人々を“YouTuber(ユーチューバー)”といい、その数は日本でも年々増えている。OVOでは、YouTuberの一人で37万以上のチャンネル登録者数を誇るくまみきにインタビューを敢行。YouTubeを始めたきっかけから動画制作へのこだわり、未来のYouTuberへのエールまでを聞いた。

 小中学生も自身のスマートフォンを所持し、タブレットやパソコンを扱う機会も多いため、YouTubeは学生を中心とした若者世代の視聴者が圧倒的大多数を占める。さらに「好きなことで、生きていく」というフレーズの広告展開もあり、くまみきはさらなる知名度を上げた。

 動画に関連して表示される広告などから収益を得られる「YouTubeパートナープログラム」が公開されたことも追い風となって、小中学生がYouTuberを将来の夢に挙げる時代となった。

──YouTubeに動画を投稿したきっかけを教えてください。

 最初はなんとなくだったんです。その前にブログをやっていて…。ブログは文章と写真ですけど、さらにそこに自分のその時の表情や雰囲気、深いところまで伝えられると気付いて(動画を)始めました。原宿ファッションやかわいいものが好きだったので、そういうかわいいものや私の好きなものを、同じように好きな人たちと共有したい、広めたいと思いました。服飾の学校を出てモノ作りも得意なので、DIYのハウツー動画を作ろうと思いました。

──投稿した動画は1本目から反響があったのですか。

 1本目はそんなにたくさん反応があったわけではないです。でもすぐにコメントがついたなという印象はありました。こんなに早く視聴者さんとコミュニケーションが取れるんだってびっくりしました。なんとなく始めたのが2013年の夏くらいで、間を空けながら様子をうかがって投稿していました。14年の1月くらいに『これは本気でやって成功してやる』と思って、そこから週に3〜4本と頻繁に(動画を)上げるようになりました。そのころから視聴者さんが増えていったように思います。

──成功してやる、と決意したのはどうしてですか。

 その時、日本でYouTubeをやっている人がまだ少なかったんです。これから日本でも流行するかもね、という雰囲気でした。それまで私はフリーターをしながらいろいろなことをやって、成功したものがなかった。これをしっかりやって成功させないと私はもうだめになってしまうかもしれないくらいの気持ちで、“職業YouTuber”を目標にして絶対やってやろうと思いました。

──動画を作るにあたって意識していることはありますか。

 とにかくかわいく動画を編集したい、と思っていました。雑誌を見ているとフォント(文字の種類)や色合いが全部かわいかったりするので、そこを目標にしています。雑誌をペラペラとめくるように、見ていて楽しくなるような編集を心がけています。撮影はだいたい自分の部屋でやっていて、後ろの棚には好きなものを入れています。

──動画の編集はどうやって学びましたか。また、YouTuberになって変わったことは?

kumamiki_1976 もともと編集はまったくできなくて、YouTubeのワークショップに通わせてもらって勉強しました。結局それでも独学になるからどんどん分からないことが出てくる。今も通っています。セルフプロモーション力がついたように思います。動画は自分で構成を考えて出すので、自分が常に監督みたいな状態。どう見せるかというところは、毎日動画を出して鍛えられていると思います。

──これまでで一番印象に残っている動画を教えてください。

 今回「女性クリエイター向けの支援プログラム」の一環で出した、原宿ストリートファッションの歴史の総まとめです。絶対にやると思っていたもので、今ならできるかもしれないと思ったし、ステップアップのためにこれはやらなきゃという思いがありました。夏にYouTubeさんに企画書を持ち込んで、そこから打ち合わせして年末に撮影しました。

──ファンとの繋がりやコミュニケーションはどのようにとっていますか。

 SNSも、ファンイベントもやっています。コメントでも常にコミュニケーションが取れるし、ファンの方との距離が近いのがYouTubeのいいところです。コメント欄からアイデアをもらったり、DIYの動画を出すと2時間後くらいにはみんなが『作ったよ』ってSNSで写真を載せて教えてくれたり。動画を見て初めて作ったと言ってくれる人もいて、人のきっかけづくりになれることが自分の中ではすごくうれしいです。

──ご自身の動画の人気の秘訣はどこだと思いますか。

 さらけ出すところですかね。私の場合は、メイク動画を作っても分からなかったら『もう分からないからみんな教えて! どうしたらいいと思う?』って言っちゃう(笑)。すっぴんを見せることも最初は恥ずかしさもあったのですが、だんだんまあいいかなって。家でやっているからかもしれません。ひどい時にはパジャマでやっているし、そのリアルさがいいのかな(笑)。

──YouTuberを将来の夢に挙げる小中学生が増えていますが、YouTuberであるくまみきさんはどうお考えですか。

 時代ですよね。うれしいです。職業として認められているんだというのもそうだし、みんな自分が好きで伝えたいことがあるってことだと思う。ぜひそれぞれの好きなことを広めてほしいし、大歓迎。自分の好きなものや好きなこと、その気持ちを発信できるのは自分だけ。YouTubeを使って、自分の気持ちを思う存分に発信していってほしいです。

取材&テキスト:小林裕美
撮影:金田 誠

【原宿ストリートファッションの歴史】


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

唐田えりか「宝物のような作品になりました」人生を諦めた女性の再生の物語に主演『朝がくるとむなしくなる』【インタビュー】

映画2023年11月28日

 12月1日から公開となる『朝がくるとむなしくなる』は、人生を諦めている若い女性が、元同級生との偶然の再会をきっかけに、自分らしさを取り戻していく姿を優しいまなざしで見つめた物語だ。仕事がうまくいかずに会社を辞め、コンビニでアルバイトしなが … 続きを読む

「いろんな仕掛けを考えながら演じていました」上野樹里、「今の時代にぴったりな映画だなと思いました」林遣都『隣人X -疑惑の彼女-』【インタビュー】

映画2023年11月27日

 ある日、日本は故郷を追われた惑星難民Xの受け入れを発表した。週刊誌記者の笹は、スクープを狙ってX疑惑のある良子に近づく。2人は少しずつ距離を縮めていき、やがて笹の中に本当の恋心が芽生えるが…。疑われる女と真実を探る記者を巡る異色のミステリ … 続きを読む

【週末映画コラム】関西にもひどい地域格差が…『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』/戦国版の「アウトレイジ」『首』

映画2023年11月24日

『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』(11月23日公開)  東京都民から迫害を受けていた埼玉県人は、麻実麗(GACKT)率いる埼玉解放戦線の活躍によって自由と平和を手に入れた。麗は「日本埼玉化計画」を推し進め、埼玉県人の心を一つにするため … 続きを読む

望海風斗が挑む、希代の悪女・イザボー 「必死に生き抜いて、戦い抜く女性を演じたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2023年11月24日

 望海風斗が主演、作・演出を末満健一が務める、新作オリジナルミュージカル「イザボー」が2024年1月15日から上演される。宝塚歌劇団 雪組トップスターとして活躍し、退団後は「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」や「DREAMGIRLS」な … 続きを読む

東出昌大「頑張るべきは芝居」 記事にできないような会話の応酬が続く、舞台「ハイ・ライフ」でジャンキー役【インタビュー】

映画2023年11月23日

 映画『Winny』でファイル共有ソフトの開発者を熱演して高い評価を受け、2024年には狩猟生活を写したドキュメンタリー映画『WILL』の公開も控えている東出昌大。11月23日からは、まつもと市民芸術館プロデュース舞台「ハイ・ライフ」で4人 … 続きを読む

Willfriends

page top