日本アカデミー賞『ある男』が作品賞など最多8冠 主演の妻夫木聡「本当にうれしいです」と感涙

2023年3月11日 / 06:57

『ある男』が最優秀作品賞を受賞【写真提供:東京写真記者協会】

 「第46回日本アカデミー賞授賞式」が10日、東京都内で行われ、映画『ある男』が最優秀作品賞、最優秀監督賞(石川慶)、最優秀主演男優賞(妻夫木聡)、最優秀助演男優賞(窪田正孝)、最優秀助演女優賞(安藤サクラ)、最優秀脚本賞など、最多8部門で受賞した。

 本作は、芥川賞作家・平野啓一郎氏の同名小説を『愚行録』『蜜蜂と遠雷』の石川監督が映画化。亡き夫(窪田)の名が別人のものだったと知った妻(安藤)が、知り合いの弁護士(妻夫木)に身辺調査を依頼。次第に夫の壮絶な過去が明らかになっていく。

 3度目となる石川監督作品での主演で、最優秀主演男優賞に輝いた妻夫木は、名前を呼ばれて壇上に上がると、「いや、どうしよう。何も考えていなかった。まさか頂けるとは…」と驚きの表情を浮かべた。

 ブロンズ像を握りしめながら、「10年ぐらい前、『悪人』という作品で最優秀主演男優賞を頂いたのですが、そのときは舞台があって、現場にいられず中継でした。今回は実際に現場で頂けてうれしいです」と語った。

 撮影中は、以前、山田洋次監督から言われた「妻夫木くん、(現場に)あるということが大事なんだよ」という言葉を思い返していたという。

 「その言葉を頼りにずっとこの役を演じさせてもらいました。とにかくこの場にあるということ、存在することを大事にこの役を務めさせてもらいました」と振り返った。

 「とにかく僕は日本映画が大好きです。これからも日本映画を盛り上げていけるよう、皆さんと一緒にまた仕事ができたらうれしいです」と笑顔でスピーチした。

 そして、授賞式のラストでは、同作が最優秀監督賞と最優秀作品賞にも輝いた。石川監督は「今日たまたまこの賞を頂けましたが、これって多分バトンなんだなと感じております。先輩方が作った日本映画という大きな大河があって、それを僕らが紡いでいくのだと、受け止めています」とコメント。

 「難しい題材にこうしてチャレンジさせてくださった松竹の方々、原作を預けてくださった平野さんにお礼を申し上げたいと思います」と語った。

 出演者たちも再び壇上に上がり、喜びを分かち合った。この快挙に妻夫木は「本当にうれしいです。ごめんなさい。やばい…」と涙目に。

 「監督の(長編映画)デビュー作だった作品(『愚行録』)から一緒で。だから何というか、僕は彼の才能を一番間近で見てきたという自負があるので、こうして認めてくださったことが本当にうれしいです」と語った。

第46回日本アカデミー賞の受賞結果は以下の通り。

最優秀作品賞:『ある男』
最優秀監督賞:石川慶『ある男』
最優秀主演男優賞:妻夫木聡『ある男』
最優秀主演女優賞:岸井ゆきの『ケイコ 目を澄ませて』
最優秀助演男優賞:窪田正孝『ある男』
最優秀助演女優賞:安藤サクラ『ある男』
最優秀脚本賞:向井康介『ある男』
最優秀外国作品賞:『トップガン マーヴェリック』

新人俳優賞:小野花梨(『ハケンアニメ!』)/菊池日菜子(『月の満ち欠け』)/福本莉子(『今夜、世界からこの恋が消えても』)/生見愛瑠(『モエカレはオレンジ色』)/有岡大貴(『シン・ウルトラマン』)/番家一路(『サバカン SABAKAN』)/松村北斗(『ホリック xxxHOLiC』)/目黒蓮(『月の満ち欠け』)


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