映画『ドライブ・マイ・カー』初日舞台あいさつが20日、東京都内で行われ、出演者の西島秀俊、岡田将生と濱口竜介監督が登壇した。
本作は、村上春樹氏の短編小説集『女のいない男たち』に収録された短編を映画化。西島は愛する妻を突然失った演出家の家福を、岡田は物語のキーパーソンとなる俳優の高槻を演じた。
西島は「本当にうれしいです。撮影中は、みんなで1日丸々集中し続けて撮った作品なので、こうして皆さんに見ていただけて感無量です」とあいさつした。
演出家を演じるに当たっては、「実際に幾つかの劇団にお邪魔して、演出家の方の話を聞き、参考にしました」と明かし、「濱口監督には『本気で演出をしてくれ』と言われたので、僕自身、『いい演技とは何か』と考えながら、(劇中の役者が)演技をする姿を見ていました」と役作りについて語った。
そんな西島について、岡田は「どこか演出家として見ている部分があった」といい、「撮影で『カット』の声が掛かると、まず監督がどういう顔をしているのかチェックするのですが、その次は必ず西島さんをチラっと見て『僕の今の芝居は大丈夫だったかな?』と確認していました」と笑わせた。
また、初共演となった岡田の印象を聞かれた西島は「本当に純粋な人。こんなに大人がいっぱいいる世界で、こんな純粋な人がいて大丈夫なのか…と思うぐらい」とコメント。これを聞いた岡田は「僕もう32です。10代とか20代じゃないです」と苦笑した。
それでも西島は「心配になるよ。もちろん十分大人でタフな男性なんですが、どこか繊細でもろい部分を常に感じて。そこはずっと持ちながら、外側を強くして、両方持っていてもらえると、一ファンとしてはすごく幸せかな」と語った。