エンターテインメント・ウェブマガジン
NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」で、主人公の文(ふみ=井上真央)や兄の吉田松陰(伊勢谷友介)の母、杉滝を演じている檀ふみ。そのおおらかさで妻として母として杉家を明るく切り盛りし、子どもたちを朗らかに育て上げた。和のセンスとグローバルなインテリジェンスを併せ持つ檀が、幕末の動乱を優しく見守った母の愛を語る。
約20年前のNHKのドラマ「藏」で井上真央さんと共演(井上は主人公の子ども時代役)しまして、真央さんが連続テレビ小説の「おひさま」で主演された時にお手紙を頂いたんです。私は覚えていないのですが、「藏」の時に真央さんから、大学に行くべきか相談されて「行った方がいい。女優はばかじゃできないのよ」って言ったらしくて(笑)。「結局、とても大変だったけど、歯を食いしばって大学を卒業しました」とお手紙にありました。真央さんとご一緒できるというのがお受けたし理由の一つです。もう一つは、吉田松陰の母役ということ。松陰にはとても興味があって、これは良いご縁を頂いたのではと思いました。
小さくてかわいくて、とても頑張り屋さん。賢い少女でした。
息子にあかぎれができていると「あかぎれは恋しき人の形見かな 文みるたびに会いたくもある」という狂歌を詠んだというエピソードが残っています。「踏むたびに、あっ、痛い(会いたい)』と掛けてあるんですね。そんな素晴らしいユーモアのあるお母さんです。松陰の明るさや人を信じるところは、お母さんから受け継いだのかもしれません。
事前にスタッフが教えてくださったキャラクターによると、滝は包丁を研ぐのが好きなんですって。私もそうなので、なんで知ってるのってびっくりしました。それに、美白に熱心だそうです。「料理が好き、でも味はいまいち」ということのようです。
松陰の肖像画を見ると、若くして亡くなったのに、老けて見えますが、深く見ていると、伊勢谷さんに似ているかもしれないと思えてきます。松陰がよく言う「狂う」の部分をいい意味で伊勢谷さんは宿しているのではと思いました。
三男の敏くんは話せない役なので杉家だけで作った手話で話すんです。少年時代を演じている男の子たちが(わんぱく盛りなのに)ずっと黙って演じてくれているのがかわいいです。長男の梅太郎と妻の亀さんとの掛け合いはこの家族の明るさのもとだと思いますね。ほんわかしていて、杉家をくつろがせてくれる役どころです。
振り回されるというよりは信じているのではと思いますし、ただただ松陰を愛している。悲劇の一家のようにも見えますが、悲劇を悲劇にしない一家だったのではないでしょうか。
ドラマ2025年12月1日
WOWOWで毎週(日)午後10時より放送・配信中の「連続ドラマW シャドウワーク」は、佐野広実の同名小説を原作にしたヒューマンミステリー。 主婦の紀子は、長年にわたる夫の暴力によって自己喪失し、すべて自分が悪いと考えるようになっていた。 … 続きを読む
ドラマ2025年12月1日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。これまで、いくどとなく視聴者を驚かせてきたが、第4 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年11月30日
今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む
映画2025年11月29日
『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』(12月5日公開) 太平洋戦争末期の昭和19年。21歳の日本兵・田丸均(声:板垣李光人)は、南国の美しい島・パラオのペリリュー島にいた。漫画家志望の田丸はその才能を買われ、亡くなった仲間の最期の雄姿を遺族 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年11月29日
氷川きよしが座長を務める「氷川きよし特別公演」が2026年1月31日に明治座で開幕する。本作は、氷川のヒット曲「白雲の城」をモチーフにした芝居と、劇場ならではの特別構成でお届けするコンサートの豪華2本立てで贈る公演。2022年の座長公演で … 続きを読む