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ベストセラー小説『銀河英雄伝説』の新・舞台シリーズ、舞台「銀河英雄伝説 Die Neue These」が10月25日に開幕する。宇宙空間に人類が進出した数千年後の未来を舞台に、銀河帝国と自由惑星同盟による対立、戦争、そして歴史を描いた本作は、これまでもシリーズ11作品が上演されており、松坂桃李や間宮祥太朗、田中圭など、そうそうたるメンバーが出演してきた。新シリーズでは、キャストを一新し、これまでとは違う新たな作品を作り上げる。銀河帝国のラインハルト・フォン・ミューゼル役の永田聖一朗とジークフリード・キルヒアイス役の加藤将、自由惑星同盟のヤン・ウェンリー役の小早川俊輔とジャン・ロベール・ラップ役の碕理人に、新シリーズへの思いを聞いた。
碕 先輩方が作り上げてきたものを新たに作るということにプレッシャーは感じていますが、あまりそこに捉われず、僕らの「銀河英雄伝説」を作れたらいいなと思って稽古に挑んでいます。
永田 歴史のある作品なので、出演が決まったときは、僕もプレッシャーはありました。でも、自分たちならではの、新たな作品を作っていけたらと思っています。
加藤 僕はお話を聞いて、自分の演じるキルヒアイスについてとにかく調べまくりました。きっと、このメンバーでしか作れない「銀河英雄伝説」があると思うので、それを作っていきたいと思っています。
小早川 前シリーズを生で見させていただき、世界に飲み込まれていくような衝撃を受けたので、そんな素晴らしい作品に携われることに幸せを感じています。今までの作品の核となる部分は大切にし、世界観を守りながらも新しい作品を作れればと思います。
永田 僕は、キルヒアイスとの関係性に焦点を当てています。ラインハルトは、ほかの人といるときとキルヒアイスといるときとでは顔つきも違うと思うので、その関係性の違いを丁寧に見せたいと思って、稽古場でも将さんとずっと一緒にいるんですが…い過ぎるのもよくないと、(演出の)大岩(美智子)さんから指摘されて、その加減が難しいです(苦笑)。
加藤 僕と聖一朗は以前も共演していて、もともと、仲がいいんです。大岩さんから、稽古が始まる前に、僕たちの武器はすでに出来上がっている関係性だと言われたんですが、そのときはピンときていませんでした。でも、稽古を重ねていくうちに、その言葉の意味が分かるようになり、それを実感できるようになりました。もちろん、役作りという面では、それ以外の部分でも苦労していることも多いんですが、この武器は大事にしていきたいなと思います。
小早川 僕も関係性はすごく大事だと思います。僕が演じるヤンという役は、たくさんの人と関わる人物なので、それぞれの人物との関係性はどうなんだろうと考えてしまうとなかなか難しくて…。じゃあ、戦時下で同盟軍が帝国軍と戦っているという、もっと広いくくりで考えるとどうだろうという感じで、自分にとってヒントになることを、毎日毎日稽古で探していく作業をしています。
碕 僕は、原作の小説やアニメを見た方、それぞれにジャンの理想像があると思うので、あまり惑わされず、一番の原作ファンの大岩さんの意見、演出を信じて、自分なりの役を突き進んでいけたらと思っています。それから、お客さんの印象に残るジャンでありたいなというのは意識しています。
永田 全く色が違うので、同じ作品とは思えないほど違います。帝国の良さは様式美にあると思います。その中で掛け合いや言葉遊びがあり、一言一言が美しくて面白い。同盟はどうですか?
碕 同盟のキャストには関西人が多いということもあって、みんな自由で明るい人が多いです。それが軍の色にもなっていると思いますが…。でも、明るさもしゃべりも将には勝てない(笑)。将を見ていると天然記念物を見ているような気分になるほどなんですよ。将が様式美を大切にする帝国にいるのは間違いなんじゃないかって思う(笑)。
加藤 いやいや! 帝国は同盟よりも人数が少ないので、その少ない人数を補うのが僕の役目ですから! だから僕は帝国なんです!
小早川 でも、本当に両軍、全然違うよね。帝国の稽古を見ていると別の作品なのかなって思うことがある。
碕 うん、全然違う。でも、だからこそ、お客さんも見ていて楽しいと思います。