綾野剛、初の密着ドキュメント 映画監督・中野裕之が撮った素顔

2012年11月22日 / 21:58

 11月27日、28日の2夜連続放送されるドキュメンタリー番組「裸にしたい男」(BSプレミアム/後11.15~深0.00)で、今年大ブレークを果たした俳優・綾野剛に、映像作家で映画監督の中野裕之が密着。115日に及ぶ撮影を経験した綾野に感想、俳優としての思いなどを聞いた。

――初めて密着撮影された感想は?

綾野 予期せぬ、全く想像できない自分が映っているのは怖いなと思いました。役が入っていない自分を見ることはないですから。役者という職業は、結果がすべてという環境で評価されるわけで、プロセスが見られないものだと思うんです。それを見せるのは、どこか踏み絵みたいな部分があります。プロセスを客観的に見てしまうことで、自分が演じる上で大事にしているものが壊れてしまうのでは、という怖さもありました。でも中野さんが撮影するということなら役者として面白いなと思い、「やりましょう」と言ってしまった感じです。

――客観視したご自身はどう映りましたか?

綾野 高が知れてるな、もっとこうできたのかな…と。カメラが回っている以上、撮られている意識がどこかにあって、それを超えたいと思っていたんです。そんな中で自分の見たことがない顔があったので、その瞬間はドキュメンタリーだと思いました。バンド仲間と再会した時の映像は、素で感動するってこういうことなんだと。涙は出ないけど頭が熱くてかゆくなる感じ。ユリイカじゃないですけど「我発見セリ」って。

――映像の中でいろいろインタビューされて、気付いたことは?

綾野 状況や役によって、密着されていることが苦しいこともありました。カメラの前に立つと消耗するんです。芝居しないところまで役に入っている状態で質問されると、言葉で表現することにかなり努力が必要で苦痛なときもあった。でも監督が現場に来て、すごく自然に話していて、カメラが回ってる感じが全くしない瞬間もあったんです。いつ撮られたんだろうって。それは本当に信頼している人だからこそだなと。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(8)百年ぶりの復活へ 四代目が掲げた三つの大願

舞台・ミュージカル2025年12月4日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。    2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む

多部未華子「学びの多い現場でした」DV被害者役に挑んだヒューマンミステリー「連続ドラマW シャドウワーク」【インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 WOWOWで毎週(日)午後10時より放送・配信中の「連続ドラマW シャドウワーク」は、佐野広実の同名小説を原作にしたヒューマンミステリー。  主婦の紀子は、長年にわたる夫の暴力によって自己喪失し、すべて自分が悪いと考えるようになっていた。 … 続きを読む

森下佳子「写楽複数人説は、最初から決めていました」脚本家が明かす制作秘話【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。これまで、いくどとなく視聴者を驚かせてきたが、第4 … 続きを読む

富田望生「とにかく第一に愛を忘れないこと」 村上春樹の人気小説が世界初の舞台化【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月30日

 今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む

【映画コラム】実話を基に映画化した2作『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』『栄光のバックホーム』

映画2025年11月29日

『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』(12月5日公開)  太平洋戦争末期の昭和19年。21歳の日本兵・田丸均(声:板垣李光人)は、南国の美しい島・パラオのペリリュー島にいた。漫画家志望の田丸はその才能を買われ、亡くなった仲間の最期の雄姿を遺族 … 続きを読む

Willfriends

page top