【映画コラム】夏の日の少年たちが頑張る映画『ベスト・キッド:レジェンズ』『蔵のある街』『海辺へ行く道』

2025年9月1日 / 08:00

『ベスト・キッド:レジェンズ』(8月29日公開)

『ベスト・キッド:レジェンズ』

 北京でミスター・ハン(ジャッキー・チェン)からカンフーの指導を受けていた高校生のリー(ベン・ウォン)は、暴漢に兄を殺され母と共にニューヨークに移住する。

 だがリーは、周囲やクラスメイトとなじめず、不当ないじめや争いごとなど、さまざまなトラブルに巻き込まれてしまう。

そんな中、ガールフレンドとなったミア(セイディ・スタンリー)の父(ジョシュア・ジャクソン)から助けを求められたリーは戦うことを決意するが、彼のカンフーのスキルはまだ十分ではなかった。

 リーを心配し渡米したハンは空手の達人ダニエル(ラルフ・マッチオ)をのもとを訪ね、リーへの助けを求める。ダニエルから空手を学んだリーは、空手とカンフーという2つの異なる格闘スタイルを武器に武術大会に挑む。

 1作目の『ベスト・キッド』(84)の大ヒットを受けて、続編やリメーク、スピンオフドラマも作られたシリーズの通算6作目。オリジナル版で主人公のダニエルを演じたマッチオと、リメーク版の『ベスト・キッド』(10)でカンフーの師匠を演じたジャッキーが共演を果たした。監督はテレビシリーズで知られるジョナサン・エントウィッスル。

 オリジナルとリメーク版につながりがあったという設定には少々無理があり、話の内容も薄いが、マッチオとジャッキーの共演に免じてこの際固いことをいうのはよそう。

 約90分の中に、カンフーとカラテをミックスさせた面白さがあり、ダニエルの師匠であるミヤギ(ノリユキ・パット・モリタ)に最大の敬意を払っているところもうれしいからだ。

 主役のリーを演じた中国系アメリカ人のベン・ウォンは、世界規模のオーディションを勝ち抜いて選ばれた。武道経験はあったものの、本格的な格闘アクションは初挑戦で、大変なトレーニングを積んで臨んだという。2人のレジェンドに挟まれながら、堂々とアクションを披露し、主役を張ったことに対してあっぱれと言いたい。

 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

多部未華子「学びの多い現場でした」DV被害者役に挑んだヒューマンミステリー「連続ドラマW シャドウワーク」【インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 WOWOWで毎週(日)午後10時より放送・配信中の「連続ドラマW シャドウワーク」は、佐野広実の同名小説を原作にしたヒューマンミステリー。  主婦の紀子は、長年にわたる夫の暴力によって自己喪失し、すべて自分が悪いと考えるようになっていた。 … 続きを読む

森下佳子「写楽複数人説は、最初から決めていました」脚本家が明かす制作秘話【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。これまで、いくどとなく視聴者を驚かせてきたが、第4 … 続きを読む

富田望生「とにかく第一に愛を忘れないこと」 村上春樹の人気小説が世界初の舞台化【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月30日

 今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む

【映画コラム】実話を基に映画化した2作『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』『栄光のバックホーム』

映画2025年11月29日

『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』(12月5日公開)  太平洋戦争末期の昭和19年。21歳の日本兵・田丸均(声:板垣李光人)は、南国の美しい島・パラオのペリリュー島にいた。漫画家志望の田丸はその才能を買われ、亡くなった仲間の最期の雄姿を遺族 … 続きを読む

氷川きよし、復帰後初の座長公演に挑む「どの世代の方が見ても『そうだよね』と思っていただけるような舞台を作っていきたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月29日

 氷川きよしが座長を務める「氷川きよし特別公演」が2026年1月31日に明治座で開幕する。本作は、氷川のヒット曲「白雲の城」をモチーフにした芝居と、劇場ならではの特別構成でお届けするコンサートの豪華2本立てで贈る公演。2022年の座長公演で … 続きを読む

Willfriends

page top