河合優実「少しでも戦争について考えるきっかけになれば」戦争で大切な人を失った蘭子役への思い 連続テレビ小説「あんぱん」【インタビュー】

2025年5月21日 / 08:15

(C)NHK

-河合さんご自身もこれまで、りりしい孤高の人物を演じる印象が強く、蘭子のように温かな家族に囲まれている役は、見ていて新鮮に感じます。演じる上で、今までと違いはありますか。

 お芝居についての基本的な考えは変わりません。さまざまなシーンがある中で、のぶや豪ちゃんなど、それぞれの人物に対する気持ちが一本につながるように心がけています。ただ、家族の一員ということで、食事の席などみんなが集まるシーンが多く、そういうところで言葉に頼らない表現が重なっていくのは、初めての経験です。だから、少しずつ紡いでいきながら、半年間を通して蘭子を表現できればと考えています。

-蘭子の鮮やかな青い着物も印象的ですが、衣装に対する思いをお聞かせください。

 一貫して青い衣装を着ているおかげで、長期間にわたるドラマの中でキャラクターのイメージとして定着していく点がすてきです。しかも、時代が進むと着物からモンペ、スカートと変わっていくので、それを体感できることも、何十年ものスパンでお芝居をする上で大きな助けになっています。

-着物の所作などのご苦労はありましたか。

 映像で自分の姿を見て、現代人の体の使い方だと感じることも多いのですが、裾の整え方や袖のさばき方をはじめ、着物を着ることで自然に出るしぐさや姿勢があり、着物の力の大きさを実感しています。今までも着物でお芝居をした経験はありますが、今回は食事をしたり、立ったり、座ったりという日常生活のシーンが多く、最初のうちは着物で生活感を出すことに苦労しました。初めての経験ばかりでしたが、とても勉強になりました。

-のぶ役の今田さんの印象について教えてください。

 「あんぱん」の現場が柔らかく、楽しい雰囲気なのは、今田さんのおかげです。今田さんは、私には想像もつかないほどご苦労されているはずですが、そういうところは一切見せず、現場では毎日、無理なく自然に、楽しそうに過ごされているんです。そういう気分は間違いなくスタッフ、キャストの皆さんに伝わるので、とてもポジティブな影響を与えてくださっています。素晴らしい座長とご一緒させていただき、本当にありがたく思っています。

-それでは最後に、今後の蘭子役への意気込みをお聞かせください。

 蘭子は気持ちを言葉に表すタイプではありませんが、強い信念を内に秘め、今後は反戦の思いを貫き、皆さんが意外に思うほど人とぶつかり合う場面も出てきます。私自身にとっても、1人の人物を長く演じることは朝ドラならではの貴重な機会なので、大きなハードルであると同時に、将来の糧になる経験でもあると思っています。これから、年齢を重ねた蘭子を探していけることが楽しみです。

(取材・文/井上健一)

(C)NHK

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