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かなり大きな挑戦でした(笑)。まさか出演させていただけると思っていませんでしたので驚きました。「スリル・ミー」は、100分の2人芝居で、ずっと舞台に立ち続けるという作品ですが、僕はストレートプレイでもそうした作品に挑戦したことがないですし、なおかつそこに歌が入るとまたエネルギーの使い方も変わる。自分の中では衝撃でした。今、改めて作品を見返すと、自分の声帯が時間をかけて育てられることができ、それが体に生きついていることを実感できます。今回は、伝えるべきワードがどのような音楽になるのかはまだ分かりませんが、ミュージカル3本目ということを感じさせないような出来であるべきだし、しようとは思っています。
挑戦はし続けたいと思っています。コロナ禍で仕事が止まったときに、オンラインサロンと洋服のブランドを作らせていただいたんです。その自分の洋服のブランドをドラマでリースすることができ、クレジットが出たときに、相乗効果をすごく感じたんですよ。自分がもう少し可能性を広げることによって、世界が大きく広がり、効果も大きくなるのかもしれないと感じたんです。それから、20代のうちは、いろいろな経験をしたいという思いもあったので、30代に向けての準備という意味でも、臆することなく、何事にも挑戦していたというのもありました。
挑戦をするということに関しては変わっていないですが、30代になって、自分のまいた種にどれだけ花を咲かせられるかという作業をしているような感覚はあります。
NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」だと思います。20代前半に夢の一つとして「朝ドラ出演」を掲げていたので、それが30歳のときにかない、大きく自分のステージが変わったような感覚がありました。見てくださる方の層も幅広くなったように思います。
より意識が高まりましたが、それ以上に、僕は仕事をさせていただける喜びが大きくて。「俳優でご飯を食べていきたい」を1番の目標として掲げているので、仕事をさせていただけることが僕の中で生きがいです。皆さんへの感謝の気持ちが大きいので、自分にできることがあれば、例えそれがプライベートの時間を割くことになってもやらせていただきたいという思いです。
家族かなと思います。やっぱり家族は自分を作っている大きなものだと思うので。家族がいなければ、自分は今、こうした性格でもないと思うし、家族に支えられて生きていると思います。自分の中で大切にしていることという意味では、「感謝」です。俳優は、いろいろな方々が準備をした上で、参加させていただくことが多いので、周りの方に感謝して生きていきたいと思っています。
自分のことにふたをして生きていくことは、社会に生きる上では必要なことだと思いますが、やるべきことをやっていれば、そこにもし不条理なことがあったとしても、幸せを感じられる瞬間があると思うんです。この作品を見て、自分をもう一回、愛してあげることができるのではないかなと思います。短い言葉で余白を持たせているけれども、温かさがあるせりふで溢れています。きっと多くの人の胸に届く作品になると思います。
(取材・文・写真/嶋田真己)
ミュージカル「ミセン」は、2025年2月6日~11日に都内・めぐろパーシモンホール 大ホールほか大阪、愛知で上演。
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