エンターテインメント・ウェブマガジン
「決めないこと」ですね。例えば、ここで「僕のコミュニケーションはこれです」と言ってしまったら、その時点で霧のように消えていってしまうように思います。僕は、人によってコミュニケーションの仕方を変えますし、「その時々で違う」というのが僕の矜持(きょうじ)です。「あの人は誰に対しても態度を変えない」というのが美徳とされている世の中ですが、僕はそれが分からなくて。人によって態度を変えないとコミュニケーションは成り立たないのではないかと思います。
人と話すことはすごく好きなので、話しかけると思います。ただ、僕がたくさん話すのは最初のコミュニケーションのときで、仲良くなって安心すると、それほど多く話さないかもしれません。そんな自己分析をしています。
仕事を始めたくらいの年齢ですね。すごく斜に構えていました(笑)。どこか大人の社会を垣間見るのが好きな少年だったように思います。職員室もすごく好きでした。先生方も家に帰れば教師ではなくなるというのが面白いなと。僕の目の前では、教師という役柄を持っているけれども、きっとこの人も別の場所に行ったら全然違う顔を見せるんだろうなと、そんな目で先生のことを見てしまう少年でした。
どうなんでしょうか。言葉遊びになってしまいますが、“違う”ということではなく、“ある種同じである種違う”という言い方が正しいのかなと思います。
お客さまが感じることは千差万別だと思いますが、「すごく小さな幸せを大事にしたい」という感想を持つ方がいらっしゃればいいなと思います。例えば、花がきれいだったとか。今、言いながら、僕自身もあまりそういうことを敏感に感じられていないと思いましたが、そうした小さな幸せをかき集めるしかないと思います。僕は最初にこの台本を読んで、このお芝居を見たらどんなことを感じるのか想像した時、「自分の中にモンスターがいるのは仕方ない。でも、それをモンスター化させるのか、ペット的な存在でいてくれるのかという分かれ道は、光が当たる要素を蓄えられるかどうかだと思う」と感じました。光と闇のバランスが崩れていかないようにするためにも、“光のストック”をしておきたいし、しないといけない。光は自分で意志を持ってストックしないとたまらないものなので、意識してためたい。僕はそうした感想を持ちましたが、皆さまにそう思っていただきたいということではないので、皆さまがどんな感想を持たれるのか楽しみにしています。
(取材・文・写真/嶋田真己)
舞台「モンスター」は、12月18日~28日に都内・新国立劇場 小劇場ほか、大阪、水戸、福岡で上演。
ドラマ2025年4月4日
-なるほど。 でも、同一性というのは非常に厄介で、これは本当に同じ人なのかという疑問を持つわけです。本当は同一人物じゃないけど、それをメタファーとして見せているだけなのかもしれないし、もっと高尚に考えれば、その存在自体が本当にいるのかどう … 続きを読む
映画2025年4月4日
『アンジェントルメン』(4月4日公開) 第2次世界大戦下、イギリスはナチスの猛攻により窮地に追い込まれていた。特殊作戦執行部に呼び出されたガス少佐(ヘンリー・カビル)は、ガビンズ“M”少将とその部下のイアン・フレミングから、「英国軍にもナ … 続きを読む
映画2025年4月3日
-松本動監督の演出について、また寺尾聰さんら共演者の印象をお願いします。 松本監督とは初めてでしたが、私の問い掛けにも親切に細かく答えてくれました。とにかく自由にやらせてもらいました。寺尾聰さんは、昭和49年のドラマ「天下のおやじ」で寺尾 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年4月2日
-ところで、門脇さんは映像作品でもご活躍されていますが、舞台に立たれることに対してはどのような思いがありますか。 気持ちの面では変わらないですが、舞台はカメラが寄ってくれるわけではないので、声や体の所作で伝えなければいけないと思います。映 … 続きを読む
ドラマ2025年4月1日
-高知県の「やなせたかし記念館 アンパンマンミュージアム」も訪問されたそうですね、 「アンパンマンミュージアム」には二度伺いました。どちらの日も親子連れでいっぱいで、改めて『アンパンマン』という作品が幅広い世代に愛されていることを知り、「 … 続きを読む