風間俊介「僕は自分の黒いところも好き」 タブーに挑んだ衝撃作「モンスター」で見せる光と闇【インタビュー】

2024年10月29日 / 08:00

 風間俊介が主演する舞台「モンスター」が11月30日から上演される。本作は、英国を代表する劇作家のひとり、ダンカン・マクミランがタブーに挑んだ衝撃作で、日本初演。家族から十分な愛情を受けられず社会に問題児として扱われる生徒と、かつての華やかな職場から逃れ、自分自身も深い問題を抱える新人教師との対峙(たいじ)を軸に、大人の子育てと責任、未成年の反社会的な行動といった教育・家族関係を鋭く表現した物語だ。風間に本作への意気込みや役作りについてなどを聞いた。

風間俊介 (ヘアメーク:清家いずみ/スタイリスト:手塚陽介) (C)エンタメOVO

-最初に本作のお話を聞いたときの印象を教えてください。

 まずはこの「モンスター」というタイトルに引かれました。「モンスター」というタイトルの作品はこれまでもたくさんありましたが、作家さんやその作品ごとに、何をもってモンスターを描くのかが違い、とても個性があると思います。今回のお話では、分かりやすい脅威ではなく、どこか潜在的なモンスターが描かれるのではないかという期待をもってお話を受けさせていただきました。なので、初めて台本を読んだときは、僕が思い描いていたものであっていたのだなと感じました。自分たちの日常と表裏一体の怖さがそこにはあり、“モンスター”という言葉が他者ではなく自分に向かっているような、そんなすてきな作品だと思います。それと同時に、これは役者としてはとても高い山を登らなくてはいけないなと感じ、今、恐れおののいています(笑)。

-風間さんが演じる教師のトムという役柄については、どう捉えていますか。

 一言で言ってしまえば、トムもまた“モンスター”だと思います。物語が始まったときは、トムのことをモンスターだと感じないと思いますが、トムは、狂気は全て人の中にあって、脅威は身近にあるということを問いかけるキャラクターになっていきます。物語的には、(問題児として扱われる生徒の)ダリルが俗にいう“モンスター”と呼ばれる存在ですが、この作品では全員が“モンスター”なのだと僕は感じていますし、そこが面白さでもあると思います。そう考えると、もしかしたら今、僕や皆さんの周りにいる人たちもモンスターなのかもしれない。一周回って狂気に寄り添えるのではないかと感じる作品だと思います。

-もし、風間さんがトムという立場で、ダリルと対峙するとしたら、どんな言葉をかけますか。

 言葉ではないですが、(トムが持っている)ドライさとウェットのバランスを少しだけ変えて、ウェット寄りにします。カウンセラーや心理学を学んだ立場からみると、しっかりとした距離感と、ドライさを持ちながら対峙しないと彼からの信頼は得られないと考えるのだと思います。なので、その距離感は大事ですが、もし僕だったら、もう少しウェットとドライのバランスを変えるだろうなと思って読んでいました。

-誰にでも光と闇はあると思いますが、風間さんは自分の中の闇をどのように受け止めて、どう対処しているのですか。

 僕は自分の黒いところも好きなんです。僕の役者としての系譜を振り返ってみると、若かりし頃はダークサイドを描いた役をたくさん演じ、30代になってからは、光が当たっているキャラクターを多く演じさせていただきました。どちらの役もやらせていただいたことで、良い人と呼ばれる役を演じるときに、この人の闇はどこにあるんだろうと探すようになったんです。逆にダークサイドを描いた役を演じるときは、この人の光はどこにあるんだろうと考えます。なので、僕自身も自分の中のダークサイドは大切にしてあげたいと思っています。どうしてもこうしてお話をさせていただくときや人前に立たせていただくときは、きちんとした発言をしようと思い、光が当たっている面をお見せしていると思いますが、色濃く闇を持っている人間なので、それを垣間見ていただけるのが演劇やドラマ、映画です。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

西畑大吾「役をどう演じたらいいかすごく考えた」 ドラマ「マトリと狂犬」【インタビュー】

ドラマ2026年1月8日

 西畑大吾主演のドラマ「マトリと狂犬」(MBS・TBSドラマイズム枠/毎週火曜深夜)が1月20日にスタートする。本作は、「ヤングチャンピオン」(秋田書店)で2020年から連載されている同名漫画のドラマ版。  麻薬取締捜査官・黒崎、刑事・葛城 … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第1回「二匹の猿」豊臣秀長、秀吉、織田信長 新味を感じさせる主要人物の初登場【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年1月8日

 1月4日から放送スタートしたNHKの大河ドラマ「豊臣兄弟!」。大河ドラマで人気の戦国時代を舞台に、豊臣秀吉の弟・豊臣秀長(若い頃の名は小一郎)を主人公にした物語ということで、どのような幕開けになるのか、興味深く第1回を見守った。小一郎役の … 続きを読む

奈緒、感動巨篇「大地の子」の舞台化に挑む 30代を迎え「すごく楽しい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年1月7日

 山崎豊子による小説を原作に、戦災孤児となった男性の波乱万丈の半生を描いた「大地の子」が舞台化される。主人公の陸一心(勝男)を演じるのは、井上芳雄。勝男の妹の張玉花を奈緒、勝男の妻となる江月梅を上白石萌歌が演じる。物語の舞台は、第二次世界大 … 続きを読む

中村雅俊「ちょっと同窓会に顔を出すようなつもりで今の3人の姿も見てほしいなと思います」『五十年目の俺たちの旅』【インタビュー】

映画2026年1月7日

 1975年に連続ドラマとして放送された「俺たちの旅」。その後も主人公たちの人生の節目ごとにスペシャルドラマが制作されてきた同シリーズの20年ぶりとなる続編『五十年目の俺たちの旅』が1月9日から全国公開される。70代を迎えたカースケこと津村 … 続きを読む

松下奈緒「家族とは無償の愛、力がある存在」 “夫の遺体の取り違え”から始まる衝撃作 「夫に間違いありません」【インタビュー】

ドラマ2026年1月5日

 松下奈緒が主演するドラマ「夫に間違いありません」(カンテレ・フジテレビ系)が、1月5日から放送がスタート(毎週月曜よる10時放送)。本作は、主人公・朝比聖子が夫の遺体を誤認し、保険金を受け取った後に死んだはずの夫が帰還するところから始まる … 続きを読む

Willfriends

page top