岸井ゆきの「キノコの話が衝撃的でした」科学ミステリーで天才科学者を好演「パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~」Season3【インタビュー】

2024年8月28日 / 08:00

(C)中村啓・光文社/HJ ホールディングス

-ディーン・フジオカさん演じる“コッヒー”こと小比類巻と最上の名バディも本作の大きな魅力ですが、印象はいかがですか。

 ディーンさんとは以前も共演した経験があるので、Season1のときから自然に最上とコッヒーに入っていけた気がします。お話ししていると、ディーンさん自身もとても面白い方ですし、いいバディになっていると思います。

-そのバディ感はどんなところから生まれているのでしょうか。

 それぞれ異なるフィールドでも活躍する人たちが集まっているので、その個性がチームの「デコボコ感」としてうまく作品に反映されている気がします。突っ走る最上を抑えるのがコッヒーの役割ですが、そういう2人のバランスが崩れないように、羽住監督がうまく調整してくださいますし。今回も、2人が並んだシーンが格好よくて、改めていいバディだなと、うれしくなりました

-Season3の撮影で苦労したことは?

 今回は、(物語の後半で)キノコが事件にかかわってきますが、それを説明するのが大変でした。しかも、現場で私のせりふがさらに増えてしまって。台本ではモノローグの予定だったのですが、言葉だけでは難しいということで、図解で説明する方法に変更されたんです。

(C)中村啓・光文社/HJ ホールディングス

-そのかいあって、とても分かりやすい説明だと思いました。

 よかったです。でも、毎日食べているキノコがどうやって育つのか、まだメカニズムが解明されてないという話は衝撃的でした。思わず友人にも、キノコ博士になったつもりで「ねえ、知ってる? 今食べてるキノコって実は…」と自慢してしまいました。そうすると「でも、スーパーに売ってるよね?」と、作中のオッキー(=奥田玲音/吉本実憂)のような言葉がリアルに返ってくるんです。それが面白くて。人に話すことで、慣れない言葉がなじんでくるので一石二鳥です。

-最上のようなせりふの多い役は、俳優としてはいかがでしょうか。

 難しい専門用語が多くて大変ですが、その度に勉強になることも多いです。台本をいただくたびに頭を抱えていますが、最終的にきちんと言葉が出てくるようになると、自分の成長を実感できるのも楽しくて。こういう科学を扱ったものは、「てにをは」が変わるだけで意味が大きく変わってしまうので、せりふのしゃべり方も普段より気を付けています。

-最後に、岸井さんが考えるSeason3の注目シーンを教えてください。

 オッキーとコッヒーの柔道場での稽古シーンは、光の当たり方が美しく、格好よく仕上がっています。最上にはないシーンなので、私もお気に入りです。また、眠っているときの最上の寝相にも注目してみてください。実は、手の位置や角度などに羽住監督がものすごくこだわり、ある有名な映画のパロディーになっているんです。ぜひ元ネタを当ててみてください!

(取材・文・写真/井上健一)

(C)中村啓・光文社/HJ ホールディングス

Season3、Huluで全話独占配信中。

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

南沙良「人間関係に悩む人たちに寄り添えたら」井樫彩監督「南さんは陽彩役にぴったり」期待の新鋭2人が挑んだ鮮烈な青春映画『愛されなくても別に』【インタビュー】

映画2025年7月4日

-陽彩はいわゆる“毒親”の母と2人で暮らすうち、自分の人生に期待を持てなくなってしまった人物です。そういう役と向き合うお気持ちはいかがでしたか。 南 陽彩にとって、親や家族は、居場所であると同時に、自分を縛る呪いのようなものでもあったと思う … 続きを読む

紅ゆずる、歌舞伎町の女王役に意欲「女王としてのたたずまいや圧倒的な存在感を作っていけたら」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年7月4日

 2019年に宝塚歌劇団を退団して以降、今も多方面で活躍を続ける紅ゆずる。7月13日から開幕する、ふぉ~ゆ~ meets 梅棒「Only 1,NOT No.1」では初めて全編ノン・バーバル(せりふなし)の作品に挑戦する。  物語の舞台は歌舞 … 続きを読む

【Kカルチャーの視点】異領域を融合する舞台芸術、演出家イ・インボの挑戦

舞台・ミュージカル2025年7月3日

▽長い時を刻む、大衆文化とは異なる魅力 -Kカルチャーが世界で注目される今、今回のような舞台表現はKカルチャーの中にどう位置づけられると思いますか?  K-POPや映画などの大衆文化も素晴らしいですが、伝統芸術はそれよりもはるか以前から続い … 続きを読む

毎熊克哉「桐島が最後に何で名乗ったのかも観客の皆さんが自由に想像してくれるんじゃないかと思いました」『「桐島です」』【インタビュー】 

映画2025年7月3日

-実際に演じてみて感じたことや、演じる上で心掛けたことや気を付けたことはありましたか。  自分が桐島を演じる上で一番重要だと思ったのは、(偽名の)「ウチダヒロシ」として、1人の部屋で朝を迎えて、窓を開けてコーヒーを飲んでというシーンでした。 … 続きを読む

磯村勇斗&堀田真由、ともにデビュー10年を迎え「挑戦の年になる」 ドラマ「僕達はまだその星の校則を知らない」【インタビュー】

ドラマ2025年7月2日

 磯村勇斗主演、堀田真由、稲垣吾郎が出演するカンテレ・フジテレビ系“月10ドラマ”「僕達はまだその星の校則を知らない」が7月14日から放送スタートする。本作は、独特の感性を持つがゆえに何事にも臆病で不器用な主人公・白鳥健治(磯村勇斗)が、少 … 続きを読む

Willfriends

page top