「この映画を見て、自分の感情を違った視点から見られるようになってもらえたらうれしいです」ケルシー・マン監督、マーク・ニールセンプロデューサー『インサイド・ヘッド2』【インタビュー】

2024年7月31日 / 08:00

-今回来日するに当たって楽しみにしていたことはありますか。また、日本のアニメや日本関連のものでお気に入りのものがあれば教えてください。

ニールセン 今回が3度目の来日ですが、私は日本が大好きです。最初は、5年前に『トイ・ストーリー4』(19)の時に来ましたが、その時に日本と恋に落ちました。美しい街並みがあるし、歴史もある。本当に探るべきところがたくさんある素晴らしい国だと思います。また、スタジオジブリのものが大好きで、ピクサーとジブリは、長い間とてもいい関係を持っています。宮崎駿さんが何度かピクサーに来てくださって、お話をする機会もありました。ジブリの映画は必ず見に行くし、私が大好きなアニメです。

マン 私が初めて来日したのは、『モンスターズ・ユニバーシティ』(13)の時でした。今回もそうですが、宣伝ツアーの最後が日本でした。それが素晴らしいのは、滞在を伸ばせること。なので、今回は家族全員を連れてきました。東京と大阪と京都に行きます。私は再び来られてうれしいですし、初めて訪れた家族に日本のことを紹介できるのもうれしいです。17歳の息子がアニメのファンで、いろんなものを教えてくれるのですが、最近は、彼が教えてくれた「呪術廻戦」がいいと思っています。昨日来日したばかりなので、これから「呪術廻戦」のグッズが買える所に行きたいと思っています。どこかいいところがあれば教えてください(笑)。

-この映画を見終わった時に、これならライリーの成長に沿って「トイ・ストーリー」シリーズのように何本もできるのではないかと思いましたが、続きはありそうですか。

ニールセン 今のところプランはありませんが、「インサイド・ヘッド」の世界は、私たちが遊べるものだと思っています。この映画を作るに当たって、たくさんのアイデアが出てきましたが、カットしてしまったものがたくさんありますから、その中の幾つかが日の目を見ることがあるかもしれません。この映画の反応がすごくいいので…。何かいいアイデアはありますか?

-やっぱり、ライリーが恋をするとか…。

ニールセン なるほど。確かに続きを作るとしたらそうなるかもしれませんね。

-新しいキャラクターの形や色遣いなどで、何か気を付けたことはありましたか。

マン なぜか「シンパイ」はオレンジだと思いました。私は、どんな感情があるのかというリストを作ったのですが、それと同時に色のリストも作って、気持ちと色をマッチングさせてみました。すると「シンパイ」のイメージは、明るくて鮮やかな色なんです。反対に「ダリィ」は、だらんとしていて、あまり鮮やかな色ではない。鮮度が少ない色。何か聞かれても「別に」みたいな感じです。

-日本のファンに向けて、一言お願いします。

マン 日本の劇場で公開されるということで、うれしくてワクワクしています。私たちが心を込めて作った映画ですので、楽しんでいただいて、また自分のことも見てもらえたらなと思います。自分のことも考えて、自分の感情を違った視点から見られるようになってもらえたらとてもうれしいです。

ニールセン 日本公開を前にとてもワクワクしています。いろんな国で公開が始まっていますが、すごく反応がよくて、私たちはとても喜んでいます。この映画は家族全員で楽しめる映画になっていると思います。どんな年齢の人が見ても楽しめると思っていますので、アメリカの人たちが共感してくれたのと同じように、日本の人たちにも共感していただければと思います。

(取材・文・写真/田中雄二)

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