「この映画を見て、自分の感情を違った視点から見られるようになってもらえたらうれしいです」ケルシー・マン監督、マーク・ニールセンプロデューサー『インサイド・ヘッド2』【インタビュー】

2024年7月31日 / 08:00

 高校入学を控え人生の転機に直面したライリーの頭の中で新たな感情が現れる。人間が抱く感情たちの世界を舞台に描き、アカデミー賞で長編アニメーション賞を受賞したディズニー&ピクサーの映画『インサイド・ヘッド』(15)の続編である『インサイド・ヘッド2』が、8月1日から全国公開される。本作のケルシー・マン監督とプロデューサーのマーク・ニールセンが来日し、インタビューに答えた。

(左から)マーク・ニールセンプロデューサー、ケルシー・マン監督 (C)エンタメOVO

-世界中で大ヒットしているそうですが、製作中から手応えは感じていましたか。

ニールセン 作っている時は、観客が共感してくれるといいなと思いながら一生懸命仕事をしました。自分たちが見たいと思うような映画を作っていることに誇りはあるのですが、ピクサーという会社の壁の中で4年間かけて作りましたから、私たちは共感できるけど、果たして会社の外に出たときにはどうなのかという不安もありました。今、世の中に出て、いろんな人が共感してくれていることを知って、とてもうれしく思っています。

マン 全く予想外の、期待以上の成功です。

-9年ぶりの続編でしたが、続編を製作しようと思ったきっかけは? また、製作するに当たってプレッシャーはありましたか。

マン 「シンパイ」ということですね(笑)。あまり心配はしませんでした。

ニールセン 『インサイド・ヘッド』を作った当時は、シリーズにする気は全くなくて、あれで完結したと思っていました。ところが、 あの映画の監督で今はチーフクリエーティブオフィサーのピート・ドクターが、いろんな人から「あの映画が自分にインパクトを与えてくれて、感情について話せるようになった」とか、「親子で話をするようになった」「自分の感情を考えるようになった」というようなことを聞いたんです。あまりにもいろんな人からそういう話を聞いたので、ピートがだんだんと「もう1本作ってもいいのかな」と考えるようになって、ケルシーに「何かいいアイデアない?」と聞いたのが始まりでした。

マン 2020年の1月にピートから聞かれました。

-ライリーが成長して、 新しい4つの感情「シンパイ」「ダリィ」「ハズカシ」「イイナー」が出てきましたが、これらの感情以外に候補となったものはありましたか。

マン 人間にはいろんな感情があるのでアイデアはたくさんありました。けれども、ライリーの年代ではやはり自意識が過剰になってくるので、この4つを選びました。カットした感情の中にはすごく面白いものもあって、例えば「ヤキモチ」がありました。これは「イイナー」の双子の妹で、「ヨロコビ」が「あなたはどっちだっけ。どっちか分からない」と言うせりふがあったんですけど、リサーチをしてみたら、「イイナー」は人をねたむ感情とはちょっと違って、「私もあれを持っていたらいいのに」という気持ちだと分かったので、そちらを残しました。自分もライリーと同じ年齢の頃は、確かに「こうだったらいいのに」という気持ちがたくさんありました。

-今回はライリーの思春期がテーマでしたが、私も、自分の若かった頃を思い出して懐かしかったり切なかったりするところがありました。そう考えると、ピクサーアニメは、実は大人の観客をとても意識して作っているのではと思ったのですが、その辺りはいかがでしょうか。

マン 常に大人の観客を意識して作っています。私たちにもティーンエージャーの子どもがいますが、「オッケー、みんなで見に行こう」と言える映画があまりないんです。でもピクサーの映画だけは、おじいちゃん、おばあちゃんから孫まで楽しめる映画だと思います。多くの映画はある特定の年代の人や、ある特定のグループをターゲットにしていますが、マークも私も、どの年代の人でも楽しめる、家族全員が楽しめるものを作りたいと考えていました。ピクサーはそういう映画を作るスタジオです。だから私はピクサーが大好きです。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

浜辺美波「池松壮亮さんから様々な刺激をいただいています」大河ドラマ初出演で豊臣秀吉の妻・寧々を好演【大河ドラマ「豊臣兄弟!」インタビュー】

ドラマ2026年4月11日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合 毎週日曜 夜8:00~ほか)。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄の秀吉(=藤吉郎/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの奇跡を描く物語は快調に進行中だ。本 … 続きを読む

佐野晶哉「祖母が泣いて喜んでくれました」 連続テレビ小説初出演への意気込み【連続テレビ小説「風、薫る」インタビュー】

ドラマ2026年4月11日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「風、薫る」。田中ひかるの著書『明治のナイチンゲール 大関和物語』を原案に、明治時代、当時まだ知られていなかった看護の世界に飛び込んだ一ノ瀬りん(見上愛)と大家直美(上坂樹里)という2人のナースの冒険物語 … 続きを読む

早乙女太一「“劇団朱雀”という新たなジャンルを作るような気持ちで」早乙女友貴「お祭りを楽しむような感覚で」豪華ゲストと共に3年ぶりの公演に挑む 劇団朱雀「OMIAKASHI」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年4月9日

 大衆演劇の伝統を大切にしつつ現代的な感性や表現を取り入れ、多くの観客を魅了してきた劇団朱雀。2代目座長・早乙女太一率いるこの一座が、2023年5月以来3年ぶりとなる公演「OMIAKASHI」に挑む。  二部構成で一部は芝居、二部は舞踊ショ … 続きを読む

岸井ゆきの「『死』をポジティブに捉えることで、人生を前向きに考えられる」患者の最期をみとる看護師役を通して芽生えた死生観「お別れホスピタル2」【インタビュー】

ドラマ2026年4月3日

 現代医療のセーフティーネットというべき療養病棟を舞台にした沖田×華のコミックを原作に、死を迎える人が最後に出会う人=看護師の目線で死と生を描いた「お別れホスピタル」。2024年に放送されたこのドラマの続編「お別れホスピタル2」が、4月4日 … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第12回「小谷城の再会」豊臣兄弟の運命を左右する出会い【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年4月2日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=藤吉郎/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。3月29日に放送された第12回「小谷城の … 続きを読む

page top