磯村勇斗「新たな『演じ屋』になるのでは、とワクワクしました」奈緒とダブル主演を務めるヒューマンストーリー第2弾がスタート! 連続ドラマW-30「演じ屋 Re:act」【インタビュー】

2024年5月24日 / 12:00

磯村勇斗(C)エンタメOVO

-本作ではさまざまな社会問題を絡めながら、人情味あふれる物語が展開します。その中で、磯村さんご自身にとって新たな発見はありましたか。

 今回は「家族」について、深く考える機会になりました。俳優になる前は、当然のように「家族は血がつながっているもの」という認識でいましたが、いろんなことを見聞きする中で、血がつながらなくとも「家族」と呼べる形があることを知りました。この作品の演じ屋ファミリーもその一つです。彼らを家族として結び付けているのは、「(演じ屋ファミリーを本当の家族だと信じる)幼いセイルちゃんを守る」という共通の意識です。逆に今回の作品では、血のつながった家族に疑問を投げかける部分もあり、血のつながりが家族の絶対条件ではないんだなと、さらに強く感じるようになりました。

-本作では「家族」のほかに、ホームレスの問題なども扱っていますが、演じる上で意識したことは?

 明るくポップなテイストの中に、社会問題を絡めた絶妙なバランス感覚が、「演じ屋」の魅力です。そういう問題を軽率に扱うわけにはいきませんが、あまり重くなりすぎても作風が変わってしまうので、演じる上ではそのバランスを忘れないように心掛けました。

-磯村さんは昨年、『渇水』『月』『正欲』などの社会派映画でも活躍し、キネマ旬報ベスト・テン助演男優賞を受賞した際のインタビューで、「社会に切り込んでいく映画に携わりたかった」と語っています。役者として社会派の作品に引かれる部分もあるのでしょうか。

 社会的な問題については、俳優になる前から関心を持っていました。特にここ5年くらいは、世界でさまざまな事件が続いていることもあり、そういう関心がより強くなってきて。その点、社会派の作品に携わる機会をいただけることは、とてもありがたく思っています。この「演じ屋 Re:act」もそういう作品の一つで、大事なことがたくさん詰まっていると思うので、皆さんがさまざまな問題に関心を持つきっかけになってくれたらうれしいです。

-昨年はほかにも多数の映画賞を受賞しましたが、お気持ちはいかがですか。

 多くの賞をいただき、率直にうれしい気持ちはあります。とはいえ、いずれも一緒に作りあげた監督やスタッフ、出演者の皆さんを代表していただいた賞だと思っています。だから、僕自身は浮かれることなく、さらに精進しなければ、とプレッシャーも感じています。同時に、難しい作品ほど、乗り越えるべき壁も大きいので、その点ではやりがいも感じているところです。

(取材・文・写真/井上健一)

連続ドラマW-30「演じ屋 Re:act」は、WOWOWで2024年5月24日(金)午後11時放送・配信スタート(全7話)

 

 

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

山里亮太「長年の“したたかさ”が生きました(笑)」 三宅健太「山里さんには悔しさすら覚えます(笑)」STUDIO4℃の最新アニメ『ChaO』に声の出演【インタビュー】

映画2025年8月15日

-ネプトゥーヌス国王役の三宅さんはいかがでしょうか。人魚という設定の上に、娘と接するときと、それ以外では雰囲気がだいぶ違いますが。 三宅 ネプトゥーヌス国王は、「屈強で、威厳があり、でも娘に甘い」。最初にその3つのファクターを大事に、と伺い … 続きを読む

ウィリアム・ユーバンク監督「基本的には娯楽作品として楽しかったり、スリリングだったり、怖かったりというところを目指しました」『ランド・オブ・バッド』【インタビュー】

映画2025年8月14日

-リアム・ヘムズワースとラッセル・クロウを演出してみていかがでした。  2人とも自分が演じるキャラクターを見いだすための努力を惜しまず、そのキャラクターの中にある真実や誠実さを見つけてくれます。さらにそのキャラクターにエンタメ性や楽しさも持 … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(1)“たまたま”が導いた講談の道

舞台・ミュージカル2025年8月14日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼みなさん、こんにちは  日本の伝 … 続きを読む

原嘉孝×いとうあさこ、timelesz加入後初の舞台主演に「timeleszを背負っています」 舞台「ドラマプランニング」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年8月11日

-本作はドラマ制作の現場が舞台の物語で、いとうさんはドラマ主演俳優の癖のあるマネジャー役です。 いとう 役者さんのマネジャーさんについて正直知らないこともありますが、ある意味役者をよく見せたい、役者の魅力を伝えたいという芯は想像できます。た … 続きを読む

【映画コラム】新旧のSFアクション映画の魅力が詰まった『ジュラシック・ワールド/復活の大地』

映画2025年8月10日

 また、ジョン・ウィリアムズ作曲のオリジナルテーマ曲の流用は、先に公開された『スーパーマン』同様絶大な効果があり、恐怖とユーモアの同居は、スピルバーグが得意とする演出法だ。  また、「以前から、フィルムで撮影し、自然な映画的な質感を表現した … 続きを読む

Willfriends

page top