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私が地元の福岡の事務所に所属していたとき、ワークショップを受講する機会がありました。そこでモデルかお芝居、どちらかのコースを選択することになり、未経験だったお芝居に挑戦してみたら、わからないことだらけで。でもそれが、「面白い!もっと追求したい!」という気持ちにつながったんです。それまで、自分の中でこれほど胸を突き動かされるものに出合ったことはありませんでした。今もその気持ちは変わりませんし、お芝居をしている時間はすごくわくわくします。
きっかけは、私がテレビドラマ「FINAL FANTASY XIV 光のお父さん」(17)に出演したことです。撮影は2日間だけでしたが、そのときの監督が、「演じ屋」シリーズを一貫して手掛けてきた野口(照夫)監督で。ちょうど『演じ屋 reDESIGN』に出演する役者を探していたらしく、打ち上げのとき、「お願いしたい役がある」とお声掛けいただきました。そのときのことは、今も鮮明に覚えています。まだ右も左もわからなかった私の「お芝居をしたい!」という心の声のようなものをすくい上げてくださって、本当に感謝しています。
小さい頃から母にも「一期一会を大事にしなさい」と言われてきたので、ご縁は大切にするようにしています。それこそ、俳優の仕事は一期一会で、何度も出会う方もいれば、いくらお仕事をしても、出会えない人とはいつまでも出会えなかったりしますから。
いろんな魅力のある作品ですが、私の好きな点を一つ挙げると、演じ屋ファミリーのみんなが、それぞれ人の痛みを知っていることです。だから、「お人好しではいけない」と境界線をはりつつも、みんな根本が情に熱く、困っている人たちを助ける選択をする。それは、現場自体が優しく温かい人たちの集まりで、そういう皆さんの人柄が作品ににじみ出ているからなんだろうなと。その温かさは「演じ屋」という作品にとって大切なものだと思っています。
私1人でどうにかできるわけではありませんが、これからも「演じ屋」が続いてほしいという思いは強く持っています。アイカたちの今後も含め、いくらでも物語を広げられますし、いくらでも新しい仲間と出会える作品ですから。前作で磯村さんが加わってくださったときも、「演じ屋」の世界が広がってとても楽しかったですし。またうれしい再会ができたらいいなという期待も含め、これからも「演じ屋」が続いていくことを願っています。
(取材・文・写真/井上健一)
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