「トーマスの世界に、SDGsやリサイクルという概念が出てきた驚きがある」ディーン・フジオカ、やす子『映画 きかんしゃトーマス 大冒険!ルックアウトマウンテンとひみつのトンネル』【インタビュー】

2024年4月17日 / 09:00

ディーン 声優の仕事は、例えば、俳優としてアフレコをやったり、もしくは歌い手として歌を入れるのとはまたちょっと違うアプローチだと思っています。でもやっぱりそういった他の業種での経験も生きてくるような、すごくいい距離感のものだなと。今回は、最初に原語のせりふを聞かせてもらって、なるべくそのキャラクター像を崩さずに、これが日本語での人格だったらどうなるんだろうということを意識しながら、いろいろとトライしました。特にウィフは、SDGsというか、スクラップを新しい物に代えていくというキャラクターなので、やっていることは素晴らしいけど、アプローチの仕方によっては説教くさくなってしまって、伝わるものも伝わらなくなってしまうと思ったので、難しいことはあまり考えさせないような存在になったらいいと思いました。そこはすごく出せたような気がします。

-やす子さん、今回演じたダーシーというキャラクターについて、どういうところに魅力を感じましたか。

 ダーシーは仕事が大好きで、力を出し過ぎていろんなものを壊しちゃったりもするんですけど、全力で真っすぐです。そこにすごく引かれました。 自分も仕事が好きで、力が入り過ぎていろんなものを壊したりもするので、共感できる部分が多かったです。あとは、仕事で疲れている人がダーシーを見ると、どうしてこの職業に就いたのかとか、改めて思い出して、初心に戻って仕事を頑張れそうな気がします。今回は歌も歌っているので、ぜひ聴いていただきたいなと思います。

-ディーンさん、ウィフについてはどう思いましたか。

ディーン 最初に、ウィフがどういうタイプの機関車なのかというのを検索したら、「タンク機関車」だと。タンク機関車って小回りが利くんですよ。それに機転も利く。そのままだったらゴミになったようなものに新しい価値を見いだすウィフの存在は素晴らしいと思います。われわれが今必要としている発想の転換みたいなものを象徴しているキャラクターだと思いました。丸い眼鏡がトレードマーク。物知りでかっこいいですよね。

やす子 トーマスの世界に、ゴミになってしまったものから新しいものを作り出すという、SDGsやリサイクルという概念が出てきた驚きと、使えなくなったものも再利用することができるんだということを、子どもたちにも分かりやすく、優しく伝える方法があるんだなって思いました。

-最後に映画の見どころも含めて観客にメッセージを。

やす子 元気いっぱいのダーシーを見ると、自分も頑張ろうって思います。頑張り過ぎることで外の世界が見えなかったりもしますが、そこをトーマスたちが助けてくれるので、やっぱり人との関わり方を大事にしていきたいなと思えます。あとは「大大大冒険」というぐらいですから、大人が見ると、年齢とかに関係なく冒険してもいいんだと思えるような、すてきな映画だと思います。はい~。

ディーン この作品は、世代を超えての共通言語というか、メタファーになるような、世界観をつなげるような物語になっているので、ぜひ年齢を問わず、ご家族で見て楽しんでいただければと思います。

(取材・文・写真/田中雄二)

(C)2024 Gullane (Thomas) Limited.

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

二宮和也「子どもたちの映画館デビューに持ってこいの作品です」『シナぷしゅ THE MOVIE ぷしゅほっぺダンシングPARTY』【インタビュー】

映画2025年5月17日

-役作りをする上で気を付けたことはありましたか。  気を付けたことで言うと、子どもたちがメインで見るので、物語の展開もそうですけど、スピード感みたいなものは割と気を付けていました。あとは、「こうやって言ったら分かるよね」というような、押し付 … 続きを読む

【週末映画コラム】異色ホラーを2本 デミ・ムーアがそこまでやるか…『サブスタンス』/現代性を持った古典の映画化『ノスフェラトゥ』

映画2025年5月16日

『ノスフェラトゥ』(5月16日公開)  1838年。不動産業者のトーマス・ハッター(ニコラス・ホルト)は、自身の城を売却しようとしているオルロック伯爵(ビル・スカルスガルド)のもとへ向かう。  トーマスの不在中、彼の新妻エレン(リリー=ロー … 続きを読む

新原泰佑、世界初ミュージカル化「梨泰院クラス」に挑む「これは1つの総合芸術」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年5月16日

-ドラマ化が大ヒットを記録したこの作品をミュージカル化することにはどのような思いがありますか。  この作品をミュージカルにするのは、すごくハードルが高いのではないかと思ったので、驚きました。ストレートプレーで上演した方が、もっとダイレクトに … 続きを読む

グレッグ・ターザン・デイビス「とにかく、ただ純粋に面白い映画を撮ることだけが、自分たちに与えられたミッションでした」『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』【インタビュー】

映画2025年5月15日

-クリストファー・マッカリー監督の印象は?  今や彼は自分のおじさんのような存在なので「マッカリーおじさん」みたいな呼び方をしていますが、自分にとっては先生ですね。彼は演出だけではなくて指導力もとても優れています。自分が恵まれていると思うの … 続きを読む

研ナオコ、認知症のおばあちゃん役で9年ぶりの映画主演「主演女優賞を狙ってます(笑)」岡﨑育之介監督「研さんの人生の奥行きがにじみ出た」『うぉっしゅ』【インタビュー】

映画2025年5月12日

ーところで本作は、研さんの9年ぶりの映画主演作だそうですね。 研 そういうことは全く頭になかったです。「何周年記念のお祝い」みたいなことがあまり好きではないんです。「何年やったからといって、何が偉いの?」と思ってしまって。自分が人間的に成長 … 続きを読む

Willfriends

page top