「このドラマでは東京がメインキャラクター」「これからどうなるのって、1週間ドキドキ、イライラしながら待つ時間を過ごしてほしい」アンセル・エルゴート、渡辺謙「TOKYO VICE Season2」【インタビュー】

2024年4月9日 / 15:09

-このドラマの舞台が1990年代の日本で、東京の闇や裏社会が出てきますが、何か東京が別の街に見えるようなところがあります。それはやはり外国のスタッフが撮っていることが大きいのでしょうか。また、このドラマが描いたテーマについてはどう思いますか。

渡辺 撮影監督も脚本家も日本人ではないので視点が違うというのはありますよね。ただ僕は、90年代というのが非常に興味深く、面白い年代だったと思うんです。みんなが心のどこかにわだかまりや闇を抱えている。まだまだ旧時代のアナログ的な精神構造や社会構造、しがらみも抱えている。このドラマは、そういう中で起こるクライムサスペンスなので、もしかすると今の時代のゆがみみたいなものの原点がここにあるような気がするんです。加えて、ある種のノスタルジーもあるし。われわれがちょっと道を間違えたかもしれない原点がここにあるかもしれないというのが、このドラマ全体の大きなフレームの一つなのかもしれないと思います。

 結局、今まで日本ではこういう問題はあまり描けていなかったと思います。例えば、政界と裏社会、危ない宗教とのつながりとか。だからこのドラマは目新しいように見えるけど、「社会ってこんなもんだよね」という話です。そういう意味では、いわゆるジャポネスクみたいなことではなくて、本質的なものにやっと切り込み始めたんだと思います。こういう問題は世界のどこにでもあるわけです。例えばアメリカは政界と製薬会社の癒着などを平気で映画で描くじゃないですか。でも日本ではなかなかそこまで踏み込めないし、切り込めなかった。でもそれを、フィクションではありますが、こうやって切り込んでいくという点では、目新しいドラマになっているのかもしれないです。

アンセル 90年代の東京は舞台としてすごく面白いです。僕が初めて日本に来た時に、ここで撮影するイメージはすごくいいと思いました。だからこのドラマでは東京がメインキャラクターですから、すごくいい作品が作れると思いました。台本の中のジェイクは、面白いシーンにたくさん関わっていたので、俳優にしてはすごくやりがいを感じました。ほかの作品では、2、3週間のクールの中で、走るだけ、撃つだけ、運転するだけということもありますが、この作品ではそれは全くありませんでした。

-最後にドラマの見どころをお願いします。

渡辺 僕ら出演側の人間が1回ごとに台本もらってびっくりしたんです。「えーーーっ!」 みたいな。だから、その驚きは必ず視聴者にも届くと思います。1話で完結する話ではなくずっと話が転がっていって、雪だるま式にどんどんと膨れ上がっていくし、ゆがんでいく…。これからどうなるのって、1週間ドキドキ、イライラしながら待つ時間を過ごしてほしいですね。10本全ていけていると思います。

アンセル あなたはまだ3話までしか見ていないんですよね。では、4話から10話までが見どころです。ごめんなさい(笑)。

渡辺 こういうやつですよ(笑)。

(取材・文・写真/田中雄二)

Photo: James Lisle/WOWOW

 

ハリウッド共同制作オリジナルドラマ『TOKYO VICE Season2』

WOWOWにて4月6日(土)スタート。毎週土曜午後9時放送・配信(全10話)〔第1話無料放送〕※WOWOWオンデマンドで、Season1全8話配信中。

公式Instagram(@wowow_tokyovice)

 

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(14)梅は飛び

舞台・ミュージカル2026年5月28日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼太宰府天満宮の「梅ヶ枝餅」  前 … 続きを読む

芳根京子&渡辺翔太、ウェンディの視点から描く「ウェンディ&ピーターパン」で初の舞台共演 お互いに「心強い」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年5月27日

 芳根京子と渡辺翔太がダブル主演を務める、Bunkamura Production 2026/DISCOVER WORLD THEATRE vol.16「ウェンディ&ピーターパン」が、6月12日から上演される。本作は、世界的名作「ピーターパ … 続きを読む

佐々木蔵之介「この映画を見た後で自分の気持ちがさまようようなところがあるので、誰かと一緒に見てほしいと思います」『名無し』【インタビュー】

映画2026年5月22日

-この話は、佐藤さんだからこそ出てきたものだという感じはありましたか。  多分、この山田太郎というのをこんなふうに演じてみたいというところから始まったんだと勝手に思います。そこからストーリーを膨らませていったり、いろいろと作っていったのかも … 続きを読む

宮野真守&神山智洋、初共演の二人が作り上げる、劇団☆新感線のドタバタ音楽活劇ミステリー 「多幸感にあふれた作品をお届けしたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年5月22日

 宮野真守と神山智洋(WEST.)が出演する、2026年劇団☆新感線46周年興行・夏公演 SHINKANSEN☆RSP 怪奇骨董音楽劇「アケチコ!~蒸気の黒ダイヤ、あるいは狂気の島~」が、6月12日から上演される。本作は、脚本に劇作家の福原 … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第19回「過去からの刺客」慶の心を動かした小一郎の言葉【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年5月21日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=羽柴秀吉/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。5月17日に放送された第19回「過去か … 続きを読む

page top