加藤清史郎、宮崎駿監督作品『未来少年コナン』舞台化への思い「今、見ても全く色あせず、ストレートに刺さる」【インタビュー】

2024年4月4日 / 08:00

-では、コナンがラナを助け出すために冒険の旅に出るという本作にちなんで、加藤さんがもし冒険をするとしたら、どんな冒険をして、どんなところに行きたいですか。

 冒険と言うからには、「温泉巡り」や「カフェ巡り」じゃないものを言おうかな(笑)。コナンがラナを守るために冒険している姿がとてもかっこいいので、僕も“ラナ”を守るために冒険したいです。ということは、まずは自分にとっての“ラナ”を見つけないと(笑)。それに加えて、コナンはダイスやモンスリーたちも助ける「守るための冒険」をしているので、それはすごくすてきだなと思います。僕もそんな冒険がしたいです。

-ところで、加藤さんは映像作品でも活躍していますが、舞台に出演することに対してはどんな思いがありますか。

 僕は、映像と舞台は本質的な部分は変わらないと思っていますが、(舞台は)生であるということは違うところだと思います。テレビの画面越しで見るのと、同じ場所にいて目の前で演じているのを見るのでは、大きな違いがあると思います。例えば動き1つとっても、画面で見るより舞台の方が伝わることもあり、それぞれの役者がその場に生きているからこそ生まれるものがあると思います。それは、演じていても面白いところですし、観客の皆さんもそうしたところに魅力を感じていただけているのではないかなと考えています。何度同じ作品を見ても、少なからず違う部分があったり、作品によっては(ダブルキャストなどで)キャストが変わることも舞台の持ち味だと思います。今回、『未来少年コナン』を舞台化することの意義を劇場でお見せし、コナンという少年を通して、皆さんに何かを感じていただけたらと思っています。

-加藤さんがめざす理想の俳優像は?

 昔から変わっていないのですが、幅のある役者になりたいです。役柄はもちろんですが、映像も舞台も声のお仕事も、仕事の幅もある役者になりたい。新しい作品に出会ったら、また別の幅を広げられると最近は特に実感しているので、自分の幅を増やし、伸ばし続けることがマストなのかなと思います。

-役の幅という意味では、2023年に放送されたドラマ「最高の教師 1年後、私は生徒に□された」(日テレ系)での役柄もこれまでのイメージにはない役柄でした。

 そうですね。これまで演じたことがない役柄でしたので、自分の中でも印象に残っています。僕の中でも特別な役で、2023年のお仕事について聞かれた時に真っ先に思い浮かぶ作品です。

-最後に改めて本作への意気込みを教えてください。

 この(メディア向け)リリースにあるように「奇跡の舞台化」だと思います。その「奇跡」をきちんと形にできるように、みんなで作り上げていこうと思っていますので、ぜひご来場いただければと思います。子どもも大人も楽しめる作品になると思うので、ぜひご家族で、友人同士で、生の芝居を感じていただけたらと思います。

(取材・文・写真/嶋田真己)

 舞台「未来少年コナン」は、5月28日~6月16日に東京芸術劇場 プレイハウスで上演。

 

舞台「未来少年コナン」

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

磯村勇斗&堀田真由、ともにデビュー10年を迎え「挑戦の年になる」 ドラマ「僕達はまだその星の校則を知らない」【インタビュー】

ドラマ2025年7月2日

 磯村勇斗主演、堀田真由、稲垣吾郎が出演するカンテレ・フジテレビ系“月10ドラマ”「僕達はまだその星の校則を知らない」が7月14日から放送スタートする。本作は、独特の感性を持つがゆえに何事にも臆病で不器用な主人公・白鳥健治(磯村勇斗)が、少 … 続きを読む

蓮佛美沙子&溝端淳平「カップルや夫婦が“愛の形”を見直すきっかけになれたら」 グアムで撮影した新ドラマ「私があなたといる理由」【インタビュー】

ドラマ2025年7月1日

 ドラマ「私があなたといる理由~グアムを訪れた3組の男女の1週間~」が、7月1日からテレ東系で放送がスタートする。本作は、グアムを訪れた世代が違う男女3組のとある1週間を描いた物語。30代の夫婦(蓮佛美沙子、溝端淳平)、20代の大学生カップ … 続きを読む

風間俊介「横浜流星くんと談笑する機会が増えてきたことがうれしい」蔦重と和解した鶴屋喜右衛門役への思い【大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」インタビュー】

ドラマ2025年6月29日

-それが変わってきたということでしょうか。  物事は、ある程度加速がつき、歯車がスムーズに回り始めれば、少ないエネルギーで進んでいくようになりますが、スタートするときは膨大なエネルギーが必要です。この作品もそういう過程を経て、ようやく彼が笑 … 続きを読む

栗田貫一「今回はルパンたちが謎の世界に迷い込んで謎の敵と戦って、しかも前に倒した連中もよみがえってくるみたいな感じです」『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』【インタビュー】

映画2025年6月27日

-30年間やってきて、栗田さんなりのルパンに対する思いや魅力について。また栗田さんにとってルパンとはどういう存在でしょうか。  やっぱりルパン三世の声は、パート2や『ルパン三世 カリオストロの城』(79)の頃の、山田さんが一番元気だった頃の … 続きを読む

光石研、大倉孝二「ちょっと重いけれどちゃんとエンターテインメントになっていると思います」『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』【インタビュー】

映画2025年6月27日

-三池崇史監督の演出や映画に対する姿勢についてはどう感じましたか。 大倉 あまり無駄なことはおっしゃらないです。すごく明確な演出をなさいます。僕の場合は、校長と薮下先生との間に挟まれているという、スタンスにちょっとよどみがあったのかもしれな … 続きを読む

Willfriends

page top