古川毅「誰かにとってのスターになれれば」 多くの困難があったコロナ禍を経て「飛躍の年」に【インタビュー】

2024年1月17日 / 08:00

古川毅 (C)エンタメOVO

ー撮影現場の雰囲気はいかがでしたか。

 ダークな空気感のある、重い作品ではありますが、撮影していないときはみんなで楽しく過ごしていました。臼田(あさ美)さんや剛力(彩芽)さんが現場の空気をふわっと包み込んでくださっていたので、それに甘えさせてもらっていました。もちろん、作品が作品なので緊張感もありましたが、皆さんとはすごくいいコミュニケーションを取りながら作れたと思います。

ー改めてこのドラマの見どころを教えてください。

ドラマ「夫婦の秘密」(C)BS-TBS

 理解しがたい瞬間がたくさんあると思いますし、カオスな状況になると思いますが、実は一つ一つが結びついていきます。人間のエグさや尊さという意味でヒューマンドラマではあると思うので、ぜひハラハラしながら楽しんでいただけたらと思います。

ー古川さんのことについても教えてください。古川さんのデビューのきっかけは?

 スカウトです。この世界に憧れを抱いていたというわけではないのですが、(スカウトされた当時は)中学3年生で高校の進学を控えていたこともあり、進路について悩んでいたというタイミングでもあったのでやってみようと。僕はワクワクする方向に吸い寄せられていくタイプなので、面白そうだな、チャレンジしてみようかなと軽い気持ちでした。

ー“本気スイッチ”が入ったのはいつ頃だったのですか?

 事務所に入って、EBiDANの研究生になって、ユニットを組んで…という感じで活動していたのですが、その時々で、全てに一生懸命、本気でやっていました。ただ、10代のうちはまだ部活の延長線上という感覚だったのかもしれません。それが「仕事」という感覚になったのは、2018、2019年くらいだったのかな。自分でもはっきり自覚をしているわけではないですし、それまでも本気でやっていたのですが。最初からすごく楽しくて、全てが新鮮だったので。

ー2015年にSUPER★DRAGONとしてデビューした後に、2018年には俳優としての活動もスタートしました。グループ活動、俳優業、それぞれにどんな思いがありますか。

 グループ活動は、自分1人の夢じゃなく、仲間やスタッフさん、そしてファンである「BLUE」と一緒に作ってきた歴史です。なので、僕にとってはファミリーでホームです。だからこそ、世界をもっと広げていき、やりたいこともしっかり表現していきたいという思いがあります。もちろん、個人で行っている役者業で得たものもグループに還元したいですし、それはグループのためでもあると思っています。

 役者業は、自分の知らないことが本当に多い世界で、分からないことだらけ。年齢関係なく、素晴らしい才能を持った方たちがたくさんいると感じています。さまざまな出会いによって、自分の表現にも深みが出たり、見たことのない景色や世界を見させてくれる場所でもあって、グループ活動では得られない経験ができる場でもあります。グループは自分というフィルターを通してお伝えしていくという感じですが、役者業は役を通して伝えていくので、そこが違いかなと思います。

ー古川さんの今後の夢や目標は?

 まずは、目の前のことにしっかり向き合っていきたいと思います。それから、誰かにとってのスターになれればいいなと思っています。グループとして、「アジアのポップスターになりたい」と言っていますが、個人でもそうなれたら、自分だけでなくみんながより良い環境になるのかなと。「自分に関わる人、自分を好きでいてくれる人たち、自分が大事だと思う人たちのことを幸せにする」というのが夢でもあるので、そういう人たちのスターになれればと思います。

ーところで、趣味が「漢飯作り」とプロフィールにありますが、料理が好きなのですか。

 一人暮らしなので、適当なものですが、余裕がある時には作っています。レパートリーがあまりないので、同じようなものばかりですが(笑)。この間は、家にあるものでパスタを作ろうと思ってキッチンを探したら、少し高価なゆず塩味の鶏肉の缶詰を見つけたんですよ。それで、これを使おうと。オリーブオイルで炒めて、鷹の爪を入れて、ペペロンチーノではないですが、ピリ辛のいい感じのパスタが作れました。他人に振る舞えるかは分かりませんが(笑)、自分ではそれなりにおいしく食べられたので、こういうのも悪くないなと。

ーでは、2023年はどんな1年でしたか? また、2024年に挑戦したいことを教えてください。

 2023年は、軸足を固められた1年だったように思います。コロナ禍からの3年間は、辛いこともたくさんありました。いろいろなことがぐらぐらしていた気がして、やっと安定したと思ったらそれが崩れて…と大変だったこともありましたが、2023年は、それがやっと定まって、自分たちのやるべきこともやりたいこともしっかりと見えた。グループとしても役者としても、こうありたいというものが改めて確認できた1年でした。2024年は、より多くの方に見ていただいて、聞いていただいて、多くの方の目に止まる1年になればと思います。月並みですが、飛躍の年になればと思っています。

(取材・文・写真/嶋田真己)

古川毅 (C)エンタメOVO

 ドラマ「夫婦の秘密」は、BS-TBSで1月4日から毎週木曜夜11時~11時54分(木曜ドラマ23枠)で放送。放送の翌日正午からはTVerとNetflixでも配信。

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】映画は原作を超えたか 沖縄の現代史を背景に描いた力作『宝島』/純文学風ミステリーの趣『遠い山なみの光』

映画2025年9月18日

『遠い山なみの光』(9月5日公開)  1980年代のイギリス。日本人の母とイギリス人の父との間に生まれロンドンで暮らすニキ(カミラ・アイコ)は、大学を中退し作家を目指している。ある日、彼女は執筆のため、異父姉の景子が亡くなって以来疎遠になっ … 続きを読む

【Kカルチャーの視点】レジェンドたちの「朝鮮の旅」たどった写真家の藤本巧さん

2025年9月18日

▼新しい美の概念  志賀直哉や武者小路実篤らと文芸雑誌『白樺』を創刊し、西洋美術を紹介していた柳宗悦(1889-1961)は、浅川兄弟との関わりで初めて朝鮮に興味を持つことになる。  「(彫刻家を目指していた)伯教さんは『白樺』を読み、柳先 … 続きを読む

エマニュエル・クールコル監督「社会的な環境や文化的な背景が違っても、音楽を通して通じ合える領域があるのです」『ファンファーレ!ふたつの音』【インタビュー】

映画2025年9月18日

-劇中に流れるさまざまな曲は、全て監督のチョイスですか。  音楽は全て私のチョイスです。こういうシーン、こういう状況だったらこの音楽は意味があるかなと考えながら一つ一つ選んでいきましたが、いろんな人たちの意見も聞きましたし、私自身もたくさん … 続きを読む

前田旺志郎「世の中に関心を持つ大切さに気付いた」窪塚愛流「止まっていた時間が動き出した」初共演の2人が福島原発事故を題材にした映画で感じたこと『こんな事があった』【インタビュー】

映画2025年9月16日

-お芝居に悩んだり、難しさを感じたりすることはありませんでしたか。 前田 たくさんあります。でもその都度、松井監督と相談しながら進めていきました。迷ったときは、松井監督を信じればいい、という信頼関係が出来上がっていたので。 窪塚 松井監督は … 続きを読む

グイ・ルンメイ、真利子哲也監督「お互いが思い合うからこそすれ違う。でもそこには愛があるという家族の形を描きたかった」『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』【インタビュー】

映画2025年9月12日

-ルンメイさん、夫・賢治役の西島秀俊さんの印象はいかがでしたか。 ルンメイ 今回西島さんと一緒にお仕事ができたことはとても光栄でした。西島さんは経験豊かな方なので、私は現場でとても安心して演技をすることができました。西島さんがいろんなエネル … 続きを読む

Willfriends

page top