「この映画は、自分を形成してくれたさまざまな映画へのラブレター」ザック・スナイダー監督『REBEL MOON - パート1:炎の子』
【インタビュー】

2023年12月20日 / 07:00

-『七人の侍』の設定を宇宙に置き換えた『宇宙の7人』(80)という映画もありました。

 そうですね。例えば、『スターブレイザーズ=宇宙戦艦ヤマト』は、今回の宇宙船の形などにも影響しているし、いろいろなところにそうしたものは感じられると思います。そもそもこの映画は、自分を形成してくれたさまざまな映画へのラブレターなんです。哲学的な、映画的な視点からこの作品を見るのであれば、そういう作品だと。僕の美的感覚を養ってくれたさまざまな映画へのラブレターなんだというふうに見てくださればいいと思います。

 昨日の会見でも、『スター・ウォーズ』から『ブルーベルベット』(86)まで、自分に影響を与えてくれた作品名を挙げましたが、77年から87年の10年間が、やっぱり自分の土台になっているんです。例えば『エイリアン』(79)から『エイリアン2』(86)、それから『ブレードランナー』(82)…。特にジョン・ブアマン監督の『エクスカリバー』(81)が大好きで、僕のどの作品にも強い影響があります。神とかではなく、哲学的な、神話学的な形で影響が出ていると思います。

-最近のスーパーヒーロー映画は、上映時間がどんどん長くなっていますが、監督は以前から、長い時間で物語を描くことをしてきました。今回も2部作ですが、ストーリーと上映時間との関係について監督の中でも変化はありますか。

 ストーリーが必要としているものが映画の尺になると思いますが、関係性や感覚が変わってきているところもあるかもしれません。この作品は、基本的に4時間の映画を2部に分けているだけだと考えてもらっていいし、この夏リリースされるものは、2本とも3時間なので、トーンも全然違います。ご存じだと思いますが、規制の問題で、バイオレンスとかセクシャルな部分がカットされています。もともとは雑誌に載っていたものが基になっていて、それに寄っていくようなトーンでした。だから、全然トーンが違って、より幅広い観客に見てもらえるようなものになっています。

(取材・文・写真/田中雄二)

Netflix映画『REBEL MOON - パート1:炎の子』12月22日(金)独占配信

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

千賀健永、頭が良くてゲームが上手な弟に「かわいい復讐心はありました」【インタビュー】

ドラマ2025年7月7日

 トリンドル玲奈が主演するドラマ「レプリカ 元妻の復讐」が、7日23時6分からテレ東系で放送がスタートする。本作は原作・タナカトモ氏、作画・ひらいはっち氏による同名漫画を映像化。整形して別人として生きる主人公・伊藤すみれ(トリンドル)が、人 … 続きを読む

安田顕「水上くんの目に“本物”を感じた」水上恒司「安田さんのお芝居に強い影響を受けた」 世界が注目するサスペンスで初共演&ダブル主演「連続ドラマW 怪物」【インタビュー】

ドラマ2025年7月5日

-そのほか、撮影を通じて特に印象に残ったことがあれば教えてください。 安田 撮影が終盤に差し掛かった頃、原作者のキム・スジンさんにお目にかかる機会があったんです。キム・スジンさんは、それぞれのキャラクターに、ものすごく細かいバックボーンを作 … 続きを読む

TBS日曜劇場「19番目のカルテ」が7月13日スタート 新米医師・滝野みずき役の小芝風花が作品への思いを語った

ドラマ2025年7月5日

-松本さんとは初共演ですね。現場での印象は?  「はい、行くよ!」って声をかけて引っ張っていってくださる兄貴肌です。スタッフの皆さんとも積極的にコミュニケーションを取っていらっしゃる姿も見ますし、松本さんの存在で撮影現場全体が活気づいている … 続きを読む

南沙良「人間関係に悩む人たちに寄り添えたら」井樫彩監督「南さんは陽彩役にぴったり」期待の新鋭2人が挑んだ鮮烈な青春映画『愛されなくても別に』【インタビュー】

映画2025年7月4日

-陽彩はいわゆる“毒親”の母と2人で暮らすうち、自分の人生に期待を持てなくなってしまった人物です。そういう役と向き合うお気持ちはいかがでしたか。 南 陽彩にとって、親や家族は、居場所であると同時に、自分を縛る呪いのようなものでもあったと思う … 続きを読む

紅ゆずる、歌舞伎町の女王役に意欲「女王としてのたたずまいや圧倒的な存在感を作っていけたら」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年7月4日

 2019年に宝塚歌劇団を退団して以降、今も多方面で活躍を続ける紅ゆずる。7月13日から開幕する、ふぉ~ゆ~ meets 梅棒「Only 1,NOT No.1」では初めて全編ノン・バーバル(せりふなし)の作品に挑戦する。  物語の舞台は歌舞 … 続きを読む

Willfriends

page top